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他国代表に帰化した27歳の元Jリーガー、日本時代が一番つらい時期だったワケとは

  • 2024.12.29
他国代表に帰化した27歳の元Jリーガー、日本時代が一番つらい時期だったワケとは
他国代表に帰化した27歳の元Jリーガー、日本時代が一番つらい時期だったワケとは

Text by 井上大輔(編集部)

東南アジア最強国を決める国際トーナメント、ASEAN三菱電機カップ。「東南アジアのワールドカップ」ともいわれる戦いは佳境を迎えつつある。

ベトナム代表はシンガポールとの準決勝1stレグに2-0で勝利。2点目のゴールを決めたのは、ブラジルからベトナムに帰化したグエン・スアン・ソンことラファエルソン。27歳の彼は2018~2019年にはべガルダ仙台に在籍した元Jリーガーだ。

シンガポール戦でPKを決めたベトナム代表のチームメイトは「スアン・ソンは僕にPKを与えてくれた。彼に感謝したい」と彼を讃えていた。

そのラファエルソンは2019年12月からベトナムで暮らしており、今年12月にFIFAの規定に基づく移住期間要件を満たした。

昨季はベトナムリーグ24試合で31ゴールを記録し、史上最多得点記録を樹立。今大会のミャンマー戦でベトナム代表にデビューすると、いきなり2ゴール2アシストと活躍。そして、準決勝1stレグでも勝利の立役者となった。

『Báo Dân trí』によれば、彼の妻であるマルセレさんが夫ラファエルソンの生い立ちなどについて語ったという。

ラファエルソンの父親は教師、母親は主婦兼農家だそう。「夫の家庭はかつて非常に貧しく、家族全員が生計を立てるのに苦労していました。彼は子供の頃から両親を助けて困難な生活を変えることができることを夢見ていました」とマルセレさんは語る。

彼は7歳の時に初めてスパイクを買ったが、そのお金も家族が懸命に貯めたものだったとか。「夫は両親からお金をもらったものの、店に行く車がありませんでした。初めてのサッカーシューズを買うために、8キロも歩かなければなりませんでした。スポーツに情熱を傾ける少年にとって、それは大きな喜びでしたけれど」。

ラファエルソンは14歳で家族と離れ、ユースチームでプレーするために一人でサルバドールに旅立った。そして、2014年のクリスマスにラファエルソンとマルセレさんは出会い、3年後に結婚。今年で出会ってから、ちょうど10年になるそう。

同紙は「2018年にベガルタ仙台クラブで日本でプレーしていた時期は、彼にとっては最も困難な時期だった。重傷を負い、何ヶ月も休まなければいけなかった。その時、妻は才能ある彼がすぐにピッチに戻るのを助ける強い精神的支えだった」とも伝えている。

その後、デンマークを経て、ベトナムへ。

「ブラジルと同じように、ベトナムも熱帯気候で、人々はいつも笑顔でフレンドリー。ベトナム人はブラジル人のように一生懸命働きます。これには本当に感銘を受けました」と語るマルセレさんは、栄養価の高い食事で夫を支えているとのこと。

ピッチ外のラファエルソンは、家事を手伝ったり、子供たちを公園に連れて行ったり、妻と一緒に映画を見たりする良きパパだそう。

マルセレさんは「夫がこのようにファンから拍手喝采され、応援されるなんて夢にも思いませんでした。夫は自分が手にしたものに感謝しており、ベトナムサッカーに身を捧げたいと考えています。私たちはベトナムのファンに心から感謝するしかありません」とも語っている。

ブラジルから帰化したラファエルソンがベトナムを2018年大会以来3度目の優勝に導けるのか。日本から帰化した仲村京雅と小倉勉監督を擁するシンガポールとの2ndレグは29日に行われる。

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