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桂 由美さんと日本のブライダルの歩み

  • 2024.12.27

“花嫁を輝かせるため”をモットーに、エネルギッシュに駆け抜けた59年

桂 由美さんがブライダルファッションデザイナーとしてデビューしたのは、日本にまだウエディング・ドレスで結婚式をする女性がわずか3%だった1964年。ドレスの生地も小物も、何もないところからスタートして、ドレスを着たいと願う花嫁のために試行錯誤を続けました。そのあふれる情熱と感性から生み出されるドレスの美しさは日本人女性の心をつかみ、やがて世界が注目するように。ニューヨークで“ユミライン”のドレスが絶賛されると、フランス、パリでもコレクションの開催に成功。ドレスが多方面から評価されるようになっても、彼女の行動力はとどまるところを知りませんでした。ドレスをかたちづくる素材や技術には常にアンテナを張り、メンズフォーマルの改革や和装の伝統継承、ひいてはブライダル業界の人材育成など、常人には想像できないほどのバイタリティでアクションを続けたのです。“すべては花嫁のために”、そのスピリットは桂 由美さんが出会った多くの人に受け継がれているはずです。

25ans Wedding

桂 由美さんが生み出したウエディング界の改革

Bridal Fashion Show

25ans Wedding

1965年に第1回グランドコレクションを開催。日本初のブライダルファッションショーとしてマスコミが大注目。ゲストに当時人気の著名人を起用し、7人7様のドレススタイルを披露しました。

Bridal Book

25ans Wedding

1968年に執筆した『ブライダルブック』。ウエディングに関する専門書がなかった当時、バイブル的な存在でした。コレクション開催とともに、ブライダルという言葉が知られるきっかけに。

Yumi Line

25ans Wedding

貸衣装として浸透しつつあったドレスを、欧米のように自分だけのものとして身にまとえるよう、プレタポルテを発表。きもののお引きずりから着想を得た“ユミライン”のドレスが大人気に。

Men’s Formal

25ans Wedding

1983年、花婿も主役という考えを広めるため、メンズフォーマルのイメージアップにも着手。花嫁のドレスとコーディネートしたペアスタイルは当時革新的でしたが、多くのカップルに支持されました。

New Kimono

25ans Wedding

日本伝統の婚礼衣装であるきものにも敬意を払い、愛していた桂 由美さん。和装に興味をもってもらうため、和装と洋装の魅力が融合したオーガンジーの打掛などの新しい提案も。

Development

25ans Wedding

日本人デザイナーの育成にも力を注いでいます。2021年には次世代のブライダルデザイナー発掘を目的に「YUMI KATSURA記念財団」を発足。今後は奨学金という形で支援を続けていきます。

Museum

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桂 由美さんの功績や衣装を残しておくため、 2022年福井県若狭町に開設された「ユミカツラ ミュージアム」。1960年代から現在に至るまでの貴重な衣装60点ほどを常設展示。

桂 由美さん追悼ショーを開催

59年のデザイナー人生の中で生み出された珠玉の作品100着が登場。日本のブライダルの歴史をたどるような、華やかなひとときに。

※この記事は2024年12月5日時点のものです。※『25ansウエディング 2024-25 Winter & Spring』2024年12月5日発売より転載。

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