1. トップ
  2. 尾花夏樹率いる「グランメゾン東京」はいかにしてミシュラン三つ星を獲得したのか?『グランメゾン・パリ』へ至る波乱万丈のドラマをプレイバック

尾花夏樹率いる「グランメゾン東京」はいかにしてミシュラン三つ星を獲得したのか?『グランメゾン・パリ』へ至る波乱万丈のドラマをプレイバック

  • 2024.12.29

木村拓哉が主演した2019年の大ヒットドラマ「グランメゾン東京」の劇場版『グランメゾン・パリ』が12月30日(月)から公開。東京でミシュランの三つ星を勝ち取ったフランス料理の天才シェフ、尾花夏樹(木村)と彼の右腕、早見倫子(鈴木京香)が、今度は仲間たちと一緒にフレンチの本場パリで、アジア人初の三つ星獲得に挑む姿がドラマチックに描かれる。29日21時から放送される撮り下ろしのスペシャルドラマには窪田正孝、北村一輝も参加し、「グランメゾン東京」が三つ星を獲得したあとのストーリーが展開。そこで、このコラムでは、尾花たちが東京にフレンチのレストランを新しく立ち上げてから三つ星を獲得するまでの奮闘と激動の日々を、いま一度振り返ってみたい。

【写真を見る】2PMのオク・テギョンが演じるパティシエのリック・ユアン

尾花たちがフランスのパリでミシュランの三つ星を目指して奮闘する『グランメゾン・パリ』 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
尾花たちがフランスのパリでミシュランの三つ星を目指して奮闘する『グランメゾン・パリ』 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

名声も信用も失った尾花が倫子と出会い、再起を懸けて東京へ!

尾花はフランス、パリの一流レストラン「ランブロワジー」で修業を積み、仲間とパリにオープンさせた自身のレストラン「エスコフィユ」を、二つ星を獲得するまでに成長させる。ところが、2015年の日仏首脳会談の昼食会で提供した料理にアレルギー食材が混入していたことが原因で、外務大臣が重体に。料理人のテロ行為を疑う仏政府関係者を殴る事件を起こしてしまった尾花は名声と信用を失い、パリの料理業界から追放されてしまう。そんな落ちぶれた彼が、パリの片隅でランブロワジーの面接に落ちながらも“自分の舌に自信がある”という倫子と出会い、「俺が必ず、あんたに星を獲らせてやるよ!」と言ったのがすべての始まりだった。

妥協を許さず常に最上級の食材を求める尾花たち [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
妥協を許さず常に最上級の食材を求める尾花たち [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

かつての仲間たちを集めて「グランメゾン東京」をオープン

失意のまま帰国した住むところも金もない尾花は、倫子の実家のガレージに半ば強引に住み込み、東京でフレンチの新店を始めるためにエスコフィユで一緒に働いていたかつての仲間のホール責任者、京野陸太郎(沢村一樹)や“レシピ動画の貴公子”として活躍しているシェフの相沢瓶人(及川光博)に声をかけ、事件のせいで自分のことを憎んでいる彼らの信用を取り戻しながら、仲間に引き入れていく。

尾花と共に「グランメゾン東京」を率いた早見倫子を演じる鈴木京香 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
尾花と共に「グランメゾン東京」を率いた早見倫子を演じる鈴木京香 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

また同じころ、目黒駅から少し離れた場所に新店舗にふさわしい物件を確保。開業資金として必要な5000万円も、尾花の料理に魅了された城西信用金庫の融資担当者、汐瀬(春風亭昇太)が倫子の実家を担保に入れることを条件に融資してくれることになる。

ホール責任者、京野陸太郎を演じる沢村一樹 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
ホール責任者、京野陸太郎を演じる沢村一樹 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

さらに、エスコフィユ時代の尾花の見習いシェフ、平古祥平(玉森裕太)と一緒に、海辺のブッフェレストランで働いていた松井萌絵(吉谷彩子)もパティシエとして参加。アルバイト従業員の芹田公一(寛一郎)も加わり、尾花は倫子がオーナーシェフを務める形でフレンチ・レストラン「グランメゾン東京」をついにオープンさせた。

人気WEB料理研究家としても活躍していたシェフの相沢瓶人を演じる及川光博 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
人気WEB料理研究家としても活躍していたシェフの相沢瓶人を演じる及川光博 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

ライバル店の妨害に尾を引く3年前の事件…

だが、世界的グルメ雑誌「マリ・クレール ダイニング」の編集長、リンダ・真知子・リシャール(冨永愛)が、3年前の事件を起こした尾花が「グランメゾン東京」で働いていることを記事にしたために、すべての予約がキャセル。フードフェスで絶品カレーを出し、そのピンチを逃れようと奮闘するが、これも尾花のランブロワジー時代の修行仲間、丹後学(尾上菊之助)がシェフを務めるライバル店「gaku」のオーナー、江藤不三男(手塚とおる)の告発で販売中止に追い込まれてしまう。

世界的グルメ雑誌「マリ・クレール ダイニング」の編集長、リンダ・真知子・リシャールを演じる冨永愛 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
世界的グルメ雑誌「マリ・クレール ダイニング」の編集長、リンダ・真知子・リシャールを演じる冨永愛 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

しかも、グランメゾン東京の内部事情をgakuに流すスパイが暗躍し、それに伴う嫌がらせが多発。3年前のアレルギー食材混入事件の犯人を暴きだし、制裁を加えるために尾花たちに近づく者も現れる。

木村拓哉が主演した2019年の大ヒットドラマ「グランメゾン東京」 Blu-ray&DVD 販売中 製作著作・発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:TCエンタテインメント
木村拓哉が主演した2019年の大ヒットドラマ「グランメゾン東京」 Blu-ray&DVD 販売中 製作著作・発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:TCエンタテインメント

波乱に満ちたドラマが美しい料理の数々に彩られる

そんな波乱に満ちたドラマが、尾花たちが次々に作りだす見た目もアートのように美しく美味しそうな料理の数々と、スタイリッシュな調理のプロセス、インサートされる食材のクレジットと重ね合わせるように描かれるのが、本作の醍醐味。一流シェフになりきった木村や相沢役の及川光博らによる鮮やかな包丁さばきや洗練された調理技法、ホールを仕切る京野に扮した沢村一樹の行き届いた接客に魅せられ、それぞれの登場人物の悩みや葛藤を“美味しい料理を作るために必要なもの”はなんなのか?を少しずつひも解きながら描くヒューマンなドラマに、多くの視聴者が心を揺り動かされた。

料理への飽くなき情熱と探求心を持つ木村拓哉演じる天才料理人、尾花夏樹 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
料理への飽くなき情熱と探求心を持つ木村拓哉演じる天才料理人、尾花夏樹 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

そして、グランメゾン東京は様々な困難を最高のチームで乗り越え、ミシュランの前哨戦となる「トップレストラン50」でgakuの8位に続く10位にランクイン。クライマックスでは思いがけない料理でミシュランの三つ星に輝くという快挙も成し遂げるが、スーシェフ(料理長をサポートする料理人)の立場に甘んじてきた尾花にとって、ここまでは壮大なプロローグだったのかもしれない。

尾花に感化されシェフとして大きく成長した倫子 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
尾花に感化されシェフとして大きく成長した倫子 [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

一度は夢破れた尾花が再びフランスでの三つ星獲得に挑む『グランメゾン・パリ』

『グランメゾン・パリ』が描くのは、一度は夢破れた尾花が再びフランスへ渡り、オーナーシェフとして今度はパリのミシュラン三つ星を獲りにいくストーリー。かつての師匠との確執や対立に屈することなく、フランス人以外のシェフが獲ることは難しいとされるその難関に、倫子や京野、相沢と一丸となって、韓国の人気アイドル、2PMのオク・テギョンが演じるパティシエ、Aぇ! groupの正門良規が扮したコミ(見習い)を巻き込みながら挑むのだから、これまで以上に熱い展開が期待できる。

卓越した技術とセンスを持つリック・ユアンとはデザートの方針を巡って対立することも [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会
卓越した技術とセンスを持つリック・ユアンとはデザートの方針を巡って対立することも [c]2024映画『グランメゾン・パリ』製作委員会

しかも、2020年の「ミシュランガイド フランス」で実際にアジア人初の三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが料理を監修し、その美しさとインパクトで尾花の挑戦をリアルなものに。脚本の黒岩勉(「キングダム」シリーズ)と監督の塚原あゆ子(『ラストマイル』)がドラマ版から続投して、過去のエピソードともリンクさせたストーリーを展開する。映画の感動や興奮が倍増するのは間違いない!

文/イソガイマサト

元記事で読む
の記事をもっとみる