住所非公開。バリスタ世界チャンピオンが手がける最高峰のコーヒーのフルコース〈珈空暈〉

2024.12.25

東京〈珈空暈〉バリスタ・鈴木樹、モクテル

「品評会で出される稀少な豆を、飲み手に開く場所にしたいんです。それも、ただおいしく淹れるだけでなく、コースでは1つの豆に絞り、様々な抽出方法や、副食材と組み合わせることで、よりディープにそのコーヒーの魅力を伝えていきます」と、井崎さんと交代で店に立つバリスタの鈴木樹（みき）さんは言う。

この日の豆は、バリスタの世界大会でも頻繁に使用されるパナマの生産者、ジャミソン・サベージによるもの。彼が経営する農園のなかでも、標高2300m、平均気温15℃という、コーヒーノキにとって最も過酷な条件のアイリス農園で栽培される、まさに珠玉のロットである。

「良いコーヒー豆ほど味わいは複雑。だから副食材と掛け合わせて、個性をよりわかりやすくします。例えば、メニューの一つであるモクテルでは、コーヒーが持つトロピカルな味わいを強調するために、西表島（いりおもてじま）のマンゴーを使っています」

店を後にする頃には、これまでいかに“なんとなく”コーヒーを飲んでいたかに気づく。飲み手のコーヒーに対する興味やリテラシーが、自然と上がる装置がコース形式なのだ。

東京〈珈空暈〉バリスタ・鈴木樹 — コースを提供するのは、バリスタ世界大会で準優勝した鈴木樹さん。日本大会でも3度優勝する。

東京〈珈空暈〉メニュー表 — 葉月のお品書き／旬の食材を取り入れ、2ヵ月ごとにメニューが替わる。

1杯目：Sparkling Coffee

東京〈珈空暈〉ウェルカムドリンク — 猛暑のウェルカムドリンク。

東京〈珈空暈〉店内 — カウンターには玉鋼で作った鉄瓶が湯気を立てる。

東京〈珈空暈〉ペパーミントを漬けた炭酸水 — 自家製の梅のジュレに、ペパーミントを漬けた炭酸水、フィルターで濃く抽出したコーヒーを組み合わせた一杯。23年の冬はグリューワインをオマージュし、コーヒーをドライフルーツと煮込んだものを提供したそう。

2杯目：Filter by extraction chilling

〈アリタポーセリンラボ〉のカップ — カップは〈アリタポーセリンラボ〉によるオリジナルで、ウイスキーのテイスティンググラスをイメージ。

東京〈珈空暈〉フィルターコーヒー — シンプルなフィルターコーヒーだが、抽出は金のボールで急冷し、香りを逃さない〈パラゴン〉で。

3杯目：Mocktail

東京〈珈空暈〉モクテル — 10枚のパイナップルミントに、エスプレッソを3ショット、マンゴーの皮と種の発酵液に、トマトの旨味エキスだけを取り出した液体と、乳酸を1滴加え、ミキシングしたモクテル。

東京〈珈空暈〉モクテル — 仕上げに浸透圧で作ったマンゴーのシロップをのせる。

4杯目：Americano

東京〈珈空暈〉アイスアメリカーノ — イタリアンバールのエスプレッソロマーノから着想を得たというアイスアメリカーノ。

東京〈珈空暈〉エスプレッソ — 〈ヴィクトリアアルドゥイーノ〉のマシンで抽出するエスプレッソに、本場で使うレモンの代わりに日本の夏らしいカボスを隠し味に入れ、爽やかな香りに。

東京〈珈空暈〉店内 — 急須のなかで一緒に混ぜ合わせて提供される。飲み心地は非常に爽やかで、余韻は長く甘い。

5杯目：Umami Milk

東京〈珈空暈〉シグネチャーのカフェラテ — 酸味、甘味、苦味、塩味で構成されるカフェラテに、昆布のだしやトマトなどから抽出した旨味を加え、基本味をすべて揃えたシグネチャー。

東京〈珈空暈〉デザート — 併せて提供されるデザートは、岡山のシャインマスカットに、ハーブのゼリー、ディルのシャーベットを合わせた一皿。

東京〈珈空暈〉バリスタ・鈴木樹 — 原料がカウンターに並び、詳細な説明を受けながらドリンクが出来上がるのを待つ。

6杯目：Teamericano

東京〈珈空暈〉ティメリカーノ — 茨城県の〈吉田茶園〉で今年初めて作った烏龍茶をアメリカーノと混ぜ合わせた一杯。

東京〈珈空暈〉ティメリカーノ — 急須で蒸らして注ぐ。コースの最後は、落ち着いた一杯で締めくくられる。余韻に浸るようにゆっくりと味わいたい。

茨城〈吉田茶園〉烏龍茶 — 飲み口で香りが広がる陶器のお碗。

Information

東京〈珈空暈〉店内

珈空暈

こくうん／メニューは1時間半のコース「COFFEE OMAKASE」（16,500円〜）のみ。最大4名まで。

住所：所在地非公開。表参道駅から徒歩10分圏内、所在地は予約確定後に送付
TEL：なし
ウェブサイトより予約。週2日程度の営業
HP：https://cokuun.com/

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