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“タピオカ”をド忘れ!とっさに言い換えた言葉に思わずクスッ。3人の子を育てるシングルマザーの愉快な日常ショートコミック集

  • 2024.12.26

ブログやInstagram、Web連載などで絶大な支持を得るクリエイター・まめさんは、いまやコミックエッセイ界の重鎮のひとりだ。

そんな彼女による「凡人すたいる。」シリーズ(まめ/KADOKAWA)は、ゆるっとした癒し系のタッチが特長のショートコミック集。ありふれた日常の中に落ちている、ちょっぴりシュールなエピソードの数々が実にユーモラスに描き出されている。

本シリーズは「大盛り詰め合わせ」「特盛り詰め合わせ」「爆盛りスペシャルトッピング」の三部作。「たかが“凡人”の日常でしょう?」なんて侮ってはいけない。私たちが普段見過ごしがちな、ささいな出来事の一つひとつをユニークな視点で切り取る著者の手腕は、もはやマジカルと呼びたくなるほどの芸術の域に達している。

ファンのあいだでは「絶対ふき出すので電車の中では読まないで!」などと常々言い交わされているが、まさしくその通り。“タピオカ”という言葉をど忘れして、とっさに“くろまる”と言い換えたこと。新しいパンツを買ったらウエストが苦しすぎて、ついにはハサミで切り込みを入れた話。LINEのやりとりをすれば、驚きの誤変換が。

抱腹絶倒もののエピソードの数々は、誰しもが一度は経験したような出来事から、思わず「あるある!」とうなずいてしまうシーンまでさまざまだ。さらに3作目「爆盛りスペシャルトッピング」には、著者初の描き下ろしフィクション「史上最悪の結婚式」も収録されている。

本シリーズを読んでいると、ひとりの人の日常に、これほどまでにたくさんの笑いと涙が存在することに心の底から驚かされる。まったく、著者の住む世界は思いもよらない数のサプライズとドラマに満ちている。

楽しく生きる、とはいったいどういうことなのだろう? そんな疑問を解消したい人は、ぜひとも本作を読んでみてほしい。幸せとは「なるもの」ではなく「感じるもの」であるという言葉の意味を心から実感できるに違いない。

読後はきっと、見慣れた日常の景色がワントーン明るくなったように感じられるだろう。大笑いと癒しを同時に提供してくれる、不思議なパワーを秘めた作品だ。

文=ネゴト / 糸野旬

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