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冬に起こる「つばを飲み込みにくい」に要注意。見過ごしやすい意外なトラブル、どう防ぐ?

  • 2025.1.1

「脱水症状」というと、汗をよくかく暑い季節特有のものだと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、寒い季節は空気が乾燥しているため皮膚から蒸発する水分量が増え、体液が失われやすい傾向にあります。

さらに、暑い季節に比べると喉の渇きを感じにくいため摂取する水分量が減り、脱水状態に陥ることもあるんだとか。

自覚がない「かくれ脱水」になると、頭痛や強い眠気、食欲不振や筋肉痛、集中力の低下といった症状があらわれるため、注意が必要です。薬剤師の山形ゆかりさんに教えてもらいました。

かくれ脱水のチェックポイント

かくれ脱水になると、以下のようなサインがあらわれます。

・尿の色が濃くなる
・喉が渇く
・短期間で体重が減る
・風邪ではないのに37度前後の微熱がある

さらに、年齢を重ねると以下のような症状があらわれることもあります。

・皮膚が乾燥して、つやがなくポロポロと落ちる
・口の中が粘つき、つばを飲み込みにくいと感じる
・便秘になった
・手の甲をつまんで離した後、跡が3秒以上残る
・足がむくみ、靴下を脱いだ後もゴムの跡が10分以上残る

このような症状があらわれた場合、かくれ脱水に陥っている可能性が高いと考えられます。今から紹介する対策を参考にしてください。

かくれ脱水を防ぐ方法は?

かくれ脱水に陥るのを防ぐためには、以下の方法がおすすめです。

こまめな水分補給

かくれ脱水の防止には、こまめな水分補給が大切です。個人差はありますが1日に1.5Lの水分を摂ることを目安にしてください。喉の渇きを感じていなくても、2~3時間に1度は水分を摂ることが重要です。

とくに、就寝中に汗をかくため寝起きにコップ1杯の水を飲むことが大切です。入浴後や飲酒後も脱水状態になりやすいため、普段よりも意識して水分を摂ってください。

適切な加湿

寒い季節のかくれ脱水を防ぐためには、皮膚からの水分蒸発を防ぐことが大切です。加湿器や濡れタオルを使い、部屋の湿度を50~60%に維持してください。

また、冬は寒さを防ぐために気密性の高い衣服を着る機会が増えますが、このような衣服はからだを温めて発汗作用を引き起こす要因となります。温かい衣服を着ているときは、普段よりも意識的に水分を摂ってくださいね。

漢方薬の服用

こまめな水分補給や適切な加湿によるかくれ脱水の予防も効果的ですが、外出先で思うように水分を摂れなかったり、自宅ではないため湿度調整が難しかったりすることもあるでしょう。

普段から漢方薬を服用して、脱水状態に陥りにくいからだ作りを目指すこともおすすめです。

脱水対策には、「水分代謝を改善し、余分な脱水を防ぐ」「胃腸の機能を回復し、水分の吸収をよくする」「水の循環をよくし、体中に必要な水分を届ける」などの働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。

漢方薬は根本からの改善を得意としているので、脱水になりにくいだけでなく、皮膚が潤い、疲労やストレスに負けないからだへと導いてくれます。

かくれ脱水対策におすすめの漢方薬2つ

・五苓散(ごれいさん):からだの水分バランスを整えることで、むくみ、下痢、嘔吐、頭痛などの症状に幅広く用いられます。喉が渇き、尿量が少ない人におすすめです。

・六味丸(ろくみがん):潤いや栄養の不足を改善し、むくみ、排尿困難、頻尿などにも用いられます。疲れやすく、手足のほてりや口の渇きがある人におすすめです。

漢方薬は、自分の体質に合うものを選ばないと思わぬ副作用が出てしまうこともあります。ぜひ薬剤師に相談を。

教えてくれたのは●山形ゆかりさん。薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入る。症状・体質に合ったパーソナルな漢方で、症状緩和と根本改善を目指す。

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