1. トップ
  2. 恋愛
  3. 入塾したら100万円支給、6人に1人が女性政治家に。村上財団リーダー塾が女性支援をする理由

入塾したら100万円支給、6人に1人が女性政治家に。村上財団リーダー塾が女性支援をする理由

  • 2024.12.30

――なぜ女性の政治家を増やそうとしているのでしょうか。

ことあるごとに問題にされ、私自身、何度も危機感を持っていると強調してきたのですが、日本のジェンダーギャップ指数が世界156カ国中118位であることを深刻に受け止めているからです。

最近だと、特に海外で顕著なんですが「なんで女性ばかり優遇しているんだ」というバックラッシュもおきるようになりました。例えば、経済は自由競争の場なので、経験のない女性が突然上につくというのは合理的ではないという気持ちはわからなくもない。

=「村上財団パブリックリーダー塾」提供

政治家の女性割合を増やすことは、民主主義の補完

でも、政治分野は違う。政治に多様な声が届かないことは、国民全体に被害をこうむることになります。例えば、「選択的夫婦別姓」について国民で多数決をしたら、賛成が過半数だと思います。でも、実際は政治の現場には女性が10%しかいないこともあり、いつまでたっても選択敵夫婦別姓は認められません。政治家の女性の割合を増やすということは民意を反映するということ、民主主義の補完なのかなと思っています。

経済分野でクオーター制度を実施している国はないけれど、先進国では政治分野でのクオーター制度は当たり前にある。根底には、政治の場に女性がいるべきである、という民主主義の考え方があると思うんですよね。

過去39人が受講、6人が政治家に。3人が立候補予定

――2022年にスタートして、今回で3回目になります。手応えはありますか。

これまで、1期生20人、2期生19人が受講してくれて、国会議員2人、地方議員4人の合計6人が政治家になりました。現在3人が立候補予定です。微々たる変化に見えるかもしれませんが、何もしなければゼロなので意味のある数字だと思っています。

――1、2期との違いは何かありますか。

卒業生から国会議員が生まれていることもあり、縦のつながりも増やし、フラットな場で相談できる場所をつくろうと思っています。それから、今期はグループワークも実施します。20人がただイスに座って講義を聞くよりも、一緒に手を動かすことでより連帯がうまれるのかなと期待しています。横のつながりはとても大事で、卒業後も選挙のお手伝いをしあったり、相談し合える関係を育んでもらえたらと思っています。

――どんな方に応募してもらいたいですか。

政治に関心がある方、政治を変えたいという思いがある方ですかね。過去の応募者は例年10代は0~1人、20代・30代で半々という感じでしょうか。出産・妊娠というライフイベントを通じて、行政とかかわるきっかけができて、「こう変わってほしい」と思う方も多いようです。

=「村上財団パブリックリーダー塾」提供

――募集要項をみて「おお!」と思ったのは、託児サービスがあるということでした。

政治の場に女性が少ないことの理由のひとつに「お子様どうするんだ問題」があるかなと思っています。現状、子育ての主担当は女性になってしまっている方が多いので、お子様がいない方・パートナーがひとりで子どもを見てくれる方しか参加できないようでは、これもまた多様性がなくなってしまうと思うんです。参加したいと思った女性のストッパーを取り除けるよう、柔軟に対応したいと考えています。

――塾生への支援として100万円の支給も掲げられています。これは何に使うことが想定されているのでしょうか。

政治資金規正法の関係で、選挙活動にはあてられません。選挙にでる準備ですとか、大学院に行くですとか。政治家じゃなくとも、公益のためになることの一歩として使っていただければと思います。

地方選では男性よりも当選確率が倍になるというデータも

――とはいえ、やっぱり立候補のハードルは高いですよね。落選したらどうしよう、という問題もあります。

まだ落選した塾生がいないのですが、落選中のサポートも考えていく必要があると思っています。

ただ、みなさんが想像しているよりは、地方だと女性は当選しやすいんです。。そうしたことも、塾生にはお話しながら自分たちだってできるんだという自信をもってもらいたいと思っています。

■伊藤あかりのプロフィール
2009年朝日新聞入社。紙の世界にどっぷりつかり、記者10年目にウェブの世界へ。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。センス抜群です。

元記事で読む
の記事をもっとみる