2024-25年秋冬コレクションでは、デザイナーたちがワードローブに欠かせないアイテムを、よりステートメント性の高いものにアレンジしていた。中でもニットウェアは、デザイナーたちのイマジネーションを自由に発揮させる土台となった。 ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)から、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)、そしてモスキーノ(MOSCHINO)といったブランドの多彩なアプローチを振り返ろう。
ニットを自由に着こなすのが旬
ファッションショーを観ることの面白さは、派手な演出だけでなく、デザイナーやスタイリストがどのようにアイテムを調理し、スタイリングを組み立てるかにもある。中でも、Tシャツの丈を短くしたり、シンプルなコートをオーバーサイズにしたり、デニムにラインストーンやスパンコールをあしらったりと、定番ワードローブを再解釈することは、トレンドにおいても重要だ。
そして、この2024-25年秋冬コレクションでセンセーションを巻き起こしたのは、ニットのトップだった。デザイナーたちは、スカーフのように羽織ったり、アシンメトリーにしたり、ウエストで結んだりと様々なニットの着こなしを提案した。
ニューヨークで発表したプロエンザ スクーラーは、特徴的なアシンメトリーデザインと大きなタートルネックを組み合わせたニットを発表。一方、マイケル・コース(MICHAEL KORS)はグレーのワントーンルックに、ニットをスカーフのように巻きアレンジを効かせた。後者のスタイルは、とりわけ寒い季節にぴったりだ。
ミラノのモスキーノでは、カーディガンの上にニットを結んで重ねたスタイルが見られた。ロンドンでのJW アンダーソン(JW ANDERSON)のショーでは、オーセンティックなニットの上に、同じニットをベルトのように巻きつけたモデルが登場。パリで発表したドリス ヴァン ノッテンでは、ピンクのTシャツの上にセーターを斜めに重ね着したような独特なカッティングのアイテムが目を引いた。これだけの例を見たら、あなたもこの現象に興味を持ったはず。風邪を引くのが不安ならば、コートを着るのはもちろんOKなのでご心配なく。
Text: Alexandre Marain Adaptation: Reona Kondo
From VOGUE.FR
READ MORE