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【広尾】山種美術館【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―

  • 2024.12.30

笑門来福、HAPPYな日本美術を見に行こう!

山種美術館で開催中の【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―[2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・振休)]を見て来ました。

日本美術では祭事・婚礼などの慶事や節句、日常の身近な生活の中で飾られ愛でられてきた吉祥のモティーフがあります。 人々の長寿や子宝、富と繁栄など幸福への願いを込めて描かれて来たものです。

本展では伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、横山大観(よこやまたいかん)、川端龍子(かわばたりゅうし)など近世から近代日本美術の名品を生み出して来た作家たちが描いた縁起のよいおめでたいモティーフの作品が並びます。

また見ると思わず微笑んでしまうようなほのぼのとした幸せな気持ちになれる作品も展示されていました。 HAPPYになる日本美術で年末年始を心穏やかに温かい気持ちで過ごしてみませんか。

※特別な許可を得て撮影しています。館内は一部の作品を除いて撮影禁止です。

福を呼ぶ―吉祥のかたちを愛でる

横山大観《天長地久(てんちょうちきゅう)》、江戸時代に描かれた《虎渓三笑・文王呂尚図屛風(こけいさんしょう・ぶんのうろしょうずびょうぶ)》

横山大観《天長地久》(右)。 「天長地久」は永久に変わらない天地のように物事がいつまでも続いてゆくことを意味する語だそうです。 本作は、風景を題材として描いてきた大観の吉祥画で、雄大な松林と飛翔する鶴の群れが描かれています。

左は、中国の三教一致思想を描いた《虎渓三笑・文王呂尚図屛風》(個人蔵)。

お釈迦様の仏教も、孔子様の儒教も、老子様の道教も開祖の個性や地域、時代によって異なる様に見えても普遍の真理は一本の黄金の糸で繋がっているという中国の「三教一致思想」を表す絵画です。 廬山に隠棲する慧遠法師(仏教)のもとを訪ねて来た儒者の陶淵明、道教の陸修静の3人が話に夢中になり、俗界との境である虎渓の橋を知らぬ間に渡ってしまい大笑いしたという故事に基く絵画です。 中国に「三教一致思想」があったということを描いた興味深い絵画です。

出典:リビング東京Web

右、横山大観 《天長地久》 1943(昭和18)年頃 紙本・彩色 山種美術館蔵、左、《虎渓三笑・文王呂尚図屛風》 17世紀(江戸時代) 紙本金地・彩色 個人蔵

めでたさも極まる豪華3幅対《松竹梅(しょうちくばい)》

横山大観の《松(白砂青松)》(中央)、川合玉堂の《竹(東風)》(右)、川端龍子の《梅(紫昏図)》(左)。 近代日本画の巨匠が描いためでたさも極まる豪華3幅対の《松竹梅(しょうちくばい)》。お正月から豊かな気持ちになります。

出典:リビング東京Web

横山大観 《松(白砂青松)》(中央)、川合玉堂 《竹(東風) 》(右)、川端龍子 《梅(紫昏図)》(左) 3幅とも1955(昭和30)年 絹本・彩色 山種美術館蔵

小林古径《鶴(つる)》、川端龍子《鶴鼎図(かくていず)》、伊藤若冲《鶏図(にわとりず)》

長寿の象徴「鶴」を描いた小林古径《鶴》(左)、川端龍子《鶴鼎図》(中央)。

無駄がない描線で美しく描かれた小林古径《鶴》。 3羽の鶴が大らかに描かれた川端龍子《鶴鼎図》。寿命も3倍⁉でしょうか。

右は伊藤若冲《鶏図》(個人蔵)。 若冲は自宅に鶏を飼って細かく観察しながら絵を描いていたそうです。 墨の濃淡で描かれた鶏はくりんと揺れるような尾羽が動きを感じさせます。

出典:リビング東京Web

左から、小林古径 《鶴》 1948(昭和23)年 紙本・彩色 山種美術館蔵、川端龍子 《鶴鼎図》 1935(昭和10)年 絹本・彩色 山種美術館蔵、伊藤若冲 《鶏図》 18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵

伊藤若冲《叭々鳥図(ははちょうず)》、川端龍子《華曲(かきょく)》

伊藤若冲《叭々鳥図》(左、個人蔵)。 勢いのある筆致で叭々鳥のスピーディな姿を捉えています。見ると運気が上がりそうな躍動的な姿です。

右は川端龍子《華曲》。 牡丹の花と蝶にじゃれる獅子。厳めしい顔の大きな頭と身体でへそ天でじゃれている様子がユーモラスです。

出典:リビング東京Web

左から、伊藤若冲 《叭々鳥図》 18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵、川端龍子 《華曲》 1928(昭和3)年 紙本・彩色 山種美術館蔵

聖なる山・富士山、横山大観《心神(しんしん)》、司馬江漢(しばこうかん)《駒場路上より富嶽を望む図》

古より信仰の対象だった「富士山」を描いた横山大観《心神》(右)。 はるか雲海が続く景色に見せる雄大な姿を大観は「心神」と題して富士山を描きました。 大観の「富士山」を見ると新鮮な気持ちで新年が迎えられそうです。

左は、司馬江漢の墨画《駒場路上より富嶽を望む図》(個人蔵)。 司馬江漢は日本の近代洋画の先駆者ですが、紙本・墨画のような作品も残しているところが興味深い作家です。

出典:リビング東京Web

右、横山大観 《心神》 1952(昭和 27)年 絹本・墨画淡彩 山種美術館蔵、左、司馬江漢 《駒場路上より富嶽を望む図》 1803(享和3)年 紙本・墨画 個人蔵

思わずにっこり、《埴輪 猪を抱える猟師(はにわ いのししをかかえるりょうし)》、ほのぼの、《伏見人形図(ふしみにんぎょうず)》

ドヤ顔の《埴輪 猪を抱える猟師》

5-7世紀の古墳時代の《埴輪 猪を抱える猟師》(手前右、個人蔵)です。

大物を仕留めたのでしょうか、ドヤ顔で獲物を抱える様子が思わず笑いを誘います。 口角を上げた口元が得意気な表情豊かな埴輪です。

出典:リビング東京Web

手前右、《埴輪》 猪を抱える猟師 5-7世紀(古墳時代) 土製 個人蔵

ほのぼの伊藤若冲《伏見人形図》

まるでキノコがつくつくと生えているような伊藤若冲《伏見人形図》。 まったりした表情と色使いで見ているとほのぼのとさせてくれます。

《鶏図》などのシャープな筆勢とは一味違う若冲のほのぼの絵画です。

出典:リビング東京Web

伊藤若冲 《伏見人形図》 1799(寛政11)年 紙本・彩色 山種美術館蔵

新春に福を呼ぶHAPPYな日本美術

山種美術館【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―は2025年2月24日(月・振休)まで。 吉祥のかたちを描いた縁起の良いおめでたい作品や、ほのぼのした気持ちになれる作品で、新春に福を呼ぶHAPPYな日本美術に出会えます。 是非お出かけください。

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、小林古径《鶴》の手ぬぐい(1‚400円)、おみくじ付懐中しるこの宝入船(432円)を購入。 お湯を注ぐと中からおみくじの琥珀羹が出て来ます。2025年最初の運試しです。

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 山種美術館

Cafe 椿 展覧会の作品にちなんだオリジナル和菓子

Cafe 椿では、青山・菊家のオリジナル和菓子、横山大観《心神》にちなんだ「雲海」(710円)(中央)をいただきました。 和菓子は、しっとりとした甘さです。お抹茶セットでいただくと(1,350円)です。

※文中のうち、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館所蔵です。※価格は税込価格です。

出典:リビング東京Web

Cafe 椿 オリジナル和菓子「雲海」(中央) 山種美術館

〇山種美術館
URL:https://www.yamatane-museum.jp/
住所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで)
※今後の状況により、開館時間は変更になることがあります。
交通:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分
恵比寿駅西口1番乗り場より日赤医療センター前行都バス(学06番)に乗車、「広尾高校前」下車徒歩1分
渋谷駅東口ターミナル54番乗り場より日赤医療センター前行都バス(学03番)に乗車、「東4丁目」下車徒歩2分

〇【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―
会 期:2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・振休)
休館日:月曜日 ※1/13(月・祝)、2/24(月・振休)は開館、1/14(火)は休館、12/29(日)~1/2(木)は年末年始休館
入館料:一般1400円、中学生以下無料(付添者の同伴が必要です)
【冬の学割】大学生・高校生500円 ※本展に限り、特別に入館料が通常1100円のところ500円になります。
※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)一般1200円
※きもの特典:きものでご来館のお客様は、一般200円引きの料金となります。
※複数の割引・特典の併用はできません。
入館日時のオンライン予約も可能です。

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