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実家の会社が倒産し、“子供部屋おばさん”大ピンチ…結婚相手を見つけるべく取った最終手段に「思わず笑ってしまった」の声【作者インタビュー】

  • 2024.12.25
すねかじりアラサーの実家が破産してしまい... (C)磋藤にゅすけ/めちゃコミックオリジナル
すねかじりアラサーの実家が破産してしまい... (C)磋藤にゅすけ/めちゃコミックオリジナル

【漫画】もっと真面目に婚活しておけば…実家でマッチングアプリを続ける未婚アラサー女子の奮闘物語に「リアルでおもしろい」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、めちゃコミックにて掲載中の人気作品「すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記」をピックアップ。

作者の磋藤にゅすけさんが11月12日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて5000以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では磋藤にゅすけさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

未婚アラサーのコロナ破産奔走記

「すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記」より (C)磋藤にゅすけ/めちゃコミックオリジナル
「すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記」より (C)磋藤にゅすけ/めちゃコミックオリジナル

実家暮らしでなんとかやってきた、未婚のアラサー漫画家・磋唐にゅすけ。結婚して実家を出ればこの先も安心して暮らせると思いマッチングアプリを始めるも、3つ年上の男性に遊ばれてしまった。

しかし、結婚を諦めるわけにはいかず正月早々もマッチングアプリをしていると、両親から衝撃的な事実を告げられる。

「父さんの会社倒産するかもしれないから」

いよいよ追い込まれたにゅすけは、ある“最終手段”に出た…。

新型コロナの影響で実家が破産し、出会いもなくなってしまった婚活アラサー女子を描いた本作。読者からは「生き抜く姿に感動」「めちゃくちゃ励まされた」「年齢が近いから気持ちも分かる」「応援したくなった」など多くのコメントが寄せられている。

「かっこつけずにありのままの自分を描く」作者・磋藤にゅすけさんが語る創作秘話

「すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記」より (C)磋藤にゅすけ/めちゃコミックオリジナル
「すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記」より (C)磋藤にゅすけ/めちゃコミックオリジナル

――「すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

ちょうど次の連載は何を描こうかと考えていた時でした。父から破産の話を聞かされ、漫画を辞めた方がいいのか考えたりしたのですが、これを漫画にしないで何が漫画家か!と思いました。

破産の話を聞いた2~3日はパニックというか顔面蒼白でオロオロするしかできなかったのですが、徐々に母や父から我が家の事情を聞き出したり、両親の会話を録音したり、父の会社の通帳をこっそり見たり(笑)。

「よしこれなら企画として相談できる!」と思った段階で、以前めちゃコミックさんでエッセイ漫画を担当してくださった編集さんに連絡しました。のり気になってくださって安心しました。もちろんその後、両親にも漫画にする許可を得ました。

ネタができた!という気持ちもあったのですが、私の周りには私同様、不安を抱えながら生活している人が多かったので「おい!私を見ろ!不安を先送りにしていてもなくならないよ!ちゃんと不安は形になるよ!」という気持ちの方が大きかったです。

――磋藤にゅすけさんと同世代の読者から共感の声が寄せられていましたが、本作を描くうえでこだわった点があればお教えください。

かわいそうと思われない事、悲劇のヒロインにならない事、悲惨な話として描かない事でしょうか。この漫画は不幸の度合に焦点を当てるのではなく、「困った事が起きた時に何をするべきか。」という事を描きたかったので。

そのために必要な事は、「自分は何を不安に思っているのか」その不安の中身を覗き込んでみて一つずつどうするか考えて行動をしていく。そうすれば不安は無くなりはしないけど小さくする事はできるという事を伝えたかった。

あとはかっこつけずにありのままの自分を描く事にもこだわりました。同年代と比べて自分の現状が幼すぎる自覚はあって、破産の話が出るまでは人前で実家に頼って暮らしている事などやんわり話をそらしていました(笑)。

実家暮らしが悪いとは今も思いませんが、私の場合は本当に甘えていたので。そこを描かなくちゃ始まらない。不安を小さくするという事は自分自身と向き合う事でもあるのでそういう意味でもありのまま描かなければと思いました。

――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

5話の、父がさらに借金を重ねようとしたので諦めてマッチングアプリを始めるシーンです。もう一人の自分が「お前はなんで結婚したいんだよ?」と問いかけてきて「親や実家の代わりが欲しいから」という本音に気付くシーン。ここが当時の自分の一番かっこ悪い所なので...。

親がダメなら結婚って、それは結婚もお相手の事も舐めすぎじゃないですか。経済的に安心したいという理由で結婚すること事態には否定的な考えを持っていません。ただ、私の騒動については結婚で解決しようとするのは違うと思ったので、描いとかなくちゃダメだなと思って描きました。

担当さんに「これは刺さりますね!」とおっしゃっていただいた時はガッツポーズをしました(笑)

――普段作品を創作するうえで意識していることがあればお教えください。

自虐のバランスは気を付けています。自虐は全面的によくないとしてしまう風潮はよくないなと思うのですが、笑いを自虐に頼りすぎるのも、それはそれでどうなのって思うので...。

あとはエッセイでいうと、どこまで自分をあけっぴろげにするかのさじ加減です。前述の通り、自分の未熟さやかっこ悪い所とかは正直に描くべきだと思うんです。けど、あけっぴろげにすればするほどいいってもんでもないので。

パンツ脱げば脱ぐほど「私、おもしろいでしょー?私を見て見てー!!」ってなっちゃうのが怖くて。私は割とそういう素質があるタイプだし、暴走しないように自制してます(笑)。どこまで見せるか、ここまで描いてこの先描く作品が窮屈になってしまわないかなどは考えながら描いています。

――今後の展望や目標をお教えください。

エッセイは描きたいネタがあるので、もう一回やりたいです。ただ、エッセイ以外も描いていきたいです。

これまで描いてきた作品で反応が良かったのがエッセイだったので、エッセイを描いて行こうと思っていたのですが、よっぽどスタイルを確立しないい限り難しい事なんだと分かってきました。このままではエッセイのためにネタを作るというような、本末転倒な事になりそうなので...。

元は創作をやっていたので、創作もやっていきたいです。去年あたりから絵柄を頭身の低い絵柄から頭身の高い絵柄も描けるようにしたのですが、そしたら描けるジャンルが広がった気がします。まだまだ絵柄は未熟なのですが、この絵ならもっと幅広い作品が描けるなと創作意欲が沸いています。

あとは生生しい話をすると...色んなジャンルを描けた方がお仕事のチャンスをいただけますので。漫画への向上心は捨てず、尚且つ借金返済のために沢山お仕事がしたいですね(笑)。

――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いいたします。

私の読者さんはエッセイから私を知ってくださった方がほとんどだと思うので、エッセイを待ち望んでくださっている方はいらっしゃると思います。だけど、今は次に構想しているエッセイが確立するまでは創作を描いていきたいと思います。頑張っていますので、どうぞご贔屓に...!!

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