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アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は

  • 2024.12.26
アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は
アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は

Text by Ryo

今シーズンからAFCチャンピオンズリーグ・エリート(以下ACLE)の外国籍選手枠が撤廃されたことに伴い、アジアの各国リーグで外国籍選手を枠拡大する動きが広がっている。

ACLEでは世界的なビッグネームの獲得が相次いだサウジアラビアリーグや外国籍選手の登録に上限がないUAEリーグのクラブが圧倒的に有利になるのではないかとの意見が多い。

一方で外国籍枠が拡大したサウジアラビアリーグでは、自国選手の出場時間が激減。

同国代表がワールドカップ予選で苦戦するなど実際に悪影響が出ている。

実際に外国籍選手枠の撤廃が、ここまでのACLEの順位に影響を及ぼしているのか見ていこう。

西地区はサウジアラビア勢が圧倒

ここまで6試合を終えての西地区の順位表は以下の通り。

1位アル・ヒラル、2位アル・アハリ、3位アル・ナスルとサウジアラビア勢が上位を独占。

サウジアラビア勢を4位アル・サッド(カタール1部)、5位アル・ワスル(UAE1部)が追走している。

サウジアラビア1部は近年、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)やブラジル代表FWネイマール(アル・ヒラル)を筆頭に世界的なスター選手を乱獲して世界中を驚かせた。

さらに、今シーズンから従来の外国籍選手枠8から2枠追加され、試合に出場できる外国籍選手は最大8人まで増えた。

外国籍選手枠が撤廃されたアジアのコンペティションではその豪華なメンバーをフル活用できる。

ACLE西地区で2位のアル・アハリは、第5節のアル・アイン(UAE1部)との試合で外国籍選手8人を先発起用した。

アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は
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また、サウジアラビアの3クラブは、先発出場した外国籍選手の割合が多い上、得点の部分でも強力な外国籍選手に依存している。

アル・ヒラルは全20ゴールのうち13ゴールを外国籍選手が記録した。アル・アハリは全14ゴールのうち12ゴール。アル・ナスルは全13ゴールのうち11ゴールとなっている。

いたるポジションにワールドクラスの選手を揃えるサウジアラビアのクラブは、外国籍選手枠撤廃の恩恵を受けているといえるだろう。

しかし、サウジアラビア人選手は国内リーグで出場機会の確保に苦しんでいる。

前代表監督のロベルト・マンチーニ氏は「(代表に招集された)20人の選手がベンチに座っている。サウジアラビア代表選手は、所属クラブにおいてカギとなる選手としてプレーしなければならない」とサウジアラビアリーグの現状に警鐘を鳴らした。

パフタコールの苦戦はウズベキスタン代表の強化につながっている

アル・アインの不調は外国籍選手の保有人数と成績が比例していないものの、西地区の順位全体を見ると、外国籍選手枠の数が少ないリーグに所属しているクラブは苦戦を強いられている。

昨シーズンのウズベキスタン王者パフタコール・タシュケントはACLE6試合で勝ち星がなく9位に低迷している。

アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は
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ウズベキスタン1部の外国籍選手枠は5。

パフタコールは4人の外国籍選手をチームに登録しているが、ACLEではここまでキルギス人MFキミ・メルクとセルビア人FWドラガン・チェランのみを起用している。

西地区の出場クラブでは珍しく、主力のほとんどが自国出身の選手だ。

パフタコールがACLEでは苦戦を強いられている一方、ウズベキスタン代表はワールドカップ・アジア3次予選グループAで2位につけている。

前回のワールドカップに出場したイラン、カタールと同居する厳しいグループで奮闘を続けている。

自国の代表選手が多くプレーしているクラブが、質の高い外国籍選手を揃えるサウジアラビアやUAEなどのクラブと対戦する機会が増えたことにより、結果的に代表チームの強化につながっているのかもしれない。

外国籍選手枠撤廃の恩恵を受ける東南アジア勢

東南アジア勢のクラブは外国籍選手枠撤廃の恩恵を最も受けている。

6位のマレーシア1部ジョホール・ダルル・タクジム(以下JDT)がACLE開幕から6試合で起用したマレーシア人選手は6人のみだった。

JDTは先発のほとんどを外国籍選手で固め、長年東南アジアのチームが課題としていたいたフィジカル面を解決した。

その結果、今シーズンのACLEでは中国勢に1勝1分1敗、韓国勢に1勝1敗と東アジアのトップクラブと互角以上の戦いを見せている。

一方でマレーシア出身のFWアリフ・アイマンはACLE6試合でチームトップの4ゴールを挙げている。

同選手の台頭はマレーシアサッカー協会が帰化政策だけにとらわれず、自国出身選手の育成の賜物だろう。

アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は
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タイ1部ブリーラム・ユナイテッドは決勝トーナメント進出圏内の8位につけている。

そんなブリーラムが所属するタイ1部は外国籍選手を9枠(AFC外5人+AFC枠1人+ASEAN枠3人)登録できる。

ブリーラムは外国籍選手枠の制限がないACLEでは外国籍選手を最大限に活用しており、先月26日に行われた川崎との一戦では7人の外国籍選手が先発した。

ブリーラムのASEAN枠選手はGKニール・エザリッジ(フィリピン代表、イングランド国籍保有)、DFディオン・コールズ(マレーシア代表、ベルギー国籍保有)というように、東南アジア以外の国で生まれ育ったいわゆる「逆輸入」の選手が登録されている。

ブリーラムは、開幕戦で神戸に引き分けると、その後のセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア1部)、浦項との試合に連勝した。

アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は
アジア各国リーグの外国籍選手枠とACLE外国籍選手枠撤廃の影響は

サウジアラビア勢が上位を独占している状況や東南アジア勢がフィジカルで韓国やオーストラリアのクラブ相手に簡単に負けなくなった点は、外国籍選手枠撤廃の恩恵を受けているだろう。

また、UAEのクラブや東南アジア勢を見る限り、今シーズンは外国籍選手枠の人数よりも、いかに「国外出身の選手」を自国の選手登録に多く迎え入れられるかは成果を挙げる鍵となっているように感じた。

ACLの大会フォーマットが大きく変わった今シーズン、アジアサッカーの新たな門出となる今大会でどのクラブが栄冠に輝くのかに注目だ。

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