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大人が意外と解けない「1111÷9」→暗算できる?

  • 2025.1.31

足し算や引き算に比べて、割り算は暗算しづらいという人は多いでしょう。

特に割られる数が大きい割り算は、筆算を使っても答えを出すのに手間取るものです。

しかし、「9で割るタイプの割り算」には便利な暗算方法があるのをご存じでしょうか?今回の問題も、この暗算方法を使えばすぐに答えが出ますよ。

問題

次の計算をしてください。計算の結果は整数で答え、余りも出してください。
1111÷9

※制限時間は10です。

解答

正解は、「123あまり4」です。

1234と数が順番に並んだきれいな答えになりましたね。

では、制限時間内に暗算する方法を、次の「ポイント」で確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントとなる暗算方法は、「割られる数の桁を順番に足す」というものです。

これは、インド式計算法の一種として知られているもので、具体的には次のように計算をします。

四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す

1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
4.余り=a+b+c+d

※計算の途中で繰り上がりがある場合は、このままでは計算できないので注意してください。

では、さっそく、この暗算方法を使って、今回の問題を計算してみましょう。

問題式:1111÷9

1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=1
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=1+1=2
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=1+1+1=3
4.余り=1+1+1+1=4

びっくりするほど簡単に答えが出ましたね。

暗算方法が成り立つ理由は?

問題の答えが出たところで、どうしてこのような暗算方法が成り立つのか、考えてみましょう。

四桁の数を表す1000a+100b+10c+dという式を、9の倍数が現れるように変形していきます。変形する部分を強調した太字部分に注目してください。

1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)

9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)を9で割ると、答えは100a+10(a+b)+(a+b+c)になり、あまりが(a+b+c+d)になります。

先に紹介した暗算方法と一致しますね。

まとめ

今回の問題では、9で割るときの暗算方法について紹介しました。

この方法を覚えておけば、筆算するよりも早く、暗算で答えが出せるでしょう。ぜひ、いろいろな数を9で割って、暗算方法の威力を確認してみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。