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おぼれるほどの圧倒的イマーシブ空間。全身で感じるミュシャの魅力

  • 2024.12.26

パリのアートシーンを一世風靡し、「アール・ヌーヴォーの旗手」とも呼ばれたチェコ出身の画家・ミュシャ。柔らかな女性、星や花などの美しいモチーフを、大胆な構図と華やかな色使いで描き出した彼の絵画は、現代デザインにも大きな影響を与えて続けている。

現在、東京・渋谷のヒカリエホールでは、没入体験型展覧会「グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ」が2025年1月19日(日)まで開催中だ。1枚絵と対峙するときとはまた違う、ミュシャの絵画におぼれるような臨場感あふれる鑑賞体験ができるまたとない機会だ。

パリで話題のイマーシブ展覧会

「グラン・パレ・イマーシブ」は、パリの美術館「グラン・パレ」がフランス国内外に向けたデジタル展示の制作や配信のために設立された会社のこと。最先端のオーディオビジュアルやインタラクティビティなどの手法を用いて、かつてない芸術鑑賞体験を提供するために、パリの歌劇場「オペラ・バスティーユ」内でイマーシブ(没入型)の展覧会を開いている。

その一つ『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』が、この度、日本初上陸。19世紀末から20世紀初頭にかけてパリで活躍し、アール・ヌーヴォーの代表的存在となった画家・アルフォンス・ミュシャの傑作の数々を高解像度のプロジェクションによって映像へと落とし込んでいる。耽美的な没入型展示を通して、ミュシャの人生や画業、後世への影響などを紹介する。

ミュシャの全てに没入する

全てデジタル作品で構成された本展。目玉となるイマーシブコンテンツでは、ミュシャの物語を3幕に分けて鑑賞することができる。

第1幕では、青年期までを過ごした故郷チェコのモラヴィアと、グラフィック・アーティストとしてパリでの成功をもたらした傑作ポスターの作品群を大空間で展開。

続く第2幕では、キャリアの絶頂期であり転換点ともなる1900 年のパリ万国博覧会に焦点をあて、名作《スラヴ叙事詩》につながる祖国への想い、平和への願いを読み解いていく。

第3幕はミュシャがパリで着想を得て晩年に取り組んだ集大成《スラヴ叙事詩》の連作を紹介。この叙事詩の芸術的表現やメッセージが、いかに人々の共感を得て世界平和のモデルとなったのか、その理由にも迫る。

他にも、ミュシャのヒストリーやアトリエなど趣向を凝らした展示を全5章に分けて展示している。空間全体を埋め尽くす映像美はもちろん、音楽、香りなどまでもが相乗された圧倒的な没入型展示。華やかな色彩が一面に広がり、巨匠ミュシャを全身で感じることができるだろう。

グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ
期間:2024年12月3日(火)〜2025年1月19日(日)
場所:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)
時間:11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
※12月31日(火)のみ18:00まで(最終入場は17:30まで)
Webサイト:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/24_mucha/Harumari Inc.
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