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【学生がやってみた防災】非常食調理もバッチリ! 空き缶で自作アルコールストーブ

  • 2025.1.7
写真説明:自作の空き缶アルコールストーブ

キャンパーの必需品を災害時にも

2024年1月に発生した能登半島地震では、水や電気、ガスなどのライフラインが停止したことで、寒いなかでの避難生活を送らざるをえなかった被災者が多くいました。ライフラインの停止が、私たちの生活を非常に不便にすることを再認識された方も多くいるはずです。
本記事では、災害時にも普段使いにも役立つ「空き缶アルコールストーブ」の作り方について紹介します。

アルコールストーブとは

アルコールストーブとは携帯用のコンロであり、コンパクトかつ耐久性も併せ持つことから、キャンプなどにも使用できる便利な道具です。気化しやすい燃料用アルコールを使うことから、燃えカスが残らないので後処理をせずに片づけられ、ガスコンロよりも着火しやすいことから、キャンプで好まれています。私たちは、買わなくてもある程度の工夫をすることで実物と同じ実用性を発揮する、アルミ缶を使っての工作を試してみました。

なぜアルミ缶を使うの?

アルミ缶を使う理由として「軽さ」、「熱伝導」の2つの特徴が上げられます。

・軽さ

アルミは鉄と比べて約3分の1の重さの違いがあり、アルミの原料は自動車や航空機などの長距離移動に適した乗り物の原材料として使われています。

・熱伝導

熱伝導率は鉄と比べて3倍で、熱しやすく冷めやすい性質があるため、アルコールストーブとして使う場合は、すぐに暖かくなり、使い終わった際もすぐに冷えます。

実際に作ってみよう!

実際に、空き缶を使ったアルコールストーブを作ってみました。
同じサイズのアルミ缶2つ(本記事では350ml)、ペンチ、コンパスカッター、ハサミ、ホッチキス、穴を開けられるもの(ドリルor錐)、テープ、油性ペンを用意しましょう。

防災ニッポン

1.空き缶を切断しよう

・空き缶の底の部分を使うので、2本の空き缶を切断しましょう。
切断するために4㎝の高さを測ります。

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・切断する時は、4㎝程の台を用意して、カッターを固定することをオススメします。空き缶を回すだけで切ることが出来ます。

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・2本とも同じように切断しましょう。

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2.底に穴を開けよう

・半径1.5cm程の穴を開けるために、ペンで円を描くように印をつけて、錐で複数個の穴を開けていきましょう。
・錐で穴を開けたらカッターで切り落としましょう。切り落とす際は、手をケガしないようにしてください。
※今回は錐を使って力業で制作しましたが、空き缶の底はかなり硬いため、コンパスカッターを使って1.5cmの切り込みを入れてから、カッターで切り落とすことを推奨します。

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3.ペンチを使ってくぼみを

・穴を開けた空き缶にペンチで内側に向けてくぼみを作り一周しましょう。くぼみを付けることで穴を開けていない缶にはめやすくなります。

防災ニッポン
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・くぼみをつけ終わったら、穴をあけていない缶にはめましょう。

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4.ジェット孔の穴を開けよう

ジェット孔は、注いだアルコールに点火した時、内部で気化したアルコールを噴出するために必要な穴です。ジェット孔を通してアルコールを噴出することで炎を大きくすることができます。
・テープで空き缶を一周して、その長さで切ってください。切ったテープは一度定規に貼り付けて、1~1.5cm間隔で印をつけてください。

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・印をつけたテープをもう一度、穴の開いた空き缶に巻き付けてください。

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・巻き付け終わったら、印をつけた部分に、錐で穴を開けます(小型ドリルがある方は小型ドリルを使いましょう。錐が無い方はドライバーを使うことを推奨します)。

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5.中央の筒を作ろう

・底に穴が開いた空き缶を使って、中央の筒を作ります。まず、残った空き缶を胴と飲み口部分に切り分けましょう。

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・切断した胴の部分を3cm幅で切り取りましょう。切り取る際は飲み口を切り離した端に気を付けて作業してください。

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・切り終えたアルミ板を筒状にし、穴を開けた空き缶に入れ大きさを測りましょう

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・測り終えたら、そのまま丁寧に取り出しホッチキスを使い固定しましょう。ホッチキスでの固定を終えたら、中央の筒に4か所、切り込みを入れましょう。切り込みの大きさは1cm以内をオススメします。

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中央筒が完成したら、切り込みを入れた側を下にして、本体にはめ込めば、「空き缶アルコールストーブ」の完成です! 45分ほどで完成しました。

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実際に使ってみよう

この空き缶アルコールストーブが本当に機能するのかと思う人もいるでしょう。
ですので、私たちは、自作の空き缶アルコールストーブを使ってお湯を沸かし、非常食を調理しました。

準備するものは、空き缶アルコールストーブ・燃料用アルコール・ライター・お湯で作れる非常食です。燃料用アルコールは、引火性が非常に高いので、火気の近くでなく換気の良い場所で使い、使用後はしっかりと蓋を閉めて保管してください。

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※注意:代用品として、消毒用アルコールは絶対に使用しないでください。消毒用アルコールの主成分は「エタノール」ですので、燃焼した際に有害物質が発生します。

1.燃料用アルコールを準備したら、アルコールストーブの中央部分にアルコールを注いでください。注ぐのに不安がある方は、専用の道具を使用して注いでください。

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2.アルコールを注いだら、ライターで火をつけてください。火をつけてから、数秒でジェット孔から火が出てきます。火が出てきたらお湯を沸かすために、鍋をのせます。土台として使用しているアルミ缶の底は固く安定性があるため、鍋をのせても潰れることはありません。

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200mlの水を沸かしました。5分ほどでお湯が沸きましたので、かなり強い火力です。

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3.お湯が沸いたら、用意した非常食の袋に注いでください。今回の非常食は15分で作れるものを選びました。

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出来上がり

出来上がった非常食を食べてみました。具材がちゃんと柔らかくなっているうえ、ご飯にしっかり味がしみ込んでいます。中まで温かくできていて、おいしくいただくことができました。

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燃料用アルコールは、消火作業などはせず燃焼しきるまでそのままにしておいてください。中のアルコールが気化し、洗浄作業もせずに片づけることができます。

防災ニッポン

最後に

本記事では空き缶アルコールストーブのメリットと自作方法について解説しました。
他にも様々なものを自作することができます。
工作する際は、ケガに十分注意してください。

〈執筆者〉
鳥倉秀太
竹田颯汰

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