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“纏う喜び、未来への優しさ”──日本初上陸のセザンヌが届ける新たなファッション哲学

  • 2024.12.28

2024年7月、パリジャンたちを魅了してやまないフランス発のブランド、セザンヌ(SÉZANE)がついに日本ECサイトをオープンした。手に取りやすい価格ながらも、上質なクオリティとタイムレスなデザインを兼ね備えたセザンヌ。そのコレクションは、着る人をやさしく包み込むような洗練されたファブリックを使用し、幅広い世代から支持されている。

セザンヌの創業者であるモルガン・セザロリーは、約20年前にヴィンテージショップの運営からキャリアをスタート。デザインの歴史や素材、ディテールへの深い理解をそこで培い、「自身が本当に欲しい逸品を見つけるのが難しい」と感じたことをきっかけに、12年前にセザンヌを立ち上げた。当時、オンラインショップだけでブランドを展開するのはリスクが高いとされていたが、モルガンは「良質な商品を適正価格で提供する唯一の方法」と確信し、ECサイトのみでの運営を決断。その結果、その高いクオリティで瞬く間にファッション愛好家たちの心を掴み、イギリスやイタリアなどのヨーロッパ諸国のみならず、アメリカなどにも進出。国際的な人気を誇るブランドへと成長した。

現在、3人の子どもを育てる母親でもある彼女は「母は70代ですが、彼女はいつもおしゃれで素敵です。いくつになってもファッションを楽しむことで、自己表現を豊かにし、人生に彩りを添えられると信じています。そんな生き生きとした魅力を提供できるブランドでありたい」と語り、その思いはセザンヌのデザイン哲学にも色濃く反映されている。「どんなに美しい靴でも、一度痛いと思ったら履きたくなくなりますよね。おしゃれをするということは耐えることではなく、喜びを纏うことだと思っています」と育児を通してより強く感じるようになったと、モルガン。実用性と美しさを両立した靴は、業界内からも高く支持されており、彼女のアイテムづくりへの情熱がうかがえる。

さらに、働く母親として、ワークライフバランスにも深い関心を持つ。「完璧を目指すのではなく、自分に合ったペースを見つけることが大切。セザンヌのプロダクトにも、そんな自然体でいられるやさしさを込めています。子育てが大変な時期に、信頼できるチームに運営を任せたこともこのブランドを大きく成長させる力になったと感じます」と、ブランドの成長と家族の幸せを両立させるための彼女の生き方が、セザンヌを支える大きな軸となっているようだ。

また、「当たり前のことなので、あえて宣伝はしていません」と前置きをしながらも、サステナビリティへの取り組みにも熱心だ。セザンヌは環境や社会への貢献を評価するグローバルな認証「B Corp」を取得しており、持続可能な生地や生産方法を6年以上にわたって追求。現在、80パーセントものアイテムが完全サステナブルな方法で製作されており見た目の美しさだけではなく、環境にやさしい選択肢を提供することも目標に掲げているそうだ。

最後に「私にとっては、セザンヌは最初の赤ちゃんのような存在です」と語り、その言葉の裏には、自分の子どもを“ただ賢い子”に育てばいいと思うのではなく、やさしく思いやりを持った子に育ってほしいと願う、そんな気持ちがうかがえた。女性に寄り添い、やさしく包み込む。その上で人々に少しの自信を与えてくれる。そんなセザンヌの温かな哲学を肌で感じてみてほしい。

パリ左岸に位置する、おしゃれなアパルトマンのような本社。
パリ左岸に位置する、おしゃれなアパルトマンのような本社。

Profile

モルガン・セザロリー(Morgane Sezalory)

フランス出身、セザンヌの創業者でクリエイティブ・ディレクター。パリジャンシックを体現するファッションアイコン的存在で、自身のインスタグラムのフォロワーは31万人を誇る。3児の母として子育てとキャリアを両立させながら、持続可能で社会的責任のあるファッションを推進し、現代の働く女性のロールモデルとなっている。

Photos:Courtesy of SÉZANE

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