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俳優メイジー・ウィリアムズがリスペクトする本物の環境活動家とは【社会変化を率いるセレブたち】

  • 2024.12.26
俳優のメイジー・ウィリアムズ。2024年2月、パリで行われたディオール(DIOR)の秋冬コレクションにて。Photo_ Swan Gallet / Getty Images
Christian Dior RTW Fall 2024 - Front Row俳優のメイジー・ウィリアムズ。2024年2月、パリで行われたディオール(DIOR)の秋冬コレクションにて。Photo: Swan Gallet / Getty Images

「サステナブルな未来について学ぶと、これまで気候変動は歴史上でもときおり圧倒的な力で地球環境に影響を及ぼしてきたことがわかります。私の個人的な目標は、『この影響を最小限にとどめるために重要な役割を果たしているのは、私たち一人ひとりである』ということを世界に啓発することです」

2021年、WWF(世界自然保護基金)インターナショナルの設立60周年を記念して、初代グローバル・アンバサダーに任命された俳優のメイジー・ウィリアムズはこう語った。1997年、イギリス・ブリストルに生まれた彼女は、HBOのテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011~2019)の主人公アリア・スターク役で俳優デビューを果たして以来、ドラマ「Cyberbully(原題)」(2011)や「ドクター・フー」(2015)、映画『iBoy』(2017)などに出演し、エミー賞に2回ノミネートされるなどの輝かしいキャリアを築いている。

卓越したビジネスセンスを持つ環境活動家

2023年9月、コペルニ(COPERNI)のショーにて。Photo_ Julien Hekimian/Getty Images
Coperni : Front Row - Paris Fashion Week - Womenswear Spring/Summer 20242023年9月、コペルニ(COPERNI)のショーにて。Photo: Julien Hekimian/Getty Images

一方で、多忙な俳優業のかたわら、2018年にiOS対応ソーシャルメディアアプリのベータ版「Daisie」をリリースした彼女は、クリエイティブ業界の枠を超えたプロジェクトのコラボレーションやキャリア開発にも取り組んでいる。同アプリを公開した翌年には資金250万ドル(約3億8400万円)を調達し、ユーザー数も10万人に達するなど卓越したビジネスセンスを発揮するウィリアムズだが、世界的に有名なのは熱心な環境活動家としての顔だ。

「私たちの地球を守り次世代に引き継ぐために、ファッション業界でより実行可能な生産プロセスを構築しなければなりません。今こそ、行動のときです」

こう語ったウィリアムズは、自身の活動の一環として2021年にファッションブランド「H&M」のグローバル・サステナビリティ・アンバサダーに就任。これに対し一部の著名人から “グリーンウォッシング”だとして批判を受けたが、ウィリアムズは専門家と緊密に連携しながら、H&Mの持続可能性への取り組みを推進し、循環型の未来への道を開拓すると発表。またブランド側も、2030年までにH&Mグループの全ブランドのテキスタイルを100%リサイクル素材またはその他の持続可能な資源を使用すると宣言し、グリーンイニシアチブに1億ドル(約154億円)を支出することを決定した。

そんな彼女にとって、環境活動家としてのモチベーションであり、インスピレーションとなっているのが、友人や兄の存在だという。

真の環境保護活動は“草の根運動”

2023年1月、パリで開催されたディオール(DIOR)のショーに出席。Photo_ Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images
Christian Dior : Photocall - Paris Fashion Week - Haute Couture Spring Summer 20232023年1月、パリで開催されたディオール(DIOR)のショーに出席。Photo: Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

「気候変動や地球温暖化はすでに常識であり、人類が一丸となって阻止しようとしていると思っていました。ですが実際は、依然として科学的なデータを否定している人がまだまだ多く、その中には世界的に影響力のある立場にいる人もいるのです」

以前イギリスのウェブマガジン「Dazed digital」にこう語ったウィリアムズは、自身の環境活動家としてのロールモデルは同じく活動家のロジャー・ハラムと活動家で分子生物物理学者のゲイル・ブラッドブルックであり、二人が創設したイギリスのグローバル環境保護団体「Extinction Rebellion」だと語る。同団体は、人類を含めた地球に生きるすべての生き物の未来を脅かすものすべてに対抗するムーブメント兼ネットワークだ。そして「真実を語ること。行動すること。そしてともに決断すること」をスローガンに、非暴力で窮状を訴えながら、他の気候変動や環境保護団体と連携して幅広い支援を達成することを目指している。

「Extinction Rebellionのような活動家グループや、プラスチックを使わない生活を選択した私の友人たち、そして抗議活動中に逮捕された私の兄は、皆私の活動に大きなインスピレーションを与えてくれた人たちです。環境活動家とは、何もメディアに出て発言する人のことだけを指すのではありません。むしろ私は、こうした草の根運動を展開している現場の人たちこそが、真の環境活動家だと思っています。自分の活動について表立って発表しないために何もしていないと思われがちですが、実はこういう人たちによって本当の意味で地球環境が守られていると言っても過言ではありません。そして私は今、俳優としての名声を手に入れました。これを使わない手はありません」

WWFグローバル・アンバサダーとして

2023年ロンドンにて撮影。Photo_ Mike Marsland / WireImage
GQ Men Of The Year Awards 2023 - Arrivals2023年ロンドンにて撮影。Photo: Mike Marsland / WireImage

こう語る彼女の環境活動家としての志は、先のWWF初代グローバル・アンバサダー就任へと結実。2030年までに地球の未来の安全を確保するという責務を全うすべく、世界の指導者や意思決定者に対し、気温上昇を1.5℃に抑え、世界のサンゴの70%を保護し、重要な沿岸生態系の確保/世界の森林の回復/森林伐採の終焉などの具体的な目標達成のための啓蒙活動に取り組んでいる最中だ。そんなウィリアムズは、WWFとともに歩む今後のブループリントについてこんなふうに語っている。

「私は、WWFとともに危機に瀕している自然を守るため、一人ひとりが変化をもたらし、未来の世代に継承していく活動に取り組んでいることを大変光栄に思っています。私の役割は、この地球上にはまだまだ知られていない豊かで多様な生命が生息していることを伝え、すべての生き物の未来を支える海洋生物や環境の危機を回避させること。気候変動との闘いには、終わりはありません。これからも私は、この地球を守る活動に全力を尽くすつもりです」

Text: Masami Yokoyama Editor: Mina Oba

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