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火葬場から持ち帰ったひとかけらの骨。小さくなった弟を誰にも内緒で仏壇にそっと収めた

  • 2024.12.27
小さな箱にそっとしまった (C)きむらかずよ/KADOKAWA
小さな箱にそっとしまった (C)きむらかずよ/KADOKAWA

家族や恋人、友達。大切な人と永遠の別れはある日突然やってくるかもしれません。高校生の時、当時16歳の弟を事故で亡くしたきむらかずよさんも、すぐには現実を受け止めることが出来なかったといいます。

職人気質の父、肝が据わった母、思春期真っ只中だった姉・かずよさん、そしてヤンチャだけれど誰からも好かれた弟。平凡な家族の日常は、弟の事故死という悲劇によって一瞬で崩れ去ってしまいました…。

肉親を失った家族が再び歩き出せるようになるまでを赤裸々に綴り、大反響を呼んだ『16歳で帰らなくなった弟』。本編では語られることのなかったエピソードをお送りします。

最後は骨になるんだ… (C)きむらかずよ/KADOKAWA
最後は骨になるんだ… (C)きむらかずよ/KADOKAWA
小さく小さくなった弟 (C)きむらかずよ/KADOKAWA
小さく小さくなった弟 (C)きむらかずよ/KADOKAWA
土に還っていきますから (C)きむらかずよ/KADOKAWA
土に還っていきますから (C)きむらかずよ/KADOKAWA
大きな骨はそのままの形で残っていた (C)きむらかずよ/KADOKAWA
大きな骨はそのままの形で残っていた (C)きむらかずよ/KADOKAWA
讃美歌歌ってやろうか! (C)きむらかずよ/KADOKAWA
讃美歌歌ってやろうか! (C)きむらかずよ/KADOKAWA
自分を気にかけてほしい (C)きむらかずよ/KADOKAWA
自分を気にかけてほしい (C)きむらかずよ/KADOKAWA

『16歳で帰らなくなった弟』の著者のきむらかずよさんに、弟さんについて、そして当時の心境についてお話をうかがいました。

——16歳で旅立った弟さんは誰からも好かれる性格だったようですね。姉から見てどのような弟さんでしたか?

きむらさん「目立ちたがり屋でやんちゃ、そして誰とでもすぐ友達になる子でした。友達のことを悪く言われるのを何より嫌い、私が弟の友達を悪く言うと、すごく怒りました。繊細な部分もあって正直な性格だったので、年齢問わずたくさんの人に可愛がってもらっていましたね」

——きむらさんと弟さんとは、対照的なタイプだったようですね。

「そうですね。性格は私が陰なら弟が陽。すべてにおいて真逆でした。弟はおしゃれで私は服に無頓着だったので、私の服の着方がずれてたりすると弟が直してくれることもありました。

似ていたのは、お互い負けず嫌いだったところでしょうか。小さい頃はところ構わず凄まじいケンカを繰り広げていたのも、今となっては大切な思い出の一つです」

——突然の出来事に、現実を受け止められない日々が続いたかと思います。弟さんがいなくなったことを強く実感したのは、どのような時でしょうか。

「それまで賑やかだった家が、シーンと静かになりました。毎日8時になると来ていた友達も来なくなり、こんなに家の中が変わるのか…とひしひしと感じました。

でも、弟が亡くなった後も『ただいま』と帰ってくるような気配を感じたことは、一度や二度ではありません。おそらく両親も同じように感じていたと思います」

ある日突然家族を亡くした悲しみは、想像を絶するものでしょう。しかしそれは、自分自身も含め誰の身にも起こり得ること。きむらさんの辛い経験から、大切な人と穏やかに過ごせる日常がいかにありがたいことなのか、改めて考えさせられます。

著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟 外伝』

【著者プロフィール】

きむらかずよ

イラストレーター。小学1年生の時にプレゼントされた漫画『うわさの姫子』に衝撃を受け、漫画やイラストを描くように。現在は3人の子育てをしながら、新米保育士としても奮闘中。交通事故で亡くなった弟のことを綴った「16歳で帰らなくなった弟」にてデビュー。

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