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主役はゲストたち。モデルの中島沙希が、“自分たちはこだわらない”ことにこだわった新しいウエディングの形

  • 2024.12.25

国内外で活躍するモデルの中島沙希と、気鋭のフォトグラファー島津明が出会ったのは2021年の8月。撮影現場でのことだった。撮影後に中島の方から、「ご飯に行こう」と声をかけたのが交際をスタートするきっかけになったという。それから3年後となる2024年11月に、二人は都内で挙式を行った。ロケーションはもちろん、ブラックのドレス、食事をしてからの人前式など、一見するとこだわりが詰まったスーパーモードなウエディングだが、最大かつ唯一のこだわりは、「ゲストが主役であること」。大好きな人たちに感謝を伝えるために、自分たちらしさを突き詰めたウェディングが実現した。

「自分たちらしさ」を追求した、ホームパーティーのような挙式プラン

――結婚式を挙げるにあたり、お互いにコンセプトなどを相談してアイデアを固めてから会場選びなどを始めたのでしょうか?

中島沙希(以下・中島) 最初から二人の間で一致していたのは、自分たちのためというよりは、お世話になっているみなさんに感謝をする場として結婚式をしたいなという点でした。これまでお世話になってきたご縁を生かす場として、みんなと繋がっていけたらいいなと思っていたので。

島津明(以下・島津) お互いに「こういう風にしたい」というこだわりよりも、「これは嫌だね」というものの方が多かったので、「嫌だな」と思うものをどんどん削っていった結果、今回のような式になりました。

――会場選びもその一つですか?

島津 普通の式場ではなくほかにないかな?という話は、ずっとしていたんです。結婚式場でやるとなると、どうしても会場のプログラムに従わないといけなくなってしまうので。僕たちは、せっかくなら仲の良い方に「おめでとう」と言われて、ただ高砂に座っているだけでなく、ゲストの皆さんと喋りたいですし、フリースタイルっぽい方が僕たちらしいと思っていたから。そこで、最初はガーデンウェディングの案もあって地方に2カ所ほど見に行ったんですけど、全然現実的ではなかった。それが3月頃でした。そこで、やっぱり都内で建築的に素敵な空間で、かつゲストの方のストレスが減って100名位入る会場というのを探して、プロデューサーの吉田拓巳さんが提案してくれたこちらの場所で式を挙げることにしました。

中島 こちらの場所は、結婚式を挙げたことがないという点も決め手でした。私自身イベントでこの会場に行ったことがあり、今回の式をプロデュースしてくれた吉田さんや、装花のLogiさんたちもイベントでなどで会場を知っていたので、話はスムーズに進みました。

当初は夏頃に式を挙げたいなと思っていたのですが、友人の多くがファッションウィークで日本いなかったりで。私たちの仕事柄、比較的皆さんが揃いそうなのが11月頃だったことから、日取りに11月を選びました。

――プロデューサー、当日のヘアメイク、ウエディングドレスのチョイスなど、すべてを友人にお願いしたそうですね。

島津 せっかくこういう仕事をしていますし、僕も彼女もクリエイティブな仕事をしている知り合いが多いので、普段から仲良くさせていただいてる方々に全てお願いしました。結局式に招待したい人たちもその人たちなので、楽しくやれるんじゃないかと。

中島 普段から皆さんに創っていただく環境で仕事させていただいてるので、私たちの周りにはあらゆるジャンルのプロが揃っています。ヘアさん、メイクさん、スタイリストさんも、私たちが出会ったときの撮影現場にいたメンバーなんです。またこうしてご一緒させていただけて有難いですし、感慨深いです。挙式自体は、イベントなどのプロデュースを手がけている私の幼馴染の吉田拓巳さんと、彼の知り合いでウェデングプランナーの田口好美さんが中心となって、組み立ててくれました。

――挙式にはテーマがあったのでしょうか?

島津 僕たちはコンセプトなど考えてなかったんですけど、プロデューサーさんとプランナーさん、美術さんと話している中で、テーマがあった方が統一されて軸があって良いねという話をされたので、僕の方でなんとなくのキーワードを集めてお伝えしたものに、彼らが色々とアイデアを加えてくれて、「Bonds and Connection」(絆とつながり)」になりました。

ドレスもリングも形式に縛られない自由度満載のスタイル

――ウェディングドレスは黒と白の2ルックを着用されていますが、ウェディングで黒は珍しいですよね。そのドレスも旦那さまが選ばれたとか?

中島 普段から黒ばかり着ているので、ドレスも黒いものを着たかったんです。当日着たのはトム フォードTOM FORD)のドレスなのですが、私がパリコレ中に明君がサプライズで買ってくれていました。

島津 ルックブックのホームページに彼女の顔をコラージュしていって、似合いそうなドレスを選びました。スタイリストの吉田さんと決めて、フィッティングも無しでしたが、サイズがぴったりでした。

――沙希さんは「こういうドレスがいい」という意思は伝えていたのですか?

中島 まったくです。そういうこだわりはまったくないのと、信頼している人たちが選んでくれたものだったら、なんでも嬉しいですし、間違いはないので。

――白いドレスのブランドは?

中島 実は仕事でバタバタしていたこともあって、式の2週間前まで決まっておらず。仕事柄ドレスは着たこともあり、自分の身体に合うマーメイドが理想でした。見つかって良かったです!ヴェールは福岡の頃お世話になったドレスショップ「Quantize」さんにお願いさせていただきました!

島津 僕がトム フォードのドレスを購入していたので、スタイリストさんに黒と白でコントラスをつけた方がいいというアドバイスをいただいて、ウェディングドレスは本人の好きなものを着て欲しいなと思ってました。

中島 トム フォードのドレスがハイネックで首元が詰まっていたので、白いドレスは肌を出してスッキリさせて下半身にボリュームがあるマーメイドの方がいいのではという話になったんです。着てみて似合う、似合わないというのはありますけど、私自身は意外とこだわりがないので、信頼しているスタイリスト、ヘア、メイクさんと話し合って決めてくださって間違いないなと。

――島津さんが着られたタキシードもトム フォードとか?

島津 いいえ、僕こそサイズが合うものでお願いします。という感じで見つけていただいたのディオール オム(DIOR HOMME)でした。身体にピッタリだったので即決でした!

――婚約指輪もないと伺っているのですが?

中島 指輪の代わりにネックレスをもらったので、婚約ネックレスはあります。

島津 プロポーズをしようと決めたときに、1泊3日でジャワ島に旅行に行ったんです。東京だと日常感がありすぎて、恥ずかしくてできないなと思ったので。本来だったら、そのときに指輪を買って持っていくんでしょうけど、わざわざ海外に行ってプロポーズをするのに、東京で買えるものを持って行っても特別感がないなと思ったんです。僕たちが宿泊した アマンは、その土地オリジナルの民芸があるんですけど、その民芸がすごく素敵だったので、「このネックレスを思い出に買って帰ろう!」と彼女が気に入っていたので、サプライズでプレゼントして婚約ネックレスという形になりました。

中島 結婚式でネックレスを着けたいと思っていたので、黒のドレスにバッチリ似合っていて嬉しかったです。結婚指輪はお世話になっている、シハラSHIHARA)の方に作っていただきました。結婚指輪もそれぞれ好きなデザインにしようという話でしたが、偶然同じデザインを選んでいたので、お揃いに。私だけ内側にダイヤモンドが入っていてお気に入りです。

最大限のこだわりは食事と引出物

――人前式も、歓談&食事をした後に行ったそうですが、なぜそういう流れを選んだのでしょうか?

中島 あくまでも私たちがホスト側という意識だったので、歓談をした後の方が、みんなも和んでリラックスをしてもらってラストに人前式の流れがより暖かい時間になるといいなと思いました。先に食事会だったので、新郎新婦の入場みたいなのもせず、私たちが先に会場に立ち、ゲストのみなさんを迎え入れるというスタイルにしました。みなさん驚かれていて面白かったです。

――ゲストが主役という点で、二人がこだわったことは?

中島料理と引出物ですね。お料理に関しては、プランナーの方がウエディングケータリングの凄腕シェフ水野健児さんを紹介してくれたんです。実は会場となった場所が冷蔵庫、冷凍庫使用禁止で、IHヒーターが1個しかなかったんです。でも、その凄腕シェフだったら、IHヒーター1つで100人前の料理が作れるというのを聞き、さらにその方もたまたま私と同じ福岡出身の方だったので、福岡に帰ったときに二人で、そのシェフのお店に食事に行ったんです。お料理はもちろんですが、人柄もとにかく素晴らしい方だったので、ぜひ!とお願いさせていただきました。

島津 当日は高砂のテーブルをなくしたので、僕たちの食事はなかったんですけど(笑)。みんな美味しいって喜んでもらえてよかったです!

中島 みんなに食事を楽しんでもらっている間、私たちはワインを持ってテーブルを回り、みんなとおしゃべりをしていました。私はそのときに、「これおいしいよ」とゲストの人たちからちょっとずつご飯をもらっていたので、味わうことができました。

島津 引出物は木村硝子さんという老舗グラスメーカーさんにお願いをして、何種類かグラスをオーダーさせていただきました。僕はカメラマンを生業としていますが、友だちとギャラリーもやっていて、そこで、木村硝子さんの方と知り合いになったんです。そのご縁もあり、引き出物も懇意にしている方にお願いしたいね!ということで、木村さんに連絡させていただきました。

中島 お酒飲む人はこれとか、飲まない人はこれ。ファミリーにはこれ。という感じで、ゲストそれぞれ違うデザインを2人でセレクトしました。

――ちなみに、式では余興やケーキカット的なこともされなかったんですか?

島津 はい。全部やってないです。その分ゲストとの時間、家族との時間を多く設けました。家族への手紙、友人代表スピーチもそれぞれお願いして親友にお手紙書いてもらったり。

中島 私は唯一、絶対にバージンロードだけは歩きたかったので、それだけはやりましたが、あとはずっとご歓談タイムでした。その中で、例えば式に来てくださった人たちの中からこっちで勝手にピックアップした人にスピーチをしてもらうという無茶ぶりをしたり(笑)。今回丸山礼ちゃんが司会をしてくれたので、みんなの席を回って面白回答を引き出してくれたり。バラエティ力満載のトークイベントみたいな感じで、最高に盛り上がりました。また、最初からご歓談が長い式になることは分かっていたので、みんなに席札にメッセージを書いてもらって回収するということはしました。

島津 席札って本来式が終わったら捨てるじゃないですか? それだったらメッセージを書いてもらって、僕たちの記念にしようということになって、席札に余白を持たせて、メッセージを書けるようにデザインしてもらったんです。

中島 みんなにも楽しんでもらえるし、私たちはいい思い出になる。せっかくデザインしてもらったものを捨てずに済むので、これはすごく良かったよね? あとは明君がカメラマンなので、思い出をポラで撮ろうと言って会場中を回って撮影をしまくっていました。

島津さんが会場内で撮ったポラロイド。
島津さんが会場内で撮ったポラロイド。

島津 ポラロイドの風合いがすごく好きなんです。それに、デジタルはいっぱい撮ってもらうので自分たちで撮らなくてもいいかなって。

中島 結果的に、理想としていたホームパーティーのような式になったので、理想の式が挙げられたと思っています。式中に自由に移動してゲストと話したり写真撮る時間を多く設けれたことによって、コミュニケーションの時間も増えて暖かい時間になって良かったです。これまで出会ってきてくれたゲストの皆さん同士も交流できたり、みんなが喜び、楽しんでくれたことが何より嬉しいです。

ゲストの集合場所の黒門、垂れ幕。そしてシンボルとなったロゴは、友人の入口健汰さんのデザイン。
ゲストの集合場所の黒門、垂れ幕。そしてシンボルとなったロゴは、友人の入口健汰さんのデザイン。

Photos: Yuta Hiruma Text: Rieko Shibazaki Editor: Saori Yoshida

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