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キャロットケーキと本を片手に過ごす時間は日常のささやかな楽しみに

  • 2024.12.30

北関東の田舎で学生生活を過ごしてきた私も、大学進学を機に上京。今年で三年目にもなり、東京の暮らしにも慣れてきた。上京したての頃は、地下鉄の乗り換えや東京の地理にも苦労していたのだけれど、今では到着駅への行き方に大体の予想がついたり、満員電車に揉まれながら、するりと文庫本を読んでみたりと、都会ライフハックを身につけつつある。

そんな私が最近ご機嫌になるものは、ふたつある。

◎ ◎

ひとつ目は、キャロットケーキ巡りだ。キャロットケーキとは、すりおろしたニンジンを生地に混ぜたもので、シナモンやナツメグ、ジンジャーのスパイスにナッツ類が贅沢に使われており、ケーキの上にクリームチーズフロスティングがかかっているものだ。

なんと、このキャロットケーキはショートケーキなどと違い、お店によってかたちも味も異なる、バラエティ豊富な一品なのだ。通常のケーキ形もあれば、円形やキューブタイプもある。クリームチーズフロスティングも、たっぷりのっているもの、ないもの、ホイップクリームのようにちょこんと載っているものなどがある。キャロットケーキが置いてあるカフェを巡るたび、不思議な国のアリスみたいな心地で、新しいキャロットケーキとの出会いを築くことができる。

私が好きなキャロットケーキは生地がしっとりとしていて、クルミやレーズンがゴロゴロと入っており、ピリリとスパイスが効いているタイプだ。クリームチーズのフロスティングは、甘さが控えめで、もったりと重めなタイプがいい。

キャロットケーキがメニューにあるカフェの雰囲気を味わうことも好きだ。渋谷の海外感溢れるオープンカフェに、神保町にひそりとある瀟洒な洋館のようなカフェ。店員さんが気さくだったり、こちらのペースに踏み込まず、ゆっくりとした時間を過ごせたりと、お店によって雰囲気も味わいも異なる。私が好きなドリンクはアイスアメリカーノなのだが、「このお店はやや薄めな味付けだなあ」とか「しっかりと抽出されていて、芯があって美味しい」だとか、コーヒーの違いも楽しめるようになってきた。まだまだコーヒー初心者だが、この趣味は追求したいと考えている。

◎ ◎

ふたつ目は、そんなカフェを巡ると同時に、今読んでいる本を「連れて行き」、ケーキとドリンクと一緒に本の写真を撮ることだ。

私は二年ほど前から、読んだ本の感想をインスタグラムで投稿している。その作品についての考察を自分なりに展開したり、気に入った表現を抜き出して記載してみたり、作品と向き合う機会をつくっている。

インスタグラムに投稿する際には、本の撮影を行うのだが、自室のテーブルだと映えず、なんだか味気なかった。そこで思いついたのが、カフェを背景に本の撮影をすることである。すると、なんとぱっと鮮やかに表紙の魅力が浮き出たのである。

なるべく多くのユーザーに感想を読んでもらうには、やはり写真映えは必要だ。実際に、自宅で撮影したものと比較して、「いいね」は増加傾向にある。おすすめで出てきたときに、目を惹きやすいのだろう。

それに、このカフェを訪問した際には、こんな作品を読んでいたのだなあ、とか、ここのケーキを味わいながら、この短編集を読んだなあとか、そういう気持ちを浮かべながら、好きな本と旅した記録になっていることにほっこりできる。

◎ ◎

最近は推しのぬいぐるみ旅先やカフェに連れて写真撮影をしている人も多いが、私の場合は「本」である。本は表紙も多種多様であるから、シンプルな表紙のときは、家具がたくさんあるカフェを見つけて入って写真撮影をしたり、落ち着いたデザインの表紙はシックなカフェで撮影したり、撮影の工夫を凝らせるのも楽しい点だ。

本の撮影とともに訪れるカフェ巡り。日常のささやかな楽しみとして。自分のご褒美に。記事を読んでくださったあなたも、ぜひ始めてみてはいかがだろうか。

■Ricoのプロフィール
古本屋や雑貨屋巡り、愛犬と触れ合うことが大好きな大学生。趣味の読書に関して、読書記録をつけて3年になります。毎日が心穏やかに過ごせることに感謝です。 Instagram: https://www.instagram.com/rico_bookbook

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