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齋藤飛鳥演じるアイが2000人以上のエキストラを魅了!“伝説のライブ”が生まれた「【推しの子】」撮影現場に潜入

  • 2024.12.30

赤坂アカと横槍メンゴのタッグによる大人気漫画を実写化したドラマ&映画『【推しの子】』が、いよいよお披露目となった。実写化決定のニュース発表時には、心配や不安の声も多く見受けられた本作。公開されるや「キャストがハマっていてすばらしい」「満足度もクオリティも高い」「原作へのリスペクトを感じる」と好意的な意見が続々と上がり、原作者の赤坂と横槍も絶賛のコメントを送った。さらに日本のAmazonオリジナル作品で配信後30日間における歴代1位の国内視聴数を記録したことが発表されるなど、誰もが予想し得なかった新たな実写化成功作品となった。

【写真を見る】「B小町」がかわいすぎる!ルビー役の齊藤なぎさ、かな役の原菜乃華、MEMちょ役のあのによるコンビネーションも抜群

「これは実写化できるの!?」と思うようなキャラクターや展開ばかりの【推しの子】だが、そのなかでも伝説のアイドル、アイが実写としてスクリーンに現れた時の驚きは格別。会場の声援や熱気を浴びながら齋藤飛鳥演じるアイが躍動するライブシーンは、実写化の醍醐味を感じられる名場面となっている。2000人以上のエキストラが参加して行われた撮影では、アイの輝き、ファンの興奮、そのすべてを捉えようとスタッフ全員が奮闘していた。そこで本稿では、“伝説のライブ”が生まれた撮影現場レポートをお届けする。

齋藤飛鳥、強い覚悟を胸に臨んだアイ役

赤坂アカと横槍メンゴのタッグによる大人気漫画を実写化したドラマ&映画『【推しの子】』 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
赤坂アカと横槍メンゴのタッグによる大人気漫画を実写化したドラマ&映画『【推しの子】』 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

【推しの子】は、2020年に週刊ヤングジャンプにて連載がスタートするや、アイの子どもとして転生するファンタジックな設定とショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇なく切り込む他に類を見ない斬新なストーリーに衝撃が走り、幅広い世代から人気を集めた。アイの死の真相をめぐる物語で、前世の記憶を持ったまま、アイの双子の子どもとして転生したアクア(櫻井海音)とルビー(齊藤なぎさ)が芸能界へと身を投じ、その光と影に飲み込まれていくさまを描く。

初代「B小町」の不動のセンターで、伝説的アイドルであるアイに説得力がなければ物語は始まらない。キャスティングでは、「乃木坂46」のセンターも務め、アイドルとして唯一無二の存在感を発揮してきた齋藤に真っ先に白羽の矢が立った。しかし当時は「乃木坂46」の卒業が決まっていた時期で、アイドルを卒業する自分がアイを演じることが正解なのだろうか?と悩んだ齋藤は、一度はオファーを辞退したという。

本作のワールドプレミアで、齋藤は「制作側の熱意を受け取り、頑張ってみようかなと受けさせていただきました。12年くらい(乃木坂46で)アイドルをやらせていただいた。卒業してからのこの役だったので、相当な覚悟が必要でした」と告白。「自分のファンの人がもう二度とアイドル姿の私を見られないと思っていたのに、見られる。そういう意味でも、楽しんでいただけたらいいかなと思っていました」とファンの存在にも背中を押されたことを明かしていた。齋藤のアイドル姿を再び目にできるという意味でも、本作は見逃せない。

アイが2000人以上のファンを魅了!伝説のライブが誕生

初代「B小町」のライブシーンは、アイドルとしての輝きを観客にも届ける大事なシーンとなる。撮影は、2024年2月に平塚総合体育館で行われた。観客役として集まったエキストラは、2000人以上に上る。ロケ地にはセンターステージが設置され、360度にわたってぐるりと、うちわやサイリウムなど応援グッズを掲げた観客がそれを囲う。これによって、カメラがどこから捉えても彼女たちの後ろにはファンの姿が映ることになる。

ライブの盛り上がりを映しだすためにはファンの熱気が欠かせないと考えていた制作陣は、スタッフのなかにいたアイドルグループファンを見つけ、彼を中心にオタク文化に精通するライブ演出の組織編成を行い、エキストラへのコールや掛け声のレクチャーを行える撮影環境を整えた。初代「B小町」のメンバーがステージに上がる前からスタッフたちによる熱心なレクチャーが重ねられていたが、2000人以上ものエキストラをまとめ上げるのは、至難の業。手作りの大型カンペや全力の実演を交えながら、楽曲に合わせたコールやサイリウムの振り方を伝え、ぐんぐんと一体感を作り上げていく様子には胸を打つものがあった。

齋藤飛鳥演じるアイが降臨! [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
齋藤飛鳥演じるアイが降臨! [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

そしていよいよ、齋藤をはじめとして、メンバーたちが演じる初代「B小町」のパフォーマンスがスタート。大きな拍手や指笛とともにステージに迎えられた全メンバーは、うれしそうな笑顔を見せた。ライトを受けてキラキラと光を放つ齋藤の姿は、「アイがそこにいる!」と震えるような存在感たっぷり。エキストラからも「アイだ…」という声が漏れ聞こえてきた。

この場で披露された楽曲は、実写プロジェクトのオリジナル楽曲となる「我ら完全無敵のアイドル!!」。躍動感あふれるダンスはすべてのポーズが見事に決まり、一瞬にして会場全体を惹きつけてしまう笑顔&オーラも、齋藤がこれまで培ってきた経験があるからこそ表現できるもの。どれだけテイクを重ねてもパフォーマンスに乱れは見られず、振り付けを担当したコレオグラファーのyurinasiaは、のちに「齋藤さんは振り付けを覚えるのもとても速く、現場にいたアシスタントも『レベチだ…』と驚いていました」と証言している。指先や揺れる髪の先まで伝説的アイドルとしての説得力がにじみ、曲が終わるごとに観客から「アイちゃーん!」という歓声が起きただけでなく、スタッフも思わず拍手。「完全無敵のアイドル、だぞっ!」と歌う歌詞もうなずきたくなるほどハマっており、会場のボルテージも上がりっぱなしだ。

アイを象徴するようなピンクのアイドル衣装のフリルが、美しい揺れを見せていたことも印象深い。スカートには何層にもフリルが施され、360度どこから見ても“かわいい”が詰まっている。アイドル衣装を担当したのは、「乃木坂46」や「CY8ER」など数々のアイドル衣装を担ってきた成田あやのと小鳥遊大地。原作者である横槍の描いたピンク色を再現するような、理想の生地は既存のものでは見つけられず、白の生地から染めてピンク色の衣装を作り上げたという。

齋藤飛鳥が、アイの放つ光と闇を体現した [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
齋藤飛鳥が、アイの放つ光と闇を体現した [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

また撮影の奥平功と照明の渡辺良平を中心に、ライブチームと「伝説のライブを撮りましょう」という合言葉を掛け合って、撮影に挑んだとのこと。普段ライブを撮っているカメラを用意し、初代「B小町」のメンバーの表情を余すことなく捉えるために、360度にカメラを配置。クレーン撮影も行うなどさまざまなアングルにトライした。すべてをまとめ上げたのは、これまでもライブ撮影やMVを手がけてきた、スミス監督。スミス監督も獲得してきた知識と経験、全精力を注ぎ込み、圧巻のライブシーンを作り上げた。ドラマ&映画のワンシーンといえど、原作リスペクトを第一にしながら「本物のライブ作る」という気合いが端々からビシビシと感じられた。ぜひスクリーンで、本物のアイドルとしての輝き、本物の会場の熱気と歓声を体感してほしい。

アクアとカミキの対峙、「B小町」の成長…原作リスペクトと実写ならではの魅力にあふれたシーンが満載

本作でドラマ単独初主演&映画初主演を果たした櫻井海音 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
本作でドラマ単独初主演&映画初主演を果たした櫻井海音 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

原作は、他に類を見ない斬新な設定や心の底までを抉り出していくような感情表現、キャラクターの個性やオーラまでが刻まれた作画など、衝撃とともに社会現象を巻き起こした漫画だ。全8話のドラマシリーズと映画『【推しの子】-The Final Act-』によって、そのクライマックスまでを描き切るという壮大なプロジェクトとなったが、どこにおいても原作へのリスペクトが感じられることも大きな話題となっている。

アクアとルビーは芸能界へと身を投じ、その光と影に飲み込まれていく [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
アクアとルビーは芸能界へと身を投じ、その光と影に飲み込まれていく [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

アクア役の櫻井海音は、本作でドラマ単独初主演&映画初主演を果たし、アイへの想いを抱きつつ、犯人への復讐に突き進む役どころ気迫と共に演じた。劇場版の前夜祭イベントでは、「撮影していた期間が約1年前。オファーをいただいたのはさらに前になるんですが、その時に感じていたプレッシャーや、これだけの人気作を実写化するということに対しての怖さみたいなものから逃げなくてよかったなと、ここに立ってより強く感じています。いろいろな方にようやくお届けできることが、なによりうれしい」と感無量の面持ちを見せていた。もともと原作ファンだった彼は、ワールドプレミアでも「アクアが原作ではどういうふうに立っているのか、セリフの言い回しはどうしているのかなど、毎回確認しながら再現性を追求している毎日でした」と打ち込んだ日々について語っていた。現場で櫻井は、自分の撮影シーンがない時でもその場に残り、常に【推しの子】の世界を身に染み込ませていた。彼の作品に向き合う真摯な姿勢に刺激を受けた、背中を押されたという言葉を、何人ものスタッフから耳にした。

またアクアやルビーの前に立ちはだかる謎の男、カミキ役を二宮和也が演じていることも注目を集めている。カミキの不思議な存在感や不気味さ、内面に抱えている複雑性までを表現した彼には、公開後に芝居に対する高評価が続出。二宮の怪演が、ドラマ&映画『【推しの子】』をさらなる高みへと押し上げた。現場では「この感情だったら、こう動く」と心の動きを大切にしながら、ひとつひとつのシーンを丁寧かつ大胆に作り上げていた。公開記念舞台挨拶では、櫻井が「サイコパスという言葉では片付けられない狂気性があって、対峙したときに『カミキは二宮さんしかいない』と思った」と話すなど、二宮が実写としてのカミキを誰もが忘れ難い存在としてスクリーンに刻み込んでいる。

【写真を見る】「B小町」がかわいすぎる!ルビー役の齊藤なぎさ、かな役の原菜乃華、MEMちょ役のあのによるコンビネーションも抜群 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
【写真を見る】「B小町」がかわいすぎる!ルビー役の齊藤なぎさ、かな役の原菜乃華、MEMちょ役のあのによるコンビネーションも抜群 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 [c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

そして初代「B小町」を受け継いだアイドルグループ、「B小町」のお目見えにも胸が躍る。「B小町」として仲間になっていくルビー役の齊藤なぎさ、かな役の原菜乃華、MEMちょ役のあのによるコンビネーションも抜群で、応援したくなるアイドルとして「B小町」の魅力を鮮やかに体現している。レッスンに励んだ歌やダンス、楽曲やアイドル衣装も見応えがあり、グループの成長、友情には目頭が熱くなること必至。黒川あかねを演じた、茅島みずきも“恋愛リアリティーショー編”など、ストーリーのポイントポイントで物語全体のムードを担う活躍をしていた。他にもキャリア充分の大人キャストを含め、「このキャラクターを演じるのは、この人しかいない」と思わせてくれるような高揚感を味わえるはず。

撮影現場ではキャスト、スタッフの誰もが強い原作愛を胸に抱き、源である原作に忠実に【推しの子】の世界を突き詰めていた。そしてプレッシャーと戦いながらも、興奮に近いワクワク感を携えていた。隅々まで込められたその熱量が、ドラマ&映画『【推しの子】』の特別なきらめきとなっているのだろう。

『【推しの子】』全8話のドラマシリーズは、Prime Videoにて世界独占配信中。その続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』は全国公開中。

取材・文/成田おり枝

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