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寛いでアートと向き合う。ジュエリーデザイナー阿部好世に飾り方のコツを聞く。

  • 2024.12.29

アートコレクターは、どこで作品と出合い、どんなふうに部屋に飾っているのだろう。ジュエリーデザイナー阿部好世がお気に入りに囲まれて暮らす空間を訪ね、アートを身近に楽しむヒントを教えてもらった。

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ダイニングには八重樫ゆいやファーガス・フィーリーらの小さなキャンバスが点在。あえて額に入れずにありのままの姿を楽しむ。

今年、蔵前に新店舗と工房をオープンしたジュエリーデザイナーの阿部好世が住むのは、ブティックが多く立ち並ぶ大通りを少し入った場所にあるマンションの一室。

内装は白を基調とし、リズムよく飾られた小ぶりの抽象画や、無造作に壁に立てかけられただけのようにも見える木の立体作品など、一風変わった作品がよく映える。

「2007年に小さなお店を恵比寿に持った時、初めて絵画を買いました。それから少しずつ絵を中心に作品を集めていて、最近数えたら70点くらいありました」

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ソファの色とマッチしたオードリッチの作品はここが定位置。

アートに目覚めたのには理由がある。

「以前住んでいたニューヨークは、日本よりもはるかにアートが身近だった。作家と直接関わる機会も多かったので」

お気に入りのソファの上にあるのは、一緒に仕事をしたこともあるニューヨーク在住のリチャード・オードリッチの作品。

「作品との向き合い方や人となりや情熱を知ると、サポートというほどではないですが、賛同します。同じ作家として、同時代を生きて、思想も近いと思える作家に出会うとうれしくなって作品を購入することも」

ロサンゼルス在住のローラ・オーウェンスも古い知人で、本人から贈られた絵画も。

「ソファに座ると目線の先にローラの作品と書庫があるので、よくぼんやりと見ながら考えごとをしています」

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作業台の前にある鮮明な赤色の作品はブラジルのパウロ・モンテイロ、青色のチェック柄がグラフィカルな作品はオランダのダーン・ファン・ゴールデンのもの。
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「書庫の入口にあるローラの作品は、2017年のホイットニー美術館での個展開催時に制作していたものだと思うのですが、公に展示はされなかった作品みたいです」

窓際の作業台の周りには、モチベーションが上がるビビッドな色使いや力強いタッチが印象的な作品を飾るのだと言う。

「ちょうどジュエリーに色を使いたいと考えていたタイミングで、このアートたちに出合って。作品と自分の仕事がシンクロして、すごく触発されました」

これらの作品を描いたアーティストには直接会ったことはないが、「好きなものをわかってくれていて、絶大な信頼をおいている」ギャラリー、ミサコ&ローゼンで購入した。ギャラリーで空間を見るのも好きで、部屋に飾る際のアイデアを得ることも。

「とはいえ、アートを集め始めてからかなり年月も経つので、飾ることには自信がついてきました。自分が座る位置から見える場所に置こう、とか、小さい絵画を多く飾ってみるとか、最近は直感を信じて、自由に挑戦するのが楽しいですね」

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部屋の角には立体アートが集合。壁に複数立てかけている木は青田真也の作品。メキシコの田舎で修業をしたからか、阿部は自然を感じるアートに惹かれる。

阿部 好世(ジュエリーデザイナー)
ジュエリーブランド、プティローブノアー主宰。古典的なシルバージュエリー制作をメキシコで習得。色石とシルバーを使った1 点ものを自身が職人として制作している。
@petiterobenoire_official

*「フィガロジャポン」2024年12月号より抜粋

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