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【隠れる場所が意外過ぎる】忍者のようなタコの生態

  • 2024.12.28
タコはいつもどこに隠れている? / Credit:Canva

柔らかい体をもつ「タコ」が、砂浜に潜って身を隠す動画が話題を呼んでいます。

まるで吸い込まれるかのように、タコが小さな穴へと入っていくのです。

このようにタコは、自慢の体を利用して、狭い場所に潜り込んだり、落ちている道具で身を守ったりしています。

では、世界中のタコたちは、いつもどこに隠れるのでしょうか?

目次

  • 泳ぎが苦手で隠れるのが得意な「タコ」
  • タコの隠れ場所「岩」「砂浜」「サンゴ礁」「蛸壺」「ココナッツの殻」

泳ぎが苦手で隠れるのが得意な「タコ」

タコが砂浜に空いた穴に吸い込まれていく動画が、Xで話題になりました。

タコが、長い足を器用に曲げ、胴体を変形させながら、穴の中に潜り込んでいます。

その後の映像だけを見ると、その場にタコがいるとは思えないほど、完全に姿を隠すことに成功しているのが分かります。

この動画から、タコの能力の高さとそのユニークな行動には改めて驚かされますね。

では、どうしてタコは、わざわざ狭い場所に潜るのでしょうか。

それは捕食者から隠れるためです。

タコは泳ぎ続けるのが苦手 / Credit:Canva

そもそもタコは、泳ぎ続けることが苦手であり、それには体のつくりが関係しています。

タコには3つの心臓があります。

1つは人間と同じく全身に血液を送る心臓、他の2つはエラ心臓と呼ばれるものです。

このエラ心臓は筋肉へ大量の酸素を供給するためについており、瞬時に泳いで逃げる時に役立っています。

しかし、泳いでいる時には「全身に血液を送る心臓」が活動せず、タコはすぐに疲れてしまいます。

そのため、タコは泳ぎ続けることが苦手であり、這うように移動するのはそのためです。

タコは擬態も得意 / Credit:Canva

さらにタコは、体表の色彩を変化させる色素細胞を持っており、周囲に溶け込むことができます。

岩や海藻に擬態し、捕食者から身を隠すことができるのです。

加えて、柔らかい体によって、捕食者が入っていけない狭い場所にも簡単にアプローチできます。

タコは、こうした体の特徴から、ひたすら泳いで敵から逃げ続けるよりも、どこかに隠れて危険を避ける方が向いています。

だからこそタコは、海底や岩の隙間に巣穴を持っており、エサを探す以外は、ほとんどの時間を巣穴の中で過ごします。

では、タコたちは他にもどんな場所に隠れているのでしょうか。

タコの隠れ場所「岩」「砂浜」「サンゴ礁」「蛸壺」「ココナッツの殻」

タコは岩の隙間を巣穴とする / Credit:Canva

タコは海底にある岩の隙間を自分の巣穴とすることがよくあります。

またサンゴ礁に生息するワモンダコ(学名:Octopus cyanea)などは、サンゴ礁の複雑な地形を利用し、その隙間に身を隠します。

さらに、一時的な避難場所として砂浜に潜ったり、貝類や甲殻類が形成する穴を巣穴にしたりするタコも存在します。

Xで話題になっている動画は、こうした場面をピックアップしたものでしょう。

そして、このように「タコが巣穴に隠れる習性」を利用したものが、マダコ漁業に用いられる「蛸壺」です。

たとえ人工物であっても、捕食者から身を隠せる場所であれば、タコは喜んで活用するのです。

また特殊な例ですが、オーストラリアのメルボルン博物館の2009年の研究によると、ココナッツの殻を巣にするタコも発見されています。

このタコは、ボウル状のココナッツの殻を持ち運んでおり、度々、その殻を自分の上に被せ、隠れ家として使用していたのです。

偶然、その光景を目にしたビクトリア博物館のジュリアン・フィン氏は、「非常に滑稽な光景でした。水中であれほど笑ったことはありません」とコメントしています。

柔らかく防御能力が低いタコが、自分の身を守るために様々な地形やアイテムを活用する姿は、時に私たちを驚かせ、時に私たちを笑わせてくれます。

参考文献

Coconut-carrying octopus: Tool use in an invertebrate
https://www.sciencedaily.com/releases/2009/12/091214121953.htm

元論文

Defensive tool use in a coconut-carrying octopus
https://doi.org/10.1016/j.cub.2009.10.052

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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