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現役の和菓子職人から教わる! 老舗京菓子司「亀屋良長」で和菓子づくり体験

  • 2024.12.30

享和3年(1803)創業の京菓子司「亀屋良長(かめやよしなが)」で行なわれている「和菓子づくり体験」が人気です。茶会などで出される生菓子は、季節感を映したなんとも美しい色・かたち。体験では2種の生菓子を手作りし、店先に湧く銘水「醒ヶ井水(さめがいすい)」で点てた抹茶と一緒に味わいます。現役の和菓子職人の鮮やかな技を間近で見られるのも魅力のひとつ。伝統の和菓子を自分で手作りする楽しさを体験してみましょう。

京都・四条堀川にある老舗京菓子店「亀屋良長」へ

亀屋良長
亀屋良長

京都・四条堀川からすぐ。京菓子司「亀屋良長」は四条通と醒ヶ井(さめがい)通が交わる場所に店を構えています。創業は享和3年(1803)、江戸時代には宮中に納める上菓子も製造していたという老舗。

亀屋良長
亀屋良長

店の脇には京の銘水「醒ヶ井水」が湧いていて、その雑味のないすっきりとした味わいの水を使って繊細な京菓子を作っています。

大人気!現役の和菓子職人がレクチャーしてくれる「京菓子手づくり体験」

亀屋良長
亀屋良長

「京菓子手づくり体験教室」 の会場となるのは本店の4階です。教室の壁面には江戸後期から現代に至るまでの干菓子の木型がディスプレイされていました。木型には四季の風物や縁起物が彫り込まれ、みごとな細工を間近に見ることができます。

亀屋良長
亀屋良長

レクチャーしてくれるのは、現役の和菓子職人さん。会場にはモニターが設置されていて、先生の手元が大きく映し出されるので、工程や道具の使い方もわかりやすいです。

亀屋良長
亀屋良長

まずは練り切りを作っていきます。先生の麗しいお手本は写真右側。「竜田川」という生菓子です。昔から紅葉の名所として名高い奈良県北西部を流れる竜田川にちなんだもの。菓銘の由来からいにしえの文化にふれることができるのも、和菓子の楽しみのひとつですね。

亀屋良長
亀屋良長

テーブルに用意されているのは、練り切りの材料です。練り切りは白あんを主原料に用いた生菓子。華やかな見た目としっとりとした口当たり、上品な甘さが特徴で、古くからおもてなしの場に用いられてきました。まずは細工をしやすいように、材料を手で揉んで柔らかくして丸め直します。

亀屋良長
亀屋良長

黄色の練りあんにオレンジの練りあんをのせ、指でなじませてグラデーションを作り、紅葉の繊細な色づきを表現していきます。

亀屋良長
亀屋良長

グラデーションの生地ができたら中にあんの玉を包んで、もみじのかたちになるように手でくぼみを付けていきます。少しの力加減でも生地がへこんでしまうので、指で生地をそっと押して繊細に形づくります。

亀屋良長
亀屋良長

先生が各席を回り、経過をチェックしてくれます。先生の実演の手の動きを見ると、練りあんにふれている時間がとても短いことに気づきます。できる限り手の温度を生地に伝えず、あっという間に美しい生菓子が生み出されているのを見て、さすがプロだなあと感心しました。

亀屋良長
亀屋良長

三角へらを使って紅葉の葉に切り込みを入れていきます。お手本のように丸っこくてぽってり愛らしい紅葉を作るのが、なんとも難しい。だんだん葉の尖った形のもみじになることに少し焦りを感じますが、これも手作りならではのご愛嬌。

亀屋良長
亀屋良長

へらで葉脈をつけたらでき上がり。たった2色の練りあんと簡単な道具で、こんなに風流なお菓子を作れることに驚きです。シンプルで無駄のない意匠でありながら、ぼかしで紅葉の色づきが見事に表現されています。

そぼろ状のあんをふわりとまとわせる「きんとん」のおいしさに感動!

亀屋良長
亀屋良長

次に作る生菓子はきんとん製の「秋の山」です。秋が深まり、赤や黄色に染まる山を表現したお菓子です。まずきんとん通しにあんを擦り付けて濾し、きんとんそぼろを作っていきます。

亀屋良長
亀屋良長

粒あんの周りにそぼろ状のあんをふんわりとまとわせていきます。そぼろを軽く置くだけでは、食べるときにポロポロとこぼれてしまうので、そぼろを潰さないように、できるだけ繊細に箸先を動かして接着していきます。そぼろあんを全体にまとわせたら完成♪

亀屋良長
亀屋良長

お菓子が完成した後は、先生が落雁を作るところを実演してくれました。和三盆や砂糖、水飴などを入れて練り上げたものを木型にギュッと詰め、コンコンと木の棒で軽く型を叩いて出したら落雁のできあがり。お店で売られているものはそこから乾燥させるのですが、こちらの教室では打ち立てのふんわりとした口どけの落雁を味わうことができます。打ち立てはほろほろ食感であっという間にくちどける格別なおいしさです。

亀屋良長
亀屋良長

自分で作った「竜田川」のお供には、できたて落雁と銘水で点ててくださった抹茶。作りたての生菓子を食べてびっくり。軟らかいあんが口の中でほろりとほどけて、上品な甘さが口の中に広がります。上質な材料と配合に裏打ちされた格別な風味で大満足のでき栄えでした。

■和菓子手づくり教室
開催日:公式WEBサイトを確認
開催時間:14〜15時(所要時間1時間)
料金:1名 3300円(予約は2~36名)

伝統の銘菓と話題の和菓子を備える1階ショップでおみやげ探し♪

亀屋良長
「烏羽玉(うばたま)」6個入り540円

「亀屋良長」はSNSでも話題のお菓子を生み出す名店です。享和3年(1803)の創業当初から受け継がれる代表銘菓「烏羽玉」をはじめ、食パンにのせる新発想の「スライスようかん」も大ヒット。また、京都のテキスタイルブランド「SOU・SOU」や「サンリオ」キティちゃんのお菓子など、さまざまなコラボアイテムも注目されています。
代表銘菓の「烏羽玉」は、波照間島産の黒糖で炊いたなめらかなこしあんを寒天でつややかに仕上げたお菓子です。きめ細やかでなめらかなこしあんと、口の中で柔らかく溶ける黒糖のコクと甘み。余韻がある風味で、お茶はもちろんコーヒーにもよく合う味。

亀屋良長
「あづき餅」1個216円

リピーターが続出!と聞いて大きくうなずいたのは、「あづき餅」。求肥に大粒の丹波大納言小豆が入ったふわふわのお餅です。小豆の煮汁でほんのりピンクに炊き上げたお餅はふっくら軟らかくて極上の食感。小豆そのものの味を楽しんだあとは、別添のきな粉を添えて香ばしく。甘すぎず、あっさりと味わえます。

亀屋良長
「暦 Hello Kitty×亀屋良長」1296円

こちらは、サンリオのキティちゃんとのコラボレート商品。「Hello Kitty」をモチーフにした愛らしい和三盆の詰め合わせは木型から特注で制作し、ひとつずつ職人が手作りしているそう。口どけのいい干菓子の周りはお米のポンを軸にした金平糖が入っています。オリジナルのメッセージカード付き。

亀屋良長
「あんこのお菓子帖」1870円

繊細でやさしい味わいの手作りお菓子が楽しめるレシピ本も。基本のあんこ作りから、おはぎやどら焼などのおやつをはじめ、人気の「スライスようかん」や代表銘菓「烏羽玉」のレシピも掲載されています。家庭で作りやすいように「亀屋良長」のレシピをやさしくアレンジしたそう。ぜひ炊き立てのあんこのおいしさを体験してみましょう。

亀屋良長
亀屋良長

店の脇からこんこんと湧く「醒ヶ井水」はまろやかな味の井戸水で、素材の香りを際立たせてくれるそうです。水は自由に汲めますので、ぜひマイボトルを持って行きましょう。京都本店では「亀屋良長」「Satomi Fujita by KAMEYA YOSHINAGA 」「吉村和菓子店」の3ブランド のお菓子が買えます。ぜひ訪れてみてくださいね。

■亀屋良長 京都本店(かめやよしなが きょうとほんてん)
住所:京都府京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17番、19番合地
TEL:075-221-2005
営業時間:9時30分〜18時 (茶房は11〜17時)
定休日:1月1〜3日
アクセス:阪急京都線大宮駅から徒歩5分、または阪急京都線烏丸駅から徒歩10分


Text:鴨 一歌
Photo:小川康貴

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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