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一週間たっても思い出す“生の芸術”を観る体験…バレエ「くるみ割り人形」でこうちゃんと特別なクリスマスを味わった日【室谷香菜子のいっくじ日記・番外編】

  • 2024.12.24

HBCアナウンサーの室谷香菜子(むろや・かなこ)が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、小学校入学までの1年間を”一句”(育)児日記につづります!

今回は、番外編!今年も残すところあとわずかとなり、クリスマスにお正月とイベントが続く季節ですね。
先日、6歳のこうちゃんと一足早く、クリスマス気分を味わうことができる特別な体験をしに行ってきました。

それが「バレエの鑑賞」!

札幌で2011年から開催されてきたWe Love Ballet 実行委員会による「Farewell『くるみ割り人形』」 を観劇してきました。

▼クリスマスの恒例行事に…札幌発、親子で観に行ける“生の舞台”バレエ「くるみ割り人形」の魅力

クリスマスの特別体験!こうちゃん「バレエ」を観る

Sitakke

この公演は、主催する方々の「子どもたちにこそ、生の総合芸術であるバレエにふれてほしい」「日々バレエの習い事を頑張っている子どもたちや、北海道のダンサーたちに活躍の場を作りたい」という思いで続けられてきました。

最近はオーケストラなどの音楽や幼児向けの映画については「親子で楽しめる」とうたうものも増えてきましたが、「バレエ」も「親子鑑賞」ができるなんて!

生の踊りと音楽と…舞台芸術に触れる機会にはあこがれはあれど、子育てしながらだとなかなか足が向かないのも本音…。

何より一番の不安は「2時間の公演、飽きずに静かに座ってみていられるだろうか」という点です。

こうちゃんにとって初めて、そして私にとっても初めてのバレエ鑑賞!

Sitakke

6歳男子のこうちゃん、大丈夫かな??
ちょっとドキドキしながら会場に向かいます。

地下鉄に乗って夜にお出かけ。
もうこれだけでもちょっと非日常な感じがして親子ともども、ワクワク、ドキドキです。

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地下鉄駅から会場まで歩いているとすでに、同じバレエ鑑賞に向かっているのかな、と思われる親子連れがたくさん。

そして会場についてさっそくびっくりしたことが!## 男の子も赤ちゃん連れも

Sitakke

会場に着くとすでに長い行列が!

Farewellの『くるみ割り人形』の親子鑑賞は、全席自由席。
もちろんどの席でもしっかり舞台は見られますが、この日の公演は大人気で満席だったこともあり、観劇する皆さんの熱量を感じました。

【Farewell『くるみ割り人形』開催への思いやキャストコメントはこちら】
▼クリスマスの恒例行事に…札幌発、親子で観に行ける“生の舞台”バレエ「くるみ割り人形」の魅力

少しおめかしした小学生くらいの女の子を連れたご家族が手をつないで会場に入っていく姿はこれから始まる「特別な体験」を予感させます。

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女の子だけではなくて、男の子や、赤ちゃんを抱っこ紐に入れたお父さんの姿もたくさんいましたよ。

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開場すると、ホールの入り口近くでは、華やかな衣装を身にまとったキャストの方々がお客さんをお出迎え。始まる前からステキな演出です!

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そして、これは…なんの動物??

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こうちゃん、最初は「少し怖い…」と思わず後ずさり。

なかなか近づくことができないけど…でもとっても気になる…!

思い切って一緒に写真を撮ってみようか、と一枚!
こんな記念撮影も公演前にすることができました!

Sitakke
ちょっと引きつりながらも一緒にパチリ!

初めてのバレエの「つかみ」はばっちり。

「ね~、さっきの猫かな?なんだろう。バレエに出てくるのかな~」
「右から出てくる?左?」

これから始まる舞台に俄然興味が出てきたみたいです。

「あと何分で始まる?ここ、真っ暗になるのかな?ほんとに真っ暗なら少し怖い…」
「この音はどこから出ているのかな?」

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ステージ前のオーケストラを何度ものぞいたりしながら、そわそわ開演を待つこうちゃん。

椅子を上下に動かしたり、靴下を脱いだりはいたりと落ち着きがなかったですが、会場が暗くなるとぴたりと動きが止まり、ステージにくぎ付けになりました。

いよいよ開演!ステージの幕が上がると…

Sitakke

最初にステージ下手からくるみ割り人形を持ったドロッセルマイヤーおじさんが登場。

そして幕が上がると、舞台一面に美しい世界が広がり、やがてバレリーナたちが音に合わせ踊り始め、クリスマスパーティーがスタートします。

そのきらびやかな世界に、こうちゃんは少し口をあけながら「わぁ…」という驚きの表情。

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目の前に広がる絵画のような世界、くるくる回り、舞い、ときには飛ぶように高くジャンプするバレリーナたち、それに合わせるように弾む音…

「会場が真っ暗になったら怖い」と言っていたこうちゃんですが、すでにくるみ割り人形の世界に夢中に!
動きに合わせて小さく頭を動かす姿が、横で見ていてとってもかわいい。

Sitakke
思わず身を乗り出しながら舞台を見つめるこうちゃん

途中、「ママ、時計の針がちょっとずつ動いてるよ!」と小声で教えてくれるこうちゃん。

Sitakke
時計はパーティーが進んでいくとちゃんと時を刻みます

確かに、大きなふくろうの乗った時計の針がちょっとずつ進んでいます。

私は踊りの方にくぎ付けだったので、見るところが違っていて面白い!

そして1幕の終盤、開幕前に写真撮影をさせてもらったあの動物がついに登場しました。

一番興奮したシーン

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クリスマスパーティーが終わり、静かになったころ。

みるみるうちに、セットのクリスマスツリーが大きくなっていきます!

そして登場したのが、こうちゃんとあの記念撮影をしてくれた大きな動物。
正体は「ねずみの王様」!

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「あ!さっきのだよ!」と指をさしてこうちゃん大興奮。

くるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊とネズミたちによる戦いのシーンです。

がらりとステージの雰囲気が変わって暗くなり、音楽も緊迫感がありアップテンポに。
踊りながら剣を振りおろす、激しい戦い。
戦いの途中にはちょっとコミカルな演出もあり、会場から笑いがおこるシーンもありました。

最後はネズミたちが逃げていき、くるみ割り人形が勝利!

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1幕は王子とクララのうっとりするような美しい踊りで幕を閉じました。

ここまでで、開始から約1時間。

子どもにとっては集中力が切れてくるタイミングなので、この20分間の休憩はとってもありがたかったです。

こうちゃんも戦いのシーンでしっかりと集中力を使い果たしたので、ここでしっかりリフレッシュ。

ちなみに、この休憩時間にもキャストの方々との写真撮影タイムがありました。
ついさっきまでステージで輝いていた人たちを目の前にすると、開場前よりも一層感動します。

【Farewell『くるみ割り人形』親子鑑賞への思いやキャストコメントはこちら】
▼クリスマスの恒例行事に…札幌発、親子で観に行ける“生の舞台”バレエ「くるみ割り人形」の魅力

Sitakke

トイレに向かいながら、まずは「どうだった?」とこうちゃんに聞いてみました。

「楽しかった。きれいだった!」

そして、「あと、あとね…」と続きます。

「踊っている人たちね、すっごく体が細くてね、ママの半分くらいだよ!」

…子どもって正直…。

「ごはん、食べてないのかなぁ?」

確かに、どうやってスタイルをキープされているのか非常に気になります…。
細いだけでなく、あのしなやかな筋肉。
あれだけの運動量ですから体重を増やす方が大変なのかもしれませんが…!

「最後はどうなるの~?」
「またねずみ出てくるかな~?」

こうちゃんは、次の展開にワクワク。
今度は暗くなる不安もなく、第2幕のスタートを迎えました。

私的ヒットはこのシーン!

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第2幕はクララがたどり着いた『お菓子の国』からスタート。

私としては、このお菓子の国に出てくる子どもたちの踊りが可愛くて可愛くて、胸キュンでした。

お菓子の国のセットを背景に、カラフルな衣装に身を包んだお菓子の精たちが舞います。

Sitakke

スペインやアラビア、中国にロシア…さまざまな国をイメージした衣装と踊りが続き、華やかで見ごたえ十分!

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誰もが聞いたことのあるようなチャイコフスキーの有名曲も多く流れてくるので、まさに私たちのようなバレエ初心者にもぴったり!

後半第2幕は始まりから終わりまで踊りが中心で、どれも華麗で美しく、本当に夢の世界のようでした。

バレエだからこそ「親子」に向いているかも

Sitakke

バレエは、当たり前かもしれませんが、セリフが一切ありません。

だからこそ、「この踊りはどんな気持ちを表現しているんだろう」と想像力を膨らませることができます。

指先まで気持ちをこめて、踊りと演技を伝えてくれるからこそ、子どもも物語を「感じる」ことができるという面では、セリフで物語を追うお芝居よりも「親子」で一緒に楽しむのに向いているのではないでしょうか。

【Farewell『くるみ割り人形』親子鑑賞への思いやキャストコメントはこちら】
▼クリスマスの恒例行事に…札幌発、親子で観に行ける“生の舞台”バレエ「くるみ割り人形」の魅力

さすがに第2幕となると、ちょっと赤ちゃんや小さいお子さんのぐずるような声が聞こえる場面もありましたが、音楽の生演奏の響きの中でほとんど気になりませんでした。

抱っこ紐でゆらゆら赤ちゃんをあやしながら鑑賞しているお父さんの姿なんかもみられて、同じ親子鑑賞の「仲間」としてはほほえましく感じるくらいです。

Sitakke

ストーリーをあらかじめ知っていた方がより楽しめると思いますが、知らなくてもだんだん物語が見えてきますし、幕が開く前にストーリーテラーがあらすじをお話してくれるのでその点も安心です。

音楽に加え、HBC少年少女合唱団の澄んだ歌声も、ステージを盛り上げます。

ダンス、演技、衣装、音楽に歌…まさにバレエは「総合芸術」なのだと、全身で実感できます。

終盤は息をのむような主演2人のグラン・パド・ドゥ。

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華やかなパーティーが終わると、お菓子の国は消え、クララがお家に戻ります。
最後はくるみ割り人形がステージにちょこんと置かれ、幕が閉じていきました。

さぁ、これでおしまいか…と思ったとき、最後に素敵なサプライズが!

ステージと客席が一体!これが生の鑑賞なんだ

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なんと…!サンタクロースが歌いながらステージに登場したのです!

しかもこの方、北海道でオペラ出演最多を誇るバリトン歌手の則竹正人さん。
たった一人でこんなにも声が響き渡るなんて…!

これには、2時間の公演で少しお疲れだったこうちゃんも大興奮!
椅子の上でぴょんぴょん弾みながらステージに熱視線。
会場全体が笑顔に包まれ、一体感があり、改めて「クリスマス」を体感することができるステキな演出に感動しました。

そしてステージに上がった全キャストが何度も客席からの拍手に迎えられ、声援に応える姿に「生の舞台」の一体感を感じることができました。

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最初は「集中して2時間見ていられるだろうか」と不安だった、バレエの親子鑑賞。

終わってみると、一足早くクリスマスを親子で一緒に感じることができ、生の舞台の臨場感とともに「心が躍る」経験をさせてもらいました。

この経験を、こうちゃんと一緒にできてよかった。

さあ、こうちゃんはというと、「ママ!最後、あのねずみまた出てきたね。握手してたよ。仲直りできてよかったね」

こうちゃんの推しは、ねずみの王様!

この夜、布団に入ると、何度も舞台の楽しかったところを話して聞かせてくれました。

1週間がたっても「これ、くるみ割り人形に出てきたやつだよ!」とお気に入りの戦いのシーンに出てきた戦車を思い出して手作りして見せてくれるほど、印象に残ったようでした。

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あのキラキラした世界、大人になったときにも、思い出してくれるかな。

来年はどんな感動に出会えるか、楽しみです。
ここで一句!

『親と子で うっとり冬の 思い出に』

【Farewell『くるみ割り人形』開催への思いやキャストコメントはこちら】
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「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

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文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。

舞台写真提供:n-foto LLC

編集:Sitakke編集部あい

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