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脳を老化させる【ダメ習慣】倍速で動画を見る、毎日同じルートで帰る、寒い部屋で過ごすetc.

  • 2024.12.25

あなたの「脳の老化タイプ」をチェック!

脳の老化は遺伝の影響が60%、環境要因が40%!

教えてくれたのは……
西 剛志さん

脳科学者・分子生物学者。博士号を取得した後に特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウをレクチャーし、才能を引き出す方法を提供している。テレビや雑誌、WEBといったメディア出演や講演など多角的に活動し、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム刊)をはじめ著書も多数。

西 剛志さん

脳の老化は、約60%が遺伝的要因、約40%が後天的な環境要因によって決まるとされています。つまり、思わぬ生活習慣が老化を招いたり、進行させたりしている可能性が高いということ。とくにスマホやストレス、食事などは脳への影響が大きく、20代30代でも安心できません。老化は高齢になってから一気に進むわけではなく、若い頃からの積み重ね。逆に、NG習慣を改善することで老化スピードを遅らせることができるため、今のうちから日々の行動を見直していくことは非常に大切です。しかし、『やらなきゃいけない』と義務に感じて何かを大きく変えることは、脳にストレスを与えることにもなりかねません。小さなことから、できる範囲で始めてみましょう。


ダメ習慣1:長時間ショート動画を見続けている・動画を倍速視聴している

西 剛志さん

ショート動画を見続けたり、倍速視聴が習慣化したりしていると、脳の『前頭前野(ぜんとうぜんや)』にダメージを与えます。前頭前野は、記憶や感情をコントロールする部位で、大量の情報を処理するときに働く部分。仕事に没頭しているときもそうですが、スマホの動画視聴などで前頭前野を酷使し続けていると、脳は休む暇がなく疲れきってしまいます。物理的にも脳が萎縮して自分をコントロールできなくなり、キレやすくなったりすぐにイライラしたりすることも。最近は、“脳疲労”が起きている20代30代も増えているため、スマホとの付き合い方は見直す必要があります。そして、前頭前野を休めるには、あえて“ボーッとする”時間を設けることが大事。入浴中でもいいですし、雲を眺めるなどでもOK。ボーッとすると、脳内では前頭前野が休めていると同時に、前頭前野以外の大部分が活性化しています。他にも、脳疲労には好きな香りを嗅ぐことも効果的。アロマやフレグランスなどで意図的にリフレッシュしましょう。


ダメ習慣2:食事中や入浴中もスマホを手放さない

西 剛志さん

スマホを見ているとき、脳内ではやる気ホルモン『ドーパミン』が出ていて、適度な刺激を与えてくれています。しかし、四六時中スマホに没頭していると、ドーパミンが分泌され過ぎて枯渇し、モチベーションの低下を招くことも。とくに、食事中や入浴中もスマホを手放せなかったり、人と話しているときにスマホを操作したり、“ながらスマホ”は避けるのが賢明。マルチタスクによって脳が疲れてしまい、集中力も散漫になります。スマホをあえて見ない時間をつくる、寝る前は見ないなど、スマホと少し距離を置く意識を。常に“通知をオン”にしている人は、それも併せて見直して。


ダメ習慣3:寒い部屋で過ごすことが多い

西 剛志さん

脳年齢と室温には関連性があり、部屋の温度が18℃以下になると脳の老化が進んでしまうリスクがあります。寒い空間にいると血管が縮んでしまうため高血圧になりやすく、さらに血栓が詰まってしまうことも。高血圧は、脳老化をもっとも促進する要因の一つといわれ、脳に相当な負担がかかっています。若いときはまだ血管がしなやかな状態とはいえ、脳老化を予防するという意味でも室温にはこだわって。寒い時季でも18℃以上がマストです。


ダメ習慣4:毎日同じルートで通勤している

西 剛志さん

記憶の中枢と呼ばれる脳の『海馬(かいば)』には『場所細胞』という細胞があり、その名の通り、場所を専門的に記憶するもの。ずっと同じ場所にいたり、毎日同じルートで移動したりしていると、慣れが生じて場所細胞の働きがオフになってしまいます。すると、海馬の働きが衰えて、記憶力の低下を招くことも。そこで効果的なのが、新しい場所に行くことや寄り道をすること。場所細胞に刺激を与えることで海馬が鍛えられ、脳全体も活性化していきます。職場と自宅を往復する中でも、いつもと違う道を歩く、普段入らないコンビニに行くなど、積極的に寄り道をして“新たな発見”に目を向けてみて。たとえ同じ道でも、右側の歩道を左側に変えてみるだけでも、場所細胞は刺激されるんですよ。


ダメ習慣5:ストレスを抱えたまま発散できていない

西 剛志さん

ストレスも脳老化の大きな要因に。不安や執着、怒りなど、マイナス感情に支配される“悪いストレス”が増えると、脳は炎症を起こしやすくなります。加えて、ストレスによって血流が悪くなるため、高血圧を引き起こして脳老化を促進してしまいます。ストレスを感じたときは、席を立ったり、部屋を移動したり、まず場所を変えることが第一。これには、先述の“海馬を鍛える”こと以外にも、前頭前野も活性化して物事を冷静に見られるようになるという利点があり、ストレス対策に即効性があります。また、趣味など好きなことに没頭する時間をつくり、意識的にストレスリリースを。中でも、推し活やスポーツ観戦して応援することは、活力をアップさせる男性ホルモンや、やる気ホルモン『ドーパミン』の分泌を高め、脳を元気にしてくれます。生きがいがある人は年齢を重ねても脳の認知レベルが高いことが多く、脳科学的にも効果的。手作業が好きな人は、刺繍など無心で取り組めることもおすすめです。


ダメ習慣6:食事は大体うどんやそばなどの麺オンリー

西 剛志さん

これは決して、“うどんやそばなどの麺類が脳に悪い”ということではなく、“麺ばかり食べて副菜をほとんど食べない偏った食事”がNGだということ。認知レベルと食生活の関連性を研究したデータから、いろいろな食材をバランス良く食べることが、脳にとって重要だということがわかっています。毎日のように麺だけで完結した食事を続けていると、脳の認知レベルが衰える可能性も。“ランチはいつも同じ店でお決まりの麺”という人は気をつけましょう。最近は、タイパ重視で食事のメニューを選ぶのが面倒くさい……という人も増えていますが、新しい食材を取り入れたり、普段と違うものをオーダーしたり、好奇心旺盛に食事を楽しむことは、脳にとってメリットだらけ。たとえば、毎朝ヨーグルトを食べているという人は、銘柄を変えてみるだけでも脳にとっては意味のあることなんです。


ダメ習慣7:肉など、動物性タンパク質はあまり食べない

西 剛志さん

動物性タンパク質を摂らないと、脳の血管が詰まりやすくなり、脳梗塞のリスクが増えてしまうというデータが。血管をしなやかに保つためにも、動物性タンパク質は必須です。また、肉や牛乳などの動物性タンパク質には、やる気ホルモン『ドーパミン』の原料である『チロシン』や、リラックスホルモン『セロトニン』を生み出す『トリプトファン』など、多様なアミノ酸が含まれます。動物性タンパク質から必要なアミノ酸を取り込めなくなると脳内物質をつくることができなくなり、認知機能の低下を引き起こすことも。もちろん植物性タンパク質を含め、さまざまな食材をバランスよく摂ることが大前提ですが、日頃から動物性タンパク質の摂取も意識しましょう。


ダメ習慣8:音楽や動画を視聴するとき「大音量」が鉄板

西 剛志さん

大きな音を聞き続けていると、耳の鼓膜細胞が破壊されて難聴につながります。難聴で耳からの刺激がなくなってしまうと、脳には変性が起こり、確実に脳は老化していきます。難聴は高齢者だけではなく、若者にとっても他人事ではない問題。実は、世界では11億人もの『若年性難聴』がいるとされ、WHO(世界保健機関)から勧告が出ているほど。とくに、電車の中など外出中はいつもイヤホンで爆音を聴いている、家でヘッドセットをつけてゲームをするときは常に大音量、という人は、今すぐ改善することが急務です。聴覚は、失われるとなかなか元に戻りません。外ではノイズキャンセリングのタイプを用いる、できるだけ音のボリュームを下げるなど、日頃から耳をいたわる習慣を。


ダメ習慣9:勉強しない・本を読まない

西 剛志さん

脳の認知機能を衰えさせる要因はいくつか挙げられますが、20代30代にとって大きな影響を与えるのが学習。新しい情報を取り入れることは生涯を通じて大切ですが、若い頃から勉強しない、本を読まないことが日常化していると、脳の機能がどんどん低下していきます。資格や語学の勉強をする、本や新聞を読む、ニュース番組を見るなど、積極的に学びに取り組むことで、脳の働きを高めていきましょう。これまであまり勉強してこなかったという人も、今から始めれば効果を得ることができますよ。


ダメ習慣10:人とのコミュニケーションは最小限

西 剛志さん

人とのつながりがない、腹を割って話せる友達がいないなど、孤立は脳老化の危険性を高めます。コミュニケーションは脳老化を遅らせるにあたり非常に大切で、人間関係の満足度が高いと、認知機能も幸福度もアップ。人は、他者とのつながりを感じた瞬間に脳内で愛情ホルモンである『オキシトシン』が出て、脳を活性化させる効果があるからです。また、新しい人間関係を構築することも、脳にいい刺激を与えてくれます。とはいえ、人づきあいが苦手な人は、無理やりコミュニケーションをとろうとするとストレスが増えるだけなので、好きな人の動画を見るといった推し活でもOK。推している相手との間接的なつながりを感じることができるため、脳にとっていい影響が。また、犬や猫など、動物と触れあうのも◎です。


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脳老化診断

イラスト/本田佳世 取材・文/橋場鈴里

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