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マネーの「歴史の転換点」!?  2024を振り返る

  • 2024.12.27

新しいNISAやマイナス金利解除に20年ぶり新紙幣発行……と、2024年をマネーの観点から振り返ると「歴史の転換点」と言われるほどいろいろなことがありました。インスタグラムへの投稿で主に20~40代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさんが、インスタでもお馴染みの手書きのノートとともに解説します。

大きなイベントが集中した1年

朝日新聞telling,(テリング)

これまで、このコラムでも新しいNISAや新紙幣などの話題を取り上げてきましたが、それ以外にも今年はさまざまなことが起こりました。ノートに書いたのは制度やお金に関するコトだけですが、歴史に残るような大きなイベントが集中した1年だったことが分かります。

動いた制度、暮らしはどう変わる?

朝日新聞telling,(テリング)

“壁”はとくに今年後半、大きな議論になったキーワード。人手不足の中での働き控えといった問題や最低賃金の引き上げを背景に、所得税の壁である「103万円」と社会保険の壁である「106万円」の2つの“壁”が、一気に崩される方向に動きました。
これまで壁を意識して働き方を抑えていた方は、25年以降、働き方の見直しを検討してみてもいいかもしれません。

子育て世帯への支援は手厚くなったけど……

24年は、子育て世帯への支援が手厚くなった年でもありました。
児童手当の大幅な拡充以外にも、奨学金制度の拡充により教育費の負担軽減を図り、子育て世帯の住宅ローン金利を引き下げる「フラット35子育てプラス」の制度もスタートするなど、国は経済的な負担を軽減し少子化を食い止めようとしています。
国が危機感を持つのも当然で、出生数は22年に80万人を切ってからわずか2年で10万人も減るおそれがあり、少子化の勢いはまさに“急な坂道を転げ落ちる”かのよう。少子化対策は一朝一夕に効果が出るものではありませんが、のんびりと待っていられるほどの猶予は今の日本にはありません。
一方で、子育て当事者としては、国の行う施策は何だかピントがずれているように感じることが多いのも事実です。経済的な支援はもちろん必要ですが、 国だけでなく企業も含めて、社会全体で危機感を共有し対策を打つべき時期に来ているように思います。

また、働き方が多様化する中で、取引条件の明示や報酬の減額の禁止など、フリーランスの労働環境を守るための新法が11月に施行されました。
12月には、確定給付型の企業年金に加入している人(公務員も含む)のiDeCoの拠出限度額が引き上げられ(ただし、要件あり)、より一層老後資金を準備しやすくなるなど、時代の流れに合わせて制度が動きました。

金利上昇の影響はこれから。早めの対策を

朝日新聞telling,(テリング)

日本の利上げはゆっくりとではありますが、着実に金利のある世界に戻りつつあります。そして、金利が上がったことによる影響が出てくるのはこれから。とくに住宅ローンは金額が大きく期間も長いため、金利上昇の影響を強く受けることになります。でも書いたように、物価高の中で金利が上がればダブルパンチ。対策を早めに考えておく必要があります。

毎年この時期は識者が新年の金利や株価、為替の予想を出しますが、当たらないことも多々あります。プロであってもそれだけ予想が難しいのが相場の世界。だからこそ、何かひとつに賭けるのではなく、分散することが重要です。
金利と為替、株価はすべて繋がっていますし、国際情勢にも影響を受けます。急な〇〇ショックが起こっても動じないよう、心構えをしておきましょう。

高い賃上げ率や過去最大の最低賃金引き上げがニュースになったとはいえ、物価の上昇には追い付かず、実質賃金は夏のボーナス時期を除いて前年を下回りました。
輸入品だけでなく食料品全般にサービス、鉄道料金に至るまで値上げが頻繁に起こるようになり、夏には“令和の米騒動”とも言われるコメ不足とその後の新米価格の高騰。さらに郵便料金も消費税率の引き上げを除くと30年ぶりの値上げで、手紙が84円から110円に、ハガキは63円から85円になりました。年賀状を準備するにあたり、「こんなに高かったっけ?」と感じた方もおられるかもしれません。
「物価は上がらないもの」という30年間の“常識”が覆される中、私たちも時代に合わせて変わっていくことが求められています。

「103万円の壁」引き上げでどう変わる?

朝日新聞telling,(テリング)

「103万円の壁」については、「パート等、短時間で働いている人の話だから自分は関係ない」と思っている方もおられるかもしれませんが、基礎控除等の額を上げることで税金を課される額を減らす結果、納める税金が減り手取りが増えるというものですので、すべての納税者にも関わってきます。
引き上げ額については与野党間で綱引きが続いており、12月20日現在、まだ決着がついていませんが、決まったらこのコラムでもお伝えしたいと思っています。
ただし、国が「103万円の壁」を引き上げても、企業が独自で出す配偶者手当の線引きを103万円に設定していることも多い。国が変われば、追随してこちらも変わるのではないかと思っているのですが……。

新年の目標や抱負を考える時間に

日米以外でも、ドイツでは連立政権が崩壊し、フランスでも内閣不信任案が可決されるなど、これまで政権を担ってきた与党に対して厳しい結果が出ています。また、韓国で突然、戒厳令が出されて政治が混乱するなど、予想もつかない出来事も起こりました。
いずれも、今年起こった変化は25年以降につながっていきます。
政治の話もお金の話と同様、難しいからと避けてしまいがちですが、私たちの生活に直接影響を与えることも多い。生活に関係するところから、少しでも知識を身に付けておきたいところです。

今年は“奇跡の9連休”とも言われており、例年に比べると年末年始に長めの休暇を取れる方も多いかもしれません。この時間を活かして、ご自身にとっての24年を振り返ってみましょう! 「NISA口座での投資をスタート」、「役職が上がり給与アップ」、「資格試験の準備をスタート」、「ひさしぶりの海外旅行、円安でびっくり」、「物価高で食費が上昇、ランチをお弁当持参に」など、1年を振り返った上で、新年の目標や抱負を考えるきっかけにしてみてくださいね。

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FP fumicoの“Live colorfully”の次回は、1月31日に公開の予定です。

■fumicoのプロフィール
CFPⓇ保有のファイナンシャルプランナー。 大学卒業後、生命保険会社や市役所での勤務を経て、2017年12月より「お金」に関するInstagramへの投稿を始める。社会保険や税金・資産運用といった学ぶ機会がなく、話題にも上りづらいコトを身近に感じてもらえるよう、解説の投稿は手書き。趣味は起床後すぐの15分ヨガと、株式投資。

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