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唯一無二の空気感を持つさまぁ~ずが国民的にゆる~く、なが~く愛される理由

  • 2024.12.25
さまぁ~ずが国民的になが~く愛される理由 (C)2024 HORIPRO INC.
さまぁ~ずが国民的になが~く愛される理由 (C)2024 HORIPRO INC.

【写真】三村のツッコミが聞こえてきそうなライブ中のワンカット

三村マサカズと大竹一樹のお笑い芸人コンビ・さまぁ~ず。もはや国民的芸人の一角ともいえる、芸歴36年を超えるベテランだ。しかし間違いなく大御所芸人である2人からは、どこか威厳よりも親しみやすさを感じてしまう。“隣にいそうなおじさんコンビ”さまぁ~ずの魅力を、いま改めて探っていく。

ゆる~いコンビ名の由来は番組企画

さまぁ~ずの芸歴は長く、コンビ結成は1988年にまでさかのぼる。高校時代の同級生同士でコンビを組み、初期のコンビ名は“バカルディ”。

そんな「バカルディ」が「さまぁ~ず」になったのは、2000年にTV番組「新ウンナンの気分は上々。」の企画がきっかけ。改名にあたっては「ふざけた名前にしよう」ということで、小さい“ぁ”や“~”といったワードを入れることに。ちなみにその頃は仕事が増えだしていたタイミングだったため、2人は改名について「嫌だったのよ」とのちに語っている。

バラエティーの企画で改名…という破天荒な騒動があったためか、改名を機に同業者からの覚えもよくなって仕事には繋がったそう。大ブレイク前に名前が変わったため「さまぁ~ず」のほうが認知度は高いが、不本意な名前だったというのは驚きだ。

ただ結果論になってしまうが、いまとなっては“バカルディ”より“さまぁ~ず”のほうが2人の雰囲気にはしっくり来ているように思う。「バカルディ」といえば有名な蒸留酒の名前が思い浮かぶだけに、ちょっと硬派な印象が先に来るからだ。2人のゆる~い空気感とのギャップも面白いが、やはり「さまぁ~ず」は“名は体を表す”の好例といえるだろう。

にじみ出るリラックス感の源泉

コンビ名にもにじみ出ることになった同コンビの“リラックス感”。その源泉は、高校から続く三村&大竹の仲の良さにある。業界関係者から寄せられるエピソードは、いまでも楽屋は同室、移動の新幹線も隣の席に座る、飲みの席でもいつの間にか2人が並んでいる…などなど、エピソードに枚挙に暇がない。

過去にはそうしたコンビの距離感について、「友達がたまたま同じ仕事をしてるだけ」とも語っていたさまぁ~ずの2人。コンビといえど、むしろいつでも2人セットのコンビだからこそ、長年同じ時間を過ごすうちに険悪な仲になることは多い。緊張感を持って仕事をしていれば、どこかで摩擦が起きるタイミングがあるのは自然な話だ。

しかし「コンビ=友達同士」というスタイルのさまぁ~ずにとって、そうした摩擦がいつまでも尾を引くことはない。芸能界には仕事ではなく「遊びで入ってきてる(笑)」と臆面もなく豪語するだけあって、芸歴36年を経てもまだ同業が驚く仲良しっぷり。そしてそんなさまぁ~ずの特徴が、すなわち彼らが長く愛される秘訣でもある。

プロとして“お笑い”を成立させるには、話すスピードや“間”を見極めるといったさまざまなスキルが必要だ。だがそうした技術は流行り廃り、見る側の感覚などによって淘汰されてしまうもの。しかし緊張感なく“友達がバカなことをしている姿”を見るようなゆるい空気感は、どんな世代もクスッとさせられるパワーを持つ。

さまぁ~ずのゆるさや自然体な芸風から伝わるリラックス感、見る側にも波及する脱力感は、忙しい現代においては大きな価値を持つ。さまぁ~ずが長く国民的人気を誇る理由を挙げるとすれば、“面白い友達のバカを見るような空気感”をおいて他にないだろう。

大御所になってもネタライブを続けるさまぁ~ず

さまぁ~ずの冠番組といえば2004年から続く「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」のほか、「モヤモヤさまぁ~ず2(通称:モヤさま)」が思いつく。初回放送は2007年で、両番組とも大長寿番組。さらに2024年にも、「ミュージックジェネレーション」でレギュラー番組のMCがスタートしている。

いまだテレビの第一線で活躍を続けるさまぁ~ずだが、実は活動の場はテレビだけではない。大御所となった2人だが、いまでも2年に1回のペースで単独ライブ「さまぁ~ずライブ」を実施しているのだ。

しかも同ライブは、がっつりコントが見られるネタライブ。流れを決めないトークライブも一期一会で楽しいが、大御所ともいえる立場のさまぁ~ずが毎回違うネタを用意してコントに臨むというのはかなり贅沢に思える。

ちなみにさまぁ~ずのコントは、2人のキャラクターからは意外にも思える“緻密に計算された”お笑いだ。「舞台を観ているような感覚になる」という声もあるほどで、オチを迎える頃にはもう一度観たくなる仕掛けも多い。

それでいてアドリブも多く、お互いが思わず相手のおふざけに笑ってしまうシーンもさまぁ~ずらしさ。飛び出す言葉だけではなく、ライブの雰囲気まで含めた“空気”によって笑いが腹からこみあげてくるのだ。

何度見返してもやっぱりクスッとさせられる同ライブは、Blu-ray&DVDで発売されている。最新作である2024年6月に開催された「さまぁ~ずライブ14」が11月20日に発売されたばかり。同商品は新作の長尺コントだけでなく幕間に上映された映像を含んだ88分のライブ、そして特典映像として36分のメイキング映像を収録している。

舞台へ行くのに越したことはないが、表情でボケることも多いさまぁ~ずだけに映像商品ならではの楽しみ方も。演者の顔がよりアップで見えることで発見できる“ゆるいボケ”もあるかもしれない。

“勢いとスキルで笑わせる”のではなく、“だらっとした雰囲気に笑ってしまう”スタイルのさまぁ~ず。“友達の楽しいバカ”にクスッと笑える間は、きっと彼らの笑いが飽きられることはないだろう。

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