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行方不明になった編集者。全ての謎は「ある場所」へと繋がっていた。寒い冬に極上の恐怖を! 身も心もひんやりホラー漫画4選

  • 2024.12.29

読むだけで身も心も震え上がってしまうホラー作品。今年は、漫画や小説、映画など幅広いジャンルで大ヒットホラー作品が目白押しだった。寒い冬とはアンマッチかもしれないが、あえてこの季節に読みたい、極上の恐怖を味わえる漫画作品を4つピックアップしてご紹介していこう。

まとめ記事の目次

●近畿地方のある場所について

●厭怪談 -なにかがいる-

●三島屋変調百物語

●不安の種* アスタリスク

近畿地方のある場所について

昨今、市場を席巻しているモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)ホラー。その火付け役となったのが背筋氏の小説『近畿地方のある場所について』である。臨場感のある作風が人気を博し、2025年には、実写映画化の公開も控えている。

そんな同作の劇場版に備える意味でも、チェックしておきたいのがコミカライズ。ライター業を営む主人公はある日、友人のオカルト雑誌編集者から「ある地域」の特集を組むためと、怪談などの既存の資料を渡された上で追加調査と寄稿を打診される。するとその後、友人は突如として行方不明になってしまった。そして彼が収集していた資料を読み解いていくと……。

一見すると関係なさそうな情報が、のちに点と点で結びついていく感覚。それに気づいた時、ある種の達成感と言いしれぬ恐怖を感じられるはず。コミカライズによって原作が持つ独特な不気味さがより伝わりやすくなっている印象なので、原作を読んだことがある人も改めてチェックしてほしい。

厭怪談 -なにかがいる-

未確認生命体が襲いかかってきたり、未来から来たロボットに命を狙われたり……こうしたシチュエーションに恐怖を感じたことがある人は多いはず。だが、おそらく人間がもっとも怖いと感じるのはそうした「非日常」ではなく、当たり前だと思っていた「日常」が崩壊していくことではないだろうか?

『厭怪談 なにかがいる』の原作者・小田イ輔氏は、東北地方を渡り歩きながらその土地の怪談を訊ねてまわっている怪談ハンター。これまでに10作以上の怪談本を出版しており、同作には日常に潜む怖い話が多数収録されている。

いずれも実録ということで、読んだら“後ろ”が気になって仕方がなくなってしまう……まさしく「厭~な感じ」の作品だ。またコラムには、霊感が強いという同作のコミカライズを担当した漫画家・柏屋コッコ氏による“百物語”も収録。日常に潜むリアルな恐怖を味わいたい人にオススメだ。

三島屋変調百物語

1999年の『理由』で直木賞を受賞した推理小説のリビングレジェンド・宮部みゆき氏。彼女が2008年より刊行している『三島屋変調百物語』が、『拝み屋横丁顛末記』などで知られる漫画家・宮本福助氏によってコミカライズされている。

『三島屋変調百物語』は、江戸時代を舞台に怪異の恐怖と人間ドラマを織り交ぜた物語が展開される怪談集。とあるトラウマによって心を閉ざした17歳の少女・おちかは、人との関わりを避けるために仏門を叩こうとしたが、紆余曲折あって叔父が経営する袋物屋「三島屋」へ身を寄せることになった。

「三島屋」で、お客から不思議な怪談を聞く役目を任されたおちか。語り部の口から出るのは自戒に満ちたエピソードばかりで、それを聞かされるうちに彼女の凍りきった心が溶かされていく――。

怪奇譚ということで、摩訶不思議な物語が展開されていく同作。その本質は怪談話の背景にある人間ドラマとミステリーだといえる。宮部氏らしい繊細な心理描写が存分に発揮されている『三島屋変調百物語』を読めば、人間の闇に心を癒される不思議な体験ができるかもしれない。

不安の種* アスタリスク

『PS-羅生門-』や『書かずの753』などで知られる中山昌亮氏のホラー漫画『不安の種』。オムニバス形式で繰り広げられる“不安”をテーマにした怪奇譚で、2013年には実写映画化も果たしている。

2002年から2005年にかけて連載されたのちに、2007年から2008年にかけて『不安の種+』と改題されて復活。2019年に蘇ったのが、シリーズ新作『不安の種* アスタリスク』である。

同作では、日常に潜む不安や謎をキッカケに、さまざまな怪異現象が巻き起こっていく。誰もが感じたことのある、ふとした感情がベースになっているせいか、否が応でも身近に感じてしまい、さらに怪異の正体が最後まで明かされないという不気味さ……。よりリアルなホラーを楽しみたいという人にオススメだ。

さまざまな仕掛けで人間の感情を揺さぶってくるホラー漫画。年末年始の時間を使って、じわじわと迫る恐怖を味わい尽くしてみてはいかがだろうか?

文=ハララ書房

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