スクワット前のウォーミングアップに
「スクワットを制するものはダイエットも制する」という言葉もあるくらい、人体の中でも筋肉量が多い太もものトレーニングは、ボディメイクにおいても重要度が高い。太ももが太くなる理由として一般的には運動不足による「脂肪」「むくみ」「筋力低下」の3つが指摘されているが、特に大腿四頭筋と呼ばれる前もも部分は、反り腰や猫背などの姿勢の悪さや、それに伴う前傾姿勢により実は過剰に使われてしまっている場合もある。そこでスクワットの前に取り入れたいのが、フォームローラーを使用した筋膜リリースだ。
「フォームローラーの上で太ももを色々な角度からしっかりリリースすると、トレーニングで負荷をかけても硬い筋肉がつきづらく、柔らかく質の良い筋肉を得られます。バレエダンサーのようなしなやかで強い足を手に入れたい人はぜひ、スクワットの前に取り入れてみてくださいね」
Step 1
うつ伏せになり、フォームローラーの向こう側に両肘をつき、フォームローラーの上に片方の太ももの前側を乗せる。 肘で床を押して上体が床と平行になるように支えながら、身体を上下に揺らしてももの真ん中より上を30回ずつ往復させる。反対側の前ももも同様に往復させ、その後、フォームローラーを前ももの真ん中より下にずらして両ももの下で30回ずつ往復させる。
Step 2
体を横向きにして、フォームローラーの上に前ももの外側を乗せる。下側の腕の肘をつき、反対側の手を使って体を上下に揺らして、ももの外側でローラーを転がしてほぐれるように往復させる。反対側も同様にほぐしていきましょう。
膝の痛み改善にも効果あり
「バレエのレッスンではスクワットの代わりに、グランプリエと言って膝を横に広げてしゃがむ屈伸運動のような動きがあります。子どもから大人までみんなが行う基本的な動作なのですが、これを地道に行っているからこそ、大腿部が鍛えられるだけでなく、ジャンプをした後、膝に負担をかけずに着地することができるのです。膝に痛みを抱えている人は、筋力不足やリリース不足が原因になっていることがありますが、太もものトレーニングと同時にリリースを行うことで、関節や膝の痛みが軽減されることも。足のむくみが取れてスッキリする以上の効果が期待できるので、おすすめですよ」
話を聞いたのは……
石井久美子
バレエダンサー。1994年東京生まれ。8歳でバレエを始め、2011年ロシアの国立ワガノワバレエアカデミーに留学。2013年に同校を卒業後、マリインスキー・バレエ団にアジア人女性として初めて入団し、数多くのソリスト役を演じる。主宰するバレエ学校では、アマチュアから世界のトッププロダンサー、教師までがレッスンを受けている。2023年にはオンラインバレエスクールも開校。著書に『胸椎伸展 10分寝るだけストレッチ』(主婦と生活社)。@kumiko_ishii_ballet_project
Photos: Shoko Takayasu Text: Naomi Mori Editor: Makiko Yoshida
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