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救急車は有料化すべき?鳴り止まぬ“不急な119”に「有料化大賛成」「呼びにくくなるので反対」

  • 2025.1.9
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出典:photoAC(画像はイメージです)

昨今、「交通手段がない」「平日に休めない」といった緊急性のない理由で救急車を呼ぶケースが増えており、その影響もあって、“救急車の有料化”が注目を集めています。

SNSでは「救急車は有料化を進めましょう」「救急車の有料化は大賛成」など支持する声も多い一方で、「断固反対」など否定派の意見も見られます。

はたして、救急車は有料化すべきなのでしょうか?それとも、するべきではないのでしょうか?

松阪市では2024年6月~8月限定で選定療養費の徴収を開始

原則として、救急の患者は選定療養費の対象外とされています。しかし、三重県松阪市は2024年6月1日から3か月間(令和6年6月から8月)という限られたモニタリング期間で、三基幹病院(松阪中央総合病院、済生会松阪総合病院、松阪市民病院。以下「三病院」)において、入院に至らなかった軽症者を対象に、救急搬送時の選定療養費の徴収を開始しました。

また、茨城県も2024年12月2日から、救急車要請時の緊急性が認められない場合、一部の大病院において選定療養費を徴収することに。

従来救急の患者は選定療養費の対象外とされていたにもかかわらず、なぜ上記の取り組みが開始されたのでしょうか?松阪市公式ホームページで公開されている「三基幹病院における選定療養費について」によると、

医療機関は、その機能と規模によってその地域で担う役割が異なっています。たとえば、地域の医院や診療所等のかかりつけ医では、がんや心筋梗塞等の手術はできません。
どのような症状なら大きな病院を受診すべきか、また、どのような症状なら地域の医院・診療所等で対応可能なのか、自己判断できず迷うケースも現実問題として存在します。
そうした場合に、「心配だからとりあえず三病院に行こう」ではなく、「まずは、かかりつけ医や地域の医院・診療所等へ」そして「かかりつけ医が必要と判断した場合は三病院へ紹介」という機能分担・相互連携を行うことが、この選定療養の制度です。

「三基幹病院における選定療養費について」松阪市

とのこと。実際に、上記の取り組みを行ったことにより「救急出動件数、救急搬送件数が、2割減少」「1日50件以上救急出動があった日が、8割減少」など、さまざまなメリットが確認できたそうです。

緊急性のない理由で救急車を呼ぶ人がいる

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出典:photoAC(画像はイメージです)

総務省消防庁は、「交通手段がない」「平日に休めない」「どこの病院に行けば良いかわからない」「便利だから」など、症状に緊急性がない理由でも救急車を呼ぶ人がいると発表しています。

東京消防庁公式Xアカウントを確認してみると、救急車の出動率が高い状況であることを示す「#救急車ひっ迫アラート」が毎日のように発令されています。本当に必要な方が救急車を利用できるようにするためにも、自分のケースでは救急車を呼ぶ必要があるか否か、受診する前に考えてみたほうが良いでしょう。

消防庁は、『救急車を上手に使いましょう~救急車 必要なのはどんなとき?~』というパンフレットを公開しています。「ためらわずに救急車を呼んでほしい症状」について詳しく書いてあるので、参考にしてみてください。

また、たとえば、総務省消防庁は救急車を呼ぶべきか否か判断に迷った場合、「#7119 救急安心センター」や「#8000 子ども医療電話相談」に相談することを推奨しています。

ほかにも、総務省消防庁が開発した全国版救急受診アプリ『Q助は、「急な病気やけがをした時に、病院に行くタイミングや救急車が必要なのか判断に迷った場合に、症状を画面上で選ぶだけで、緊急度に応じた対応を支援」してくれるそう。アプリは無料で公開されているため、スマートフォンがあればどなたでも利用することができます。

救急車の有料化を賛成する声は多い

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出典:photoAC(画像はイメージです)

救急車の有料化についてSNSを調べてみると、想像以上にたくさんの方々が賛成の声をあげていました。

救急車有料化大賛成
救急の人は大変だと思う。近所の消防署もほぼいつも救急車が出勤中。有料化すればいい。
救急車の有料化は必須
2025年内に救急車を有料化して欲しい

今後さらに救急車の有料化を望む声が増えていけば、松阪市や茨城県のような取り組みをする自治体も現れることもあるでしょう。そうすれば、救急医療体制の現状にも変化が生じるかもしれません。

救急車の有料化に反対、または別の方法を提案する方も

一方で、救急車の有料化に反対の声をあげている方もいらっしゃいました。

救急車有料化については、絶対にお金なくて呼ばない(呼べない)人が出てくるので反対の意見
救急車が有料化されると、まさに救急車が必要であろう本人意識不明(or曖昧)な状況で第三者が救急車を呼びにくくなるので、単純な有料化には反対
単純な有料化には反対
倒れている人を見かけても誰も救急車を呼ばなくなったりしないかな
有料化反対、ふざけた理由で救急車を呼ぶ人処罰するはずなのに、普通に使う人への処罰になってしまいますから。

救急車の有料化を実施することで、金銭面などさまざまな問題から、緊急性が高くても呼ぶことを避けてしまう方が現れる可能性もあるでしょう。

その結果症状が重くなったり、時には命を落としてしまう方が出てしまうようなリスクを考えると、救急車の有料化を導入することは難しいのかもしれません。

また、救急車を有料化するのではなく、「罰金制にしては?」等と別の方法を提案されている方もいらっしゃいました。

救急車の有料化とか当たり前に反対なんだけど明らかに悪質な利用者から罰金を取るのはありなのでは?と思う

みなさんは、救急車を有料化するべきだと思いますか?

今回は、救急車は有料化すべきか否かについて、SNSのコメントを参考に考察を深めました。

賛成の声が多数寄せられている一方で、さまざまな観点から反対意見もあがっているようです。救急車の有料化ではなく、別の方法を提案している方もいらっしゃいました。

みなさんは、救急車を有料化するべきだと思いますか?