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和室のモダン化にも。ポップアートや民藝を調和させた、高島大輔、中山良子夫妻のインテリア。

  • 2024.12.31

アートコレクターは、どこで作品と出合い、どんなふうに部屋に飾っているのだろう。リサイクルショップ、ファンアゲインを営む高島大輔、中山良子夫妻が暮らす家を訪ね、自由なアートの楽しみ方を教えてもらいました。

千駄木でリサイクルショップ、ファンアゲインを営む高島大輔、中山良子夫妻。この春に引っ越したばかりという新居も同様に東京の下町エリアにある。広々としたリビングには、障子が取り付けられた壁一面の大きな窓があり、柔らかな光が差し込む。和室もあって、どこか懐かしい雰囲気が漂う空間には、絵画、オブジェ、陶器、家具が絶妙なバランスで溶け込んでいる。

「部屋の雰囲気に合わせてしまうと引っ張られてモダンさがなくなるので、アクセントになる作品を選ぶことが多いです。民藝、ポストモダン、ポップアートなど部屋のムードと相反するものを違和感なく共存させることを意識しています」(高島)

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スケートボードのデッキに描かれたLA在住のジェフ・マクフェトリッジの作品は黄色いキャビネットと合わせて。
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植物奥にあるのはアメリカのプロスケーター、ティノ・ラゾによるプールの写真。
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シャーデー・アデュらを描いた、ジャスティン・ヘイガーの作品は恵比寿のソルトアンドペッパーで催された個展で購入。

高島のレコード愛がうかがえる和室の音楽ルームには、田名網敬一が1970年代に制作したポップアートの影響を感じさせる作品、傍には中山が選んだというニューヨークの画家ジャスティン・ヘイガーがミュージシャンを描いた作品がある。

「引っ越す前はしまい込んでいたのですが、音楽部屋にぴったりなテーマだと思いここに飾ることに。配色に目を奪われますがよく見るとタッチが繊細なんです」(中山)

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田名網敬一の作品は15年前に神保町の小宮山書店で購入。フィルムが重なる立体的なシルクスクリーンがユニーク。

ホテルや個人宅のインテリアスタイリングも手がけている高島。アートとインテリアとの相性について尋ねると、「色は意識しています。リビングに青いソファを置いていますが、これは友人の村上周さんの青い絵を買ってから選びました。横に吊っているのはアメリカの古いキルト。これも村上さんの作品に合いそうだなと思って飾った」と話す。また、植物がたくさん写っている写真の前には、本物の植物を置き、写真か現実かを曖昧に見せるという遊び心のあるアイデアも教えてくれた。

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村上周の作品は複数所有しており、ファンアゲインで個展を開催したことも。「作品ごとに手法が違って、これは和紙を使ったもの」(高島)。家具もブルーで統一させたポップなリビング空間だ。

自らを"あまのじゃく"と表現する高島はアートの入手方法も普通じゃなく、骨董市で探したり、フリーマーケットで知らない人から譲り受けたりすることもあるとか。

「アートを手に入れる時の基準は自分が買える範囲でピンときたもの。世間で価値が高いからって無理してお金を払うのはナンセンスだと思っていて。本当にいいものは自分で探したいし、誰かと一緒はイヤというのが昔からありますね」(高島)

高島大輔(FUNagain店主)
中山良子(バイヤー・ディレクター)
夫の高島はビームスやエストネーションで商品開発、店舗ビジュアルに携わったのち、リサイクルショップ、ファンアゲインをオープン。妻の中山はシップスでバイイングなどを経て現在はフリーのバイヤーやPRを務める。
@anthemdsk @nakatiin @funagain_sendagi

*「フィガロジャポン」2024年12月号より抜粋

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