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「お父さんと離さないと!」思いがけない医師の助言に思考が停止<母の認知症介護日記>

  • 2024.12.31

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは糖尿病の持病があります。以前はしっかりと自己管理ができていたのですが、認知症の症状が進むにつれて、こっそりと甘いものを食べるようになってしまいました。そのため、毎月受けている糖尿病の検査では、数値の悪化が続いています。それでも、先生は同じことを繰り返し言うだけで、ワフウフさんはモヤモヤ……。思い切って、ワフウフさんが甘いものを隠れて食べていることを先生に訴えたところで「やめてくださいね」のひと言で終了。そんな声掛けでやめてくれるなら、誰も苦労はしていないはずです……。

薬の管理ができず、言動と行動が一致しないことも多々あり、絶不調が続いているあーちゃん。病院の待ち合わせも、メモを渡していたのに「明日の待ち合わせは?」と電話がかかってくる始末。しかも、伝えた場所とは違うところで待っていて、ワフウフさん姉妹は振り回されっぱなしです。そんな状態で、認知症の病院の受診日がやってきて……。

何をするべき? 何ができる?

認知症の病院の診察日。先生は穏やかな口調であーちゃんに話してくれます。

あーちゃんは弱々しいながらも、受け答えはできています。

ここで、姉が最近の出来事を話すように促すと……。

※たんたん:ワフウフさん姉妹の父、あーちゃんの夫

父のことを話していました。

私たちも、父が通帳は娘が預かっていることを知っているのに、勝手に再発行手続きを進めたことなどを話します。

先生は、お薬を調整してくれると言っていたのですが……。診察を終えて部屋を出た私を呼び止めました。

先生は険しい顔で、今の状況は良くないから父と「はなす」ように言いました。

私がこう答えると……。

物理的に……?

言葉の意味を理解するまでに時間がかかり……。

それが「施設」を指すことに、やっと気づきました。

先生からの思わぬ提案に、動揺が隠せません。

姉と話し合い、施設はあくまでも最終手段だと考えていた私の思考は停止……。

たしかに、先生の言うことは納得できるのですが……。

待ちに待った認知症の病院での診察。先生は、あーちゃんの顔をのぞき込みながらゆっくり話してくれました。あーちゃんも、少し不安そうな様子がありながらも、ちゃんと自分の言葉で話しています。そして私たちも助け船を出して、娘たちが通帳を持っていることを知っているのに、父が通帳を再発行した話を聞いてもらい、そのせいもあって絶不調が続いていると訴えました。

先生は、認知症には精神的な不安が一番良くないので、お薬を調整してくれると言ってくれたのですが、診察を終えたあとに一番近くにいた私を呼び寄せ、険しい顔で「とても良くない状況ですね。お父さんとはなさないと!」と言いました。私が、間もなく父と話す予定だと言うと「その『はなす』ではなく、物理的に!」と。思いがけないことを言われ、私の脳は言葉の意味を理解するまで、時間がかかってしまって……。

先生いわく、父が今の状態を知って通帳の再発行をしているのはかなり悪質。環境を変えるリスクはあるけれど、物理的に離して精神的に安定させたほうがいいとのこと。つまり、施設に入れてはどうかということです。私たち姉妹の考えでは、施設はあくまでも最終手段のつもりでした。予想もしていなかった展開に、何をすべきか何ができるのか……いろいろな考えが頭を巡っていたのです。

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絶不調が続いているあーちゃんを見て、先生はその原因が同居する父だと考えたようですね。ただ、ワフウフさんにとっては、施設というのを考えていなかったタイミングでの提案で、少なからず動揺したと思います。介護は目の前の問題と向き合うことだけではなく、あらゆる状況に備えて複数の選択肢を考えておくのも重要な課題と言えそうです。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

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著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ

ベビーカレンダー/シニアカレンダー編集室

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