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2024年の書籍販売総合1位は『変な家2』! モキュメンタリーホラー小説ブームを牽引し、映画化もされた不動産ミステリーとは?

  • 2024.12.28

出版取次大手の日本出版販売(日販)による、2024年の「年間ベストセラー」(集計期間は2023年11月22日〜2024年11月19日)が発表された。

フィクションやノンフィクション、実用書など、すべてのジャンルを含む「総合」ランキングでは、YouTuberであり作家の雨穴(うけつ)氏による「間取り」にまつわる謎を描いたミステリー小説『変な家2 〜11の間取り図〜』(飛鳥新社)が第1位を獲得。そしてシリーズ1作目の『変な家』(飛鳥新社)が5位、さらに派生シリーズの「図絵」をテーマにした『変な絵』(双葉社)も6位にランクインした。

累計250万部突破!『anan』登場の作者も話題に

『変な家』シリーズは、身近な日常に潜む恐怖をドキュメンタリー風に描いたモキュメンタリーホラー小説に分類され、そのブームを巻き起こした作品のひとつである。

1作目『変な家』の単行本及び文庫版、続編『変な家2 〜11の間取り図〜』を合わせたシリーズの発行部数は累計250万部を突破。漫画家・綾野暁氏によってコミカライズもされている。

直近では、謎の覆面をかぶるミステリアスな作者の雨穴氏が、2024年11月に発売されたファッション誌『anan』(マガジンハウス)で表紙を飾ったことも大きな話題を集めた。

映画化もされた記念すべき1作目

シリーズ1作目『変な家』は、正体不明の「謎の空間」が存在する家の間取りを巡る不動産ミステリーだ。

主人公は「謎の空間」がある家の間取り図を知人から見せられた、オカルト専門のフリーライター。「謎の空間」について、このライターから意見を求められた建築設計士・栗原は、家の間取り図から浮かび上がる数々の違和感から、恐ろしい仮説を立てる。その矢先、家のすぐそばにある雑木林でバラバラ死体が見つかったと連絡が入り――。

2024年3月には、『映画版 変な家』も公開された。主人公でオカルト専門の売れないYouTuber・雨男/雨宮(間宮祥太朗)、ミステリー愛好家の建築士・栗原(佐藤二朗)、雨宮がアップした「変な家」の情報を知る謎のヒロイン・柚希(川栄李奈)の3人を中心に物語が展開。2024年10月にはBlu-ray化及びDVD化され、Amazonプライムなどのサブスクリプション動画サービスでも相次いでレンタル配信(2024年12月20日現在)されている。

11の家の間取りに迫る続編

そして2024年最大のベストセラーとなった『変な家2 〜11の間取り図〜』は、2023年11月の出版以降、単独の発行部数は70万部を突破した。

物語は前作と同様にフリーライターの主人公と、建築設計士・栗原を中心に展開。前作『変な家』の反響を受けて、全国各地から寄せられた「変な家」の情報をたよりに、中部地方の物件を中心とした「11の家」にまつわる間取りの謎へと挑む。

謎が解き明かされていくにつれて、じわじわとこみ上げてくるそれぞれの家の不気味さ。そして、背景を想像する推理の楽しさを併せ持つ本シリーズ。寒さがより厳しくなる季節、ぬくぬくとした室内で背中が凍るような物語を楽しむのも、また一興だ。

文=カネコシュウヘイ

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