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敵は母国…29歳男性が“ 少数民族武装勢力”として戦う理由「両親は反対したけど」

  • 2024.12.30
【写真・画像】敵は母国…29歳男性が“ 少数民族武装勢力”として戦う理由「両親は反対したけど」 1枚目
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あるミャンマー人の29歳の男性は、自ら志願して、母国ミャンマーと敵対するカレン民族軍に入隊した。母国の政府軍を相手に、彼が命をかけて戦うその理由とは……。

【映像】内戦地で戦う兵士たちの様子

12月28日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める新番組『国境デスロード』#4が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。

【写真・画像】敵は母国…29歳男性が“ 少数民族武装勢力”として戦う理由「両親は反対したけど」 2枚目
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今回スポットを当てたのは、ミャンマーと自称・カレン国の間に存在する、国際的には認められていない“見えない国境”。ミャンマーの主要な少数民族・カレン族は、1948 年に独立を宣言し、ミャンマーの一部地域をカレン国として占領した。ミャンマー軍とカレン民族軍による抗争は70年以上続いており、近年には1ヶ月で290回の戦闘が発生し、300人以上の兵士が命を落としたこともあるという。激化する内戦の最前線を、プジョルジョDが取材した。

【写真・画像】敵は母国…29歳男性が“ 少数民族武装勢力”として戦う理由「両親は反対したけど」 3枚目
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取材を進めるなかで、カレン兵の駐屯地へやって来たプジョルジョD。カレン族は独自の言語を使うが、1人だけ英語を話せる兵士がいたので、彼に話を聞くことにした。29歳のドームさんに、英語を話せる理由を問うと、ミャンマー人であることが明らかに。ミャンマーはかつてイギリスの支配下にあったため、英語を話せる人も多いのだという。ドームさんは23歳のときに母国ミャンマーを離れ、敵対するカレン民族軍に入隊。ミャンマーで暮らす両親は入隊に反対したそうだが、ドームさんの意志は固かった。「自分の未来のためにこの道を選んだ。この選択は必要なことなんだ。私は戦うことを望んでいる」。

その後も彼に密着し続けていくと、母国と戦う理由が明らかになった。なぜ戦うのかという問いに、ドームさんは「民主主義のためだ」「人間の権利を手にいれるために」と返答。長年にわたり軍事政権による統治が続いてきたミャンマーは、2016年、アウンサンスーチー氏らによって民主派政権に変わった。しかし、2021年には軍によるクーデターが発生し、再び軍事政権に。民主派の幹部400人以上が拘束され、反発する民間人も3年間で4400人以上殺害された。以来、経済全体が混乱し、国民は貧困に苦しめられている。

【写真・画像】敵は母国…29歳男性が“ 少数民族武装勢力”として戦う理由「両親は反対したけど」 4枚目
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そんななか「僕はミャンマー人だけど、ミャンマー軍のやり方には賛同できない」と立ち上がったドームさん。民主派の幹部が拘束され、ミャンマー軍に反撃できない状況下で、彼が希望を見出したのが、カレン民族軍だったのだ。ドームさんは「カレン国という力がある軍なら、ミャンマー軍を倒し、革命を起こせる。だから僕はカレン兵としてミャンマー軍と戦うことを決めた」と語った。さらにプジョルジョDは「人を殺したことがある?」と質問。ドームさんは「インベーダー(侵入者)は殺した」と答え、その時の心境について「幸せではない。でも悲しくもない。なぜなら、殺すことは私の心が選択したこと」と明かしていた。

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