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まさかの2年連続トップバッターで狂った髙比良くるまの計算 「M-1グランプリ2024」が今年も“令和ロマンの大会”になった瞬間とは

  • 2024.12.28

漫才日本一を決める「M-1グランプリ2024」(ABCテレビ)が12月22日に行われ、昨年王者の令和ロマン(髙比良くるま、松井ケムリ)が真空ジェシカ、バッテリィズとの最終決戦を制し、前人未到の大会連覇を果たした。優勝候補のプレッシャーと上がりきったハードルを見事に跳ねのけた圧巻の優勝劇。髙比良くるまは最後まで優勝できるとは思っていなかったそうだが、今年も1番手で令和ロマンが登場した瞬間に彼らがチャンピオンになる空気を感じた人は多かったのではないだろうか。

©️ABCテレビ
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記念すべき20回目の開催となった今大会には、過去最多を更新する10330組がエントリー。決勝には、真空ジェシカ、トム・ブラウン、ヤーレンズ、エバース、ダイタク、令和ロマン、ママタルト、バッテリィズ、ジョックロックの9組に加え、敗者復活戦を勝ち抜いたマユリカの10組が進出した。

昨年、初の決勝進出を果たすと同大会で最若手コンビだったにもかかわらず王者に輝いた令和ロマン。「M-1」に出場したくて芸人になったという髙比良くるまが、優勝直後に「『M-1』大好きです!来年も出ます!」と宣言したことで、今大会は早々に「令和ロマンが史上初の連覇を達成するか」「令和ロマンを止めるのはどのコンビか」という色彩を帯びることとなる。

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「一夜で世界が変わる芸人の夢の舞台」「若手のブレイクへの登竜門」的な性格を持つ大会だけに、一度優勝したコンビが再び出場することに対し賛否の声もあった。また、優勝経験コンビがその後も出場した例はこれまでもあったが、予選を勝ち上がるのは並大抵のことではなく、過去19回の大会で2度優勝を果たしたコンビは皆無だった。そんな状況でも令和ロマンは今年も決勝進出を決めてみせる。

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そして迎えた決勝当日。昨年の大会で、令和ロマンはくじにより出番順1番目に登場し、そのまま最終決戦まで残って優勝したことも話題となっていた。「M-1グランプリ」は次々に出場者がネタを披露していくという性格上、どうしても時間が進むにつれて会場のボルテージも上がっていくという一面があり、また審査員も先のことを考え高得点をつけづらいため、トップバッターは圧倒的に不利といわれている。昨年1番手を引いた令和ロマンは、「自分たちが出る大会を最高の大会にしよう」と場が盛り上がりやすいネタを選択。それが功を奏し、トップバッターながら観客を巻き込んで空気を支配し、チャンピオンにまで上り詰めた。

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そんなくじ引きで、誰もが予想しなかったことが起こる。なんと今年もまた、10組中1番手で名前が呼ばれたのが令和ロマンだったのだ。昨年はどんなシチュエーションで出番が来ても臨機応変に対応できるようにネタを4本用意し、トップバッターの心づもりもできていたと語ったくるまだったが、さすがに今年はまったく予想していなかったようだ。だが、それは起きた。

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“打倒令和ロマン“という図式ができるなか、髙比良くるまは自ら悪役風を演じることで大会を盛り上げることを選んだのだろう。準決勝では漆黒のスーツに身を包み、不敵な笑みを浮かべながらツカミで「終わらせましょう」という言葉を吐いてから漫才に入っていた。決勝でも「終わらせよう」とツカミの一言を発した。

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しかし、くるまにとっても計算外だった“1番手”が、実は令和ロマンにとって非常に大きな“追い風”になったという興味深い現象が起こっていた。前述の通り「令和ロマン連覇なるか」という注目のされ方をした大会で、見る方も昨年彼らがトップバッターからの奇跡の優勝を果たした記憶が残っている。さらに、出番順のくじをひくゲストのパリ五輪金メダリスト阿部一二三が、期待する芸人を聞かれ「令和ロマンさんの2連覇が見てみたい」と“前フリ”のようなコメントをしていた。その直後にひいたくじに書かれた文字を見た瞬間、阿部が“やっちまった”という顔をし、MCの今田耕司も言葉を失ったのを見て、会場がざわつき始める。阿部が読み上げた言葉は「1組目は令和ロマンです」。その瞬間、会場には悲鳴にも似た大歓声が上がったのだ。

まさかの“2年連続トップバッター”に、本人たちを含む控えブースの芸人たちも驚きを隠せず大騒ぎに。煽りVTRが流れ始めても、スタジオのどよめきは一向に止まず「なんだこれは」「すごいことに」といった声が漏れていた。これまでは不利でしかなかった“1番手”だが、連覇を狙うコンビが昨年と同じ出番順を引いたとなれば話は別。奇跡の再現を期待するなというほうが難しいだろう。この“騒ぎ”で場は一気に暖まったようで、2人が舞台上にせり上がってくると観客からは割れんばかりの拍手と大歓声が上がる。1組目にして真打ち登場のような雰囲気になると、昨年に続き今年もスタートと同時に令和ロマンが「M-1」の空気を支配したのだった。

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真空ジェシカ、バッテリィズと争った最終決戦は接戦となり、特に“ニュースター”の資格十分のバッテリィズの勝機もあったように見えたが、勝ったのは令和ロマン。昨年をも上回るクオリティで仕上げてきた2本のネタも圧巻だったが、1番手に決まった瞬間の会場が揺れるような盛り上がりが連覇への流れを作ったと言っても過言ではないだろう。

史上初の連覇を達成した令和ロマン、今回の「M-1」がきっかけでオファーが殺到しているというバッテリィズ、最強のネタを見せたと話題の真空ジェシカなど、「M-1グランプリ2024」の全ネタは動画配信サービスTVerで無料配信中だ。

【動画】1番手で名前を呼ばれ地鳴りのような歓声が響いた令和ロマンの1本目など『M-1グランプリ』全ネタをTVerで無料配信

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