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【世界の七不思議】失われた神像「オリンピアのゼウス像」は誰が何のために作った?今はどこにある?

  • 2024.12.25

古代ギリシャの都市国家エリス(オリンピア)には、高さ約12mもの「ゼウス像」があったことがわかっています。これは古代ギリシャにおける芸術作品のひとつです。今回は、そんなオリンピアのゼウス像が、どのような目的で、誰が作ったのかや、この像が辿った数奇な運命をご紹介。ギリシャのオリンピアの歴史を学べる観光スポットも!

ゼウス像はなぜ作られたのか?

※画像はイメージです

ギリシャ神話の最高神であるゼウス。古代ギリシャの都市国家エリスでは、ゼウスを讃える祭りの一環として、紀元前776年に最初のオリンピックが開催されるなど、人々の文化に浸透していました。

今回のテーマである「ゼウス像」が作られたのは、紀元前6世紀に隣国のピサとの戦争にエリスが勝利したことがきっかけ。白星を勝ち取ったことを祝い、壮大な「ゼウス神殿」を建設することになり、その中心的な神像として祀られたのがゼウス像なのです。

古代の高名な彫刻家ペイディアスの指揮によって作られた像は、ゼウス神への敬意を表し、都市国家の権威と繁栄を示す象徴とするための意味が込められているとされています。

「ゼウス像」には象牙や金、宝石が使われていた!

※画像はイメージです

ゼウス像は玉座に腰かけていたにもかかわらず、高さは約12mあったとされます。立ち上がると頭が神殿の屋根を突き抜けてしまうほどの大きさだったとか。

金や象牙といった高級な素材が貼り付けられていたほか、目には貴重な宝石が使われていたそうです。

ゼウス像がたどった数奇な運命

オリンピアのゼウス像は何世紀にもわたり、巡礼者を魅了していましたが、古代ギリシャの衰退とともに、その運命にも変化が。

ギリシャがローマ帝国の支配下に入ると、徐々に人々の関心が薄れていったそうです。

そして4世紀末、キリスト教がローマ帝国の国教となると、異教の神像としてのゼウス像は危険視されるように。ゼウス像の破壊を恐れ、当時の東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の首都コンスタンティノープル(現・イスタンブール)に移されたといいます。

その後のゼウス像の運命は定かではありません。一説では、大火災により破壊されたとされていますが、その記録は残っていません。

ギリシャのオリンピアの歴史に触れられる観光スポット2選

ここでは、オリンピアの歴史に触れられる観光スポットを2つご紹介します。

オリンピックが行われていた神聖な地「オリンピアの考古遺跡」

オリンピアを訪れたら見逃せないのが「オリンピアの考古遺跡」です。紀元前8世紀から始まったオリンピックが行われた神聖な地であり、かつてゼウス像が安置されていたゼウス神殿の柱など基盤の一部を見学できます。現在もオリンピック聖火を採火している「ヘラ神殿」や古代の陸上競技が行われた「競技場」も必見ですよ。

貴重な遺品の数々が展示されている「オリンピア考古学博物館」

オリンピアの歴史についてさらに深掘りしたいのなら「オリンピア考古学博物館」へ! オリンピアの遺跡から出土した貴重な遺品の数々が展示されています。神殿を飾っていたゼウスの彫刻のほか、プラクシテレス作の『ヘルメスと幼いディオニュソス像』も鑑賞できます。

[参考]

世界の七不思議、金と象牙の巨大な「オリンピアのゼウス像」|ナショナルジオグラフィック

This missing Wonder of the World inspired countless modern imitations|NATIONAL GEOGRAPHIC

Britannica

[All photos by PIXTA]

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