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渥美清さん主演映画8作品を一挙ノーカット放送 「男はつらいよ」シリーズ、列車シリーズ、拝啓シリーズの見どころを紹介

  • 2024.12.25
「男はつらいよ」より (C) 1969/2019 松竹株式会社
「男はつらいよ」より (C) 1969/2019 松竹株式会社

【写真】列車の乗客の前で笑顔でポーズをとる渥美清さん“青木吾一”

BS松竹東急(全番組無料放送・BS260ch)では“新春・渥美清特集”と題して、喜劇史に残る渥美清さんの主演映画8作品を2025年1月1日(水)より一挙ノーカット放送する。そこで本記事では、今回放送される“寅さんシリーズ”の第1作目「男はつらいよ」をはじめ、“列車シリーズ”や“拝啓シリーズ”など、各作品のあらすじや見どころを紹介していく。

「男はつらいよ」シリーズの第1作&第2作を“4Kデジタル修復版”にて放送

1月1日(水)夜8時からは、山田洋次監督による「男はつらいよ」(1969年)の4Kデジタル修復版を放送。人情喜劇として“フーテンの寅”こと車寅次郎が活躍する本作。20年ぶりに故郷である柴又に帰ってきた寅さん(渥美さん)は、妹・さくらの縁談にひと肌脱ごうと張り切るが、空回りしてぶち壊してしまう…。また作中では、冬子(光本幸子さん)という女性に寅さんが恋をする様子も描かれる。寅さんのハチャメチャっぷりや、本作でマドンナを演じた、当時映画初出演となる光本さんの初々しい姿に注目だ。

1月2日(木)夜8時からは、寅さんが産みの母親を尋ねるシリーズ第2作目「続・男はつらいよ」(1969年)の4Kデジタル修復版を放送。1年ぶりに帰郷し、恩師の散歩(東野英治郎さん)とその娘・夏子(佐藤オリエ)と再会を果たした寅さん。しかし酒を酌み交わすうちに胃痙攣を起こし入院。さらに病院を抜け出し無銭飲食、警察沙汰になるという始末…。再び故郷を出た寅さんは京都で夏子と偶然再会すると、散歩の薦めで母親に会いに行くのだが――。本作では、寅さんの産みの親(ミヤコ蝶々さん)が経験した苦労が偲ばれるような繊細な演出や、散歩と夏子の心温まるエピソードなど、登場人物のヒューマンドラマにフォーカスしている点が見どころとなっている。

「続・男はつらいよ」より (C) 1969/2019 松竹株式会社
「続・男はつらいよ」より (C) 1969/2019 松竹株式会社

ハチャメチャな喜劇をノンストップで描く“列車シリーズ”

1月3日(金)夜8時からは、“列車シリーズ”第3作目となる「喜劇 初詣列車」(1968年)を放送。東京と新潟間の上越線急行列車の車掌である上田新作(渥美さん)は、妻の幸江(中村玉緒)、娘の毬子と平凡で幸せな生活を送っていた。ある時、先輩専務車掌である野々宮太平と勤務中だった新作は、幼馴染で初恋の相手である坂本美和子(佐久間良子)と偶然再会を果たす――。初恋の相手と再会したことで、幸江と美和子が新作の争奪戦を繰り広げる本作。東京からはじまり新潟の雪、上越湯沢のいで湯とスキー、そして伊勢の初詣…と、“列車シリーズ”らしい情感漂う一作に仕上がっている。

1月6日(月)夜8時からは、“列車シリーズ”第1作目となる「喜劇 急行列車」(1967年)を放送。特急列車の専務車掌である青木吾一(渥美さん)は、車掌歴20年のベテラン。彼は乗車する特急さくら号で検札にまわり、乗客の中にかつての想い人・塚田毬子(佐久間良子)の姿を発見する――。東海道を突っ走る長距離特急列車を舞台に、さまざまな人が描き出す人生模様を綴る本作。ちゃっかり美人やインチキな紳士、おとぼけなスリに失踪した花嫁、そして赤ちゃんの誕生など、次から次へと飽きのこない登場人物や展開が描かれる。

1月7日(火)夜8時からは、“列車シリーズ”第2作目となる「喜劇 団体列車」(1967年)を放送。四国を舞台にした本作では、愛媛県奥道後温泉からほど近い伊予和田駅で勤務する山川彦一(渥美さん)が主人公。30歳で母親のお杉と2人暮らしの彦一は、3回ほど助役試験を受験するものの、未だに旅客係どまり。そんな折、彦一は列車に乗ってきた迷子の面倒を見ることになる――。赤字ローカル線の団体客獲得に、彦一の助役試験、そして迷子の世話など、“頭痛のタネ”満載の日常が描かれる。渥美さんをはじめ、城野ゆき、由利徹さん、笠智衆さん、小沢昭一さん、佐久間良子といった喜劇人たちによるテンポの良い演技も見どころの一つだ。

「拝啓天皇陛下様」より (C) 1963 松竹株式会社
「拝啓天皇陛下様」より (C) 1963 松竹株式会社

野村芳太郎監督×渥美清さんによる人情喜劇“拝啓シリーズ”

1月8日(水)夜8時からは、渥美さんの「男はつらいよ」以前の代表作となる「拝啓天皇陛下様」(1963年)を放送。主人公の山田正助(渥美さん)は幼いころに両親と死別し、悲惨な生活を送っていた。そんな正助にとって、“お腹いっぱい3度の食事がとれて、さらに俸給までもらえる”という軍隊はまさに天国で、それもみな天皇陛下のおかげだと考えるようになる。やがて2年の月日が流れ、正助はついに除隊の日を迎えるが――。シリアスな作品が多い戦争映画の中で、天皇を素朴に愛し続けたことから巻き起こる人情物語。渥美さん、長門裕之さん、中村メイ子さんらキャスト陣と野村芳太郎監督による、おかしくも哀しい戦争ヒューマンコメディとなっている。

1月9日(木)夜8時からは、“拝啓”シリーズ第2作目「続・拝啓天皇陛下様」(1964年)を放送。“拝啓ブーム”を巻き起こした第1作目の続編となる本作。山口善助(渥美さん)は幼い頃、家族が拾った魚を食べたことで全員死んでしまい、その魚にありつけなかった善助だけが生き残った。1人きりになってからは貧困と差別にあえぎながら暮らしていた善助だったが、ある日念願の召集令状が届き、彼にとって“天国”である軍隊で過ごす。しかし終戦を迎え、善助は“地獄のシャバ”へ戻ることになる――。タイトルに“続”とあるが、実際には人物や物語の背景が一新されている本作。主人公・善助の恋愛模様も描かれており、庶民的な主人公が“高嶺の花のような美女に恋心を抱く”という設定は、「男はつらいよ」シリーズを彷彿とさせる。

1月10日(金)夜8時からは、“拝啓”シリーズ最終章となる「拝啓総理大臣様」(1964年)を放送。主人公は職を転々とする売れない漫才師・鶴川角丸(渥美さん)。昔の相方であるムーラン(長門裕之さん)は超売れっ子になっており、角丸はまたステージに立ちたいとムーランを訪ね東京へ向かう。しかし彼は仕事や浮気で忙しく、角丸に構っている暇はないようで――。本作は、所得倍増計画やオリンピック準備騒動、中小企業の相次ぐ倒産など、公開当時の世相を強く反映しているため、当時の人々の暮らしがよりリアルに感じられる一作と言えるだろう。

「続・拝啓天皇陛下様」より (C)1964 松竹株式会社
「続・拝啓天皇陛下様」より (C)1964 松竹株式会社
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