『源氏物語』の舞台でもあり、大阪市内で唯一の国宝建築物がある「住吉大社」に初詣♪

全国に約2300社ある住吉神社の総本社である住吉大社。大阪に住む人々からは「すみよっさん」の愛称で親しまれ、正月になると毎年200万人を超える参拝者で賑わいます。本殿は大阪市内で唯一の国宝建築物。オリジナルの住吉人形は12支すべてが揃うほか、その年の干支の授与品は種類が豊富で、手土産にしたくなるかわいらしさです。なんば駅から南海電車に乗れば最寄りの住吉大社駅まで約10分、旅の合間に立ち寄りやすいのもうれしいですね。

毎年全国から200万人以上が集まる初詣スポット

西暦211（摂政11）年、神功皇后により創祀された住吉大社。南海本線住吉大社駅から徒歩３分、路面電車の阪堺電気軌道阪堺線住吉鳥居前駅からは徒歩すぐの場所にあります。

住吉三神と呼ばれる3人の海の神を祀り、またお祓いの神として信仰を集めています。かつて住吉大社の前には海が広がり、美しい松並木があったことから多くの和歌に詠まれ、『源氏物語』の舞台にも描かれたことから和歌や文学の神としても親しまれています。

渡るだけでお払いになるといわれる反橋

一の鳥居をくぐり、すぐ目の前にあるのが反橋、通称太鼓橋です。

最大傾斜が48度と急こう配ですが、階段状になっているので歩きやすく、この橋を渡るだけでお祓いになると信仰されています。

本殿は大阪市内で唯一の国宝建造物

約3万坪ある住吉大社の境内には本殿4棟、摂末社あわせて27社あり、さらに多数の名所旧跡があります。

住吉大神と神功皇后を祀る４つの本殿はすべて住吉造と呼ばれる、神社建築史上最古の様式で、いずれも国宝建造物。第一・第二・第三本宮が縦直列、第三・第四本宮が横並列というＬ字になっていて、大海原を渡る船団のような配列は、他に類を見ない貴重な存在です。

住吉造の屋根はヒノキの皮を敷き詰めた桧皮葺。室内は外陣と内陣の二間に分かれ、柱は丹塗、壁は牡蠣の貝殻を潰した胡粉塗になっているのが特徴です。

「五」「大」「力」と書かれた石を集めて心願成就

お願いごとがある人は第一本宮南側にある五所御前へ。

住吉大社の鎮座の際、最初に神様の降臨した場所だと伝えられていて、たくさんある石の中から「五」「大」「力」と書かれた石を探し出して御守にすると願いが叶うと言われています。

願い事が叶えば近所の小石に感謝の気持ちを込めてひとつずつ「五」「大」「力」と記して、五所御前で拾った石と一緒に倍にして返しましょう。

御守授与所では干支のお守りを

参拝後、立ち寄りたいのが御守授与所。住吉大社は住吉人形と呼ばれるオリジナルの土人形が有名です。江戸時代後期から昭和時代初期にかけて盛んにつくられていました。十二支が揃うほか、厄除け祈願の厄除ざる、立身出世の千疋猿、夫婦円満の裸雛、子宝の種貸人形と、それぞれご利益が異なります。

2025年の干支・巳の授与品は、土人形、ガラス置物、張り子と多彩。ガラスの干支置物の中には、通常の1.5~2倍の金箔が入っていて金運アップのご利益があると言われています。

心身が清められる凛とした空気に触れて

ほかにも住吉大社には見どころがたくさん。本社境内から南東へ徒歩2分ほど、末社大歳社の敷地内には「おもかる石」と呼ばれる、願うが叶うか否かを占う霊石があります。また境内の北端にある種貸社境内には、一寸法師のお椀が。昔話で有名な「一寸法師」は、住吉大神の申し子だったそうで、こちらは子宝の神、安産の神、立身出世の神として祀られています。

最寄りの南海本線住吉大社駅から一の鳥居の間には「住吉公園 汐かけ横丁」があり、個性豊かな17の飲食店が並んでいるので、住吉大社の参拝の際はあわせて足を運んでみてくださいね。