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なぜ筋トレ民は「腸内環境」を整えるべきなのか?専門家が解説

  • 2024.12.26

冬の身体作りを正しく効率的に行うにはどうしたら良いのか? 実は筋トレと腸内細菌には深い関係性があることがわかっています。

トレーニングや腸活に詳しい、医師の伊藤明子先生にポイントを伺いました。

腸内細菌と筋トレの「深い関係性」

最近、腸内細菌の観点から興味深いエビデンスが明らかになりました。

それは、2022年に発表された、時間栄養学の第一人者である早稲田大学・柴田重信先生が中心となったマウスでの研究です。

端的に言えば、「低温(大気温度7℃)に晒されると腸内細菌に変化が生じ、有益な短鎖脂肪酸という物質を作る力が下がってしまう」というのです。人間での研究が今後必要ですが、同じようなことが人間でも起きている可能性があります。

短鎖脂肪酸は、免疫の働きを高めることが知られていますが、実は、筋肉量を増やす働きがあることもわかっています。裏返せば、腸内細菌が作る短鎖脂肪酸が減ると、トレーニング効率が落ちる上に、風邪や感染症などでダウンしてしまうリスクも高まります。

そのため、気温が低くなる冬は、腸内細菌を助けてあげられるような“腸活”が必要なのです。

医師オススメ!忙しい人でも手軽にできる腸活術

私のオススメは、「朝食にちょっとした工夫を加えること」です。

腸内細菌のエサになる“良質な食物繊維”と、筋肉の元となる“良質なたんぱく質”をしっかり摂ることが大事です。

例:
ケロッグオールブランなどの小麦ブラン(外皮)シリアル
オイコスなどの高たんぱくヨーグルト
牛乳または豆乳・アーモンドミルク・オーツミルクといったミルク
すりごま
煎りアーモンド(無塩、ノンフライ) を混ぜる

さらにお好みでプロテインを加えるとよいです。

小麦ブランは小麦の外皮ですが、腸内細菌に必要な発酵性食物繊維という良質の食物繊維が食品の中でも群を抜いて多く含まれています。

また、意外かもしれませんが、ごまとアーモンドも、食物繊維とたんぱく質が豊富なので私はアスリートの方にも勧めています。

このボウルと、目玉焼きまたはゆで卵など卵1個、バナナの3点セットで朝食は完璧。シリアルだけよりも腹持ちが良いので、会議中にお腹が鳴る心配もありません。

トレーニングをされている方は、たんぱく質の摂取はしっかり出来ていると思いますが、冬は良質の食物繊維もセットにして十分に補給することが何より大事です。

ぜひ、明日の朝食から取り入れてみてください。

監修者プロフィール

赤坂ファミリークリニック 院長 伊藤明子(いとう・みつこ)先生

赤坂ファミリークリニック院長。東京大学医学部附属病院小児科医。アスリートの健康管理や腸内細菌についての研究にも精力的に取り組む。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科卒。近著に『医師が教える子どもの食事 50の基本 ~脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方』。テレビ・ラジオ・雑誌等各メディアに多数出演・掲載。2児の母。

<Edit:編集部>

 

 

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