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夫の不倫に追い詰められた妻が選んだのは…不倫の道。泥沼化する夫婦関係の行方とは?

  • 2024.12.30

パートナーが不倫をしたら? 逆に、自分が不倫する側になったら?

エッセイや実録コミックで多くの関心を集めるテーマ、不倫。『不倫シタ側彼女 シノブの場合』(加藤かと/竹書房)は、不倫を“スル側”になった女性の葛藤と苦しみを描いたマンガだ。

作品の主人公はシノブ。夫のマサトとの間には2人の娘がいる。だがマサトの周囲には、少し前から女性の影があった。家庭に悪影響がなければいいとその様子を静観していたシノブだったが、不倫相手ヨウコは、遠慮することなく妻であるシノブにまで、露骨なアピールを繰り返す。

そんな中でシノブは、SNSで味方として支えてくれる友人トクダマに次第に特別な感情を抱くようになる。止まらないヨウコからの悪質な匂わせで、ついにシノブの精神状態は限界に。夫に隠れてトクダマことユウイチと会い、彼の想いに応える形で一線を越えてしまう…。というあらすじだ。

自らも夫と同じ不倫に走った結果、最も傷ついたのは愛する娘たちだった。そんな簡単なことに気がつけないぐらいに、シノブは精神的にも参ってしまっていたのだ。

もちろんどんな事情があっても、不倫をしたことの免罪符にはならない。同情はしても擁護はできない、というのが一般的な見解だろう。だが時に、その背景には不倫に走らざるを得ないほど、精神的に追い詰められる人がいるのも事実だ。シノブの状況を知ると、不倫をシタ側であっても少なからず同情を感じてしまう。彼女の場合、不倫をしたこと以上に、不倫をしている夫への思い切った制裁に踏み切らなかった甘さも、結果として自らの首を絞めているように思うが…。

不倫をした夫と同様、自分もまた人として正しくない不倫の道へ足を踏み出したシノブ。夫婦の関係や家族の生活は、シノブの選択によってどう変わるのか。泥沼化する物語の結末を、その目で見届けてほしい。

文=ネゴト / 曽我美なつめ

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