計算問題に挑戦するときは、「どうすれば楽できるのか」を考えてみましょう。できるだけ面倒な計算を回避することで、効率が上がり、計算ミスをするリスクも減っていきます。
さて、今回の問題はどうやって計算すると「楽できる」でしょうか。
問題
次の計算をしなさい。
7+8−7×8÷7
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「7」です。
左から計算してもそこまで負担が大きい問題ではないですが、工夫をすることでよりスピーディーに答えを出せますよ。
次の「ポイント」で、この問題に使える計算の工夫を確認してみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは「掛け算と割り算を一気に計算すること」、そして「計算の順序を変えること」です。
この二つの工夫をすることで、次のように簡単に答えを出せるようになります。
7+8−7×8÷7 ←掛け算と割り算を一気に計算する(7×8÷7=8)
=7+8−8 ←8−8から計算する(8−8=0)
=7
どうしてこのように計算が可能なのか気になる人は、以下のステップごとの解説をご覧ください。
ステップ1:掛け算と割り算を一気に処理する
まず、この問題は冒頭の足し算からスタートしてはいけません。掛け算や割り算は足し算や引き算より優先して計算するというルールがあるためです。そのため、「7×8÷7」から計算します。
掛け算と割り算の優先度に差はありませんが、一般的には左から順に計算します。そのため、「7×8」を計算後、「÷7」をすることになります。
ただし、今回は掛け算の掛けられる数と割り算の割る数が同じ7になっています。このように、掛け算の直後に掛けられる数で割ると、その答えは掛ける数になります。
■×▲÷■=▲
<成り立つ理由>
■×▲÷■
=(■×▲)/■ ←割り算を分数で表し、■で分子と分母を約分する
=▲/1
=▲
つまり、「7×8÷7」の答えはすぐに8だと分かるのです。
7+8−7×8÷7 ←掛け算と割り算を一気に計算する(7×8÷7=8)
=7+8−8
これで式は足し算と引き算だけになりました。
ステップ2:計算の順番を変える
次に計算の順番を変えて、時間を節約することを考えましょう。
「7+8−8」という式では、「8−8」という同じ数どうしの引き算(答えが0)を先にすると、とても計算が楽になります。
計算の順序を変える際に使えるのが、結合法則です。
<結合法則>
足し算や掛け算では、計算の順序を変えても答えが同じという法則
(◎+▲)+■=◎+(▲+■)
(◎×▲)×■=◎×(▲×■)
結合法則は足し算と掛け算に使えますが、引き算や割り算には使えません。そこで、以下のように式を変換します。
7+8−8
=7+8+(−8)
−8を「+(−8)」の形に変えることで、式は足し算のみで構成されるようになります。これで、結合法則が使えるようになりました。
7+8+(−8)
=7+{8+(−8)} ←8+(−8)の部分を先に計算する
=7+(8−8) ←+(−8)を−8に再変換
=7+0
=7
少々ややこしく見えますが、慣れてくると「7+8−8」を見たときに8−8から計算できるとすぐ判断できるようになりますよ。
まとめ
どのような工夫をすると計算が簡単になるか分かったでしょうか。
今回の問題は数が小さいため、工夫をしなくても計算にあまり時間はかからなかったかもしれません。しかし、この問題で紹介した工夫は式の数字が大きくなっても同じように使えます。
大きな数の計算に直面したときのためにも、ぜひ計算方法を理解して、使いこなせるようになっておきましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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