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【脳老化診断】18歳から脳は老化する!? 脳科学者が予防法や対策を解説

  • 2024.12.24

あなたの「脳の老化タイプ」をチェック!

【脳老化】って一体何? 18歳から老化するって本当!?

教えてくれたのは……
西 剛志さん

脳科学者・分子生物学者。博士号を取得した後に特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウをレクチャーし、才能を引き出す方法を提供している。テレビや雑誌、WEBといったメディア出演や講演など多角的に活動し、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム刊)をはじめ著書も多数。

【脳老化】とは脳の神経細胞が減って萎縮すること

西 剛志さん

脳の老化は、神経細胞が減ることにより脳のシワが深くなったり空洞ができたりして、脳そのものが萎縮してしまうことが大きな要因です。脳の神経細胞は、年齢を重ねるにつれて少なくなっていくのは避けられないこと。以前、『脳はシワがあった方がいい』と噂されたこともありますが、それは関係なく、シワが増えていくのは明らかに脳の老化です。ただ、脳老化は、約60%が遺伝的な要素、約40%が後天的な環境要因によって決まるとされています。生活習慣などが脳の老化を加速させてしまう部分も大きいので、若いからといって安心はできません。とくにストレスやスマホの使い過ぎは脳への影響も大きく、30代で突然やる気がなくなったり、記憶力が低下したりしてしまうという事態にも。今から『脳を老化させないこと』を意識しておくのも大切ですよ。


脳老化は18歳から始まるって本当?

「能力別」脳のピークはこちら!

  • 情報処理能力のピークは18歳
  • 人の名前を覚える力のピークは22歳
  • 顔を覚える力のピークは32歳
  • 集中力のピークは43歳
  • 相手の気持ちを読む力のピークは48歳
  • 語彙力のピークは67歳
西 剛志さん

脳の老化は、高齢になってから一気に進むわけではありません。ハーバード大学をはじめとしたさまざまな研究データによると、情報処理能力のピークは18歳、顔を覚える力のピークは32歳、語彙力のピークは67歳など、能力によって衰え始める年代にはバラつきがあります。加齢とともに衰えていく能力を『流動性知能』、逆に加齢とともに蓄積されていく能力を『結晶性知能』と呼びますが、語彙力は結晶性知能の中でも断トツで伸びていく能力。50代以降も衰え知らずで、作家が年齢を重ねても良い作品を生み出し続けられるのは、そういう理由からだと推測できます。


同じ脳内でも、能力が伸びたり衰えたり、違いが生まれるのはなぜ?

西 剛志さん

これは、“生存に必要な能力は年齢を重ねるとともに伸びていく”というのが有力な説。大昔の人たちは、語彙力やコミュニケーション力など言葉の力があったほうが生き延びやすかったため、その名残だと考えられています。逆に、情報処理能力や短期的な記憶力というのは、能力が伸び続けてしまうと脳へのストレスになってしまうことも。ストレスが増えると血流が悪くなり、高血圧につながります。実は、高血圧は脳老化をもっとも促進する要因の一つ。10代のときは血管がしなやかなため問題ありませんが、高い情報処理能力を保ち続けていると脳に膨大な負荷をかけることになりかねません。現代においては、どの能力も、生涯必要だと感じてしまいますが、能力のピークに年齢差があるのは脳のストレスを減らすという意味ではとても大切なことなんです。


脳老化のスピードを遅くすることは可能?

西 剛志さん

脳を若返らせることはできませんが、老化スピードを遅らせることはできます。脳は、神経細胞の数が減ったとしても、神経細胞の結びつきの数や密度が増えることで、機能を維持することができます。そのために必要なのは、新しいことに挑戦すること。年代を問わず何かにチャレンジをすることは、神経細胞のネットワークを増やし、脳を活性化させるうえでとても効果的です。


常にチャレンジし続けなければならないとすると、すごくハードルが高いと感じてしまいますが……。

西 剛志さん

新しいことというと大げさに聞こえますが、スマホの待ち受け画面を変える、髪型を変えてみるなど、本当にささいなことでかまいません。ストレスだと思わない程度に、日常的に取り組んでいけるといいですね。加えて、20~30代は学びも有効。本を読んだりニュース番組を見たり、さらには語学や資格の勉強をしたりすることは非常に大切です。また、生きがいがある人や他者とのつながりが多い人は、年齢を重ねても脳の認知レベルが高いことがわかっています。人付き合いにストレスを感じる人もいるかと思いますが、そういう人には推し活がおすすめ。推し活は、やる気を高め、人と繋がっている感覚をもたらしてくれるなど、脳科学的にみてもメリットがたくさんあるんですよ。


脳の老化タイプは5種類に分かれる

ひとことで「脳老化」といってもそれぞれがタイプ異なり、大きく5つに分けられます。脳のどの部分が衰えて、どのような特徴が現れるのか、そしてどんな対策をとればいいのか、自分に合った予防法を見極めていきましょう。

やる気低下型の老化脳

【脳の老化タイプ診断】18歳から脳は老化する!? 脳科学者が予防法や対策を解説

スマホに没頭しすぎてドーパミンが枯渇!

西 剛志さん

やる気のホルモン『ドーパミン』を分泌する『線条体(せんじょうたい)』の働きが衰えている可能性があるのが、『やる気低下型』。ドーパミンがきちんと出なくなったため、仕事でもプライベートでもモチベーションが薄れ、以前は取り組んでいたことでも面倒くさいと感じてしまうのが特徴です。流行や新商品にワクワクしなくなるといったサインも見られます。とくに最近は、スマホのやり過ぎによってやる気が低下している20代30代が急増中。というのも、人はもともと、複数の中から何かを選択する際にドーパミンが出る生き物。スマホを操作することは、本来ドーパミン分泌にひと役買ってくれるものなのですが、現代人はスマホで何を見るか、何を買うかなど、選択することがエンドレスに。その結果、脳が疲れてドーパミンも枯渇し、やる気やモチベーションが低下するという弊害が生まれているんです。


今からやるべき脳老化対策

  • スマホを長時間、操作し続けない
  • 歯ごたえのあるメニューを意識し、よく噛んで食事する
  • 好きな音楽を聴く
西 剛志さん

まず意識したいのは、スマホとの付き合い方。時間を決めたり、少しスマホと距離を置く時間を設けたり、ずっと見続けないことが大切です。とくに食事中や人と話しているときは見ないなど、スマホをいじりながらのマルチタスクは避けるのが賢明。あとは、ドーパミンを出すために手軽にできることといえば、よく噛むこと。咀嚼は、ドーパミン神経を活性化するうえで重要な役割を担います。歯ごたえのある赤身肉、イカやタコなど、“よく噛む食材”を積極的に取り入れましょう。主食はパンよりごはんがおすすめですが、パンなら硬めのものをチョイス。普段から『30回噛んでから飲み込む』ことを習慣化したいですね。また、好きな音楽を聴くこともドーパミン活性化に役立ちますよ。


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記憶低下型の老化脳

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「うっかり忘れ」が頻発するなら、若くても要注意

西 剛志さん

人の顔や名前を覚えられない、スケジュールをうっかり忘れてしまうなど、物忘れが多くなる『記憶低下型』。これは、記憶の中枢ともいわれる『海馬(かいば)』をメインに、記憶に関連する部分の働きが低下している可能性があります。人の名前や顔を覚えるピークは20~30代といわれていますが、その年代でもすぐに忘れてしまうというのなら注意が必要。あとは、『ほらアレ、なんだっけ』のように、会話中に『アレ』という言葉がよく出てくるといった特徴もあります。海馬を意識的に鍛えることで、機能の低下を防ぎましょう。


今からやるべき脳老化対策

  • 新しい場所へ行く(いつもと違う道を通る、訪れたことのない店へ行くなど)
  • 自宅の空間イメージを変える(植物を飾る、部屋の模様替えをするなど)
  • 小さな新しいことに取り組む習慣をつける(食材の銘柄を変える、ネイルやメイクを変えてみるなど)
西 剛志さん

海馬を鍛えるために効果的なのが、場所を変えること。旅行したときや、いつもと違う場所で仕事をしたときに気分が変わった経験がある人も多いかと思いますが、それは海馬にある場所を記憶する『場所細胞』によるもの。同じ場所に居続けたり、毎日同じルートで通勤していたりすると、場所細胞の働きがオフになり、記憶力も下がっていきます。逆に、場所を移動したり、新しい道を歩いたりすると、場所細胞が活性化して海馬にもいい影響を与えるということに。寄り道をする、新しい店を開拓する、普段と違うコンビニに入るなど、積極的にいつもと違う場所へ行ってみましょう。毎日同じルートで帰宅するという習慣をやめるだけでも脳の活性度は変わりますし、いつも右側の道を歩いているのなら左側に変えるだけでも構いません。また、自宅にいる時間が長いのであれば、花を飾ったりして空間をアレンジすることもおすすめです。ただし、『やらなきゃ』と義務に感じたらストレスになるので、自分のペースで取り入れてください。


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客観・抑制低下型の老化脳

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“倍速視聴”を長時間続けているとイライラしやすく!

西 剛志さん

すぐにイライラしたり、自分の感情を抑えられなかったりするのが、『客観・抑制低下型』の特徴。脳の司令塔と呼ばれ、物事を客観視して判断するための『前頭前野(ぜんとうぜんや)』を中心とした部分に衰えが見られる可能性があります。記憶や感情、学習などをコントロールしているので、前頭前野の機能が低下すると、計算間違いや予定のすっぽかしなど、大小さまざまなミスが生まれてしまうことも。そして最近とくに若い人に増えているのが、過労やスマホの見過ぎで前頭前野を酷使しているタイプ。いわゆる“脳疲労”といわれ、前頭前野がダメージを受けることにより、脳に物理的な萎縮が起きてしまいます。仕事に没頭しているときやスマホの倍速視聴をしているときは、前頭前野で大量の情報を高速処理している状態。その時間が長くなると脳を休める暇がなく、客観性や抑制力が失われてしまい、自分を制御できなくなる事態に。ちょっとしたことでキレてしまうという人は要注意です。


今からやるべき脳老化対策

  • スマホを触らない時間をつくる
  • マルチタスクを避ける(スマホを見ながら食事をする、作業をするなど)
  • 意識的にボーッとする時間を設ける
  • 無心になれる作業をしてみる
  • 好きな香りを嗅ぐ
西 剛志さん

いつも絶え間なくスマホを触っている人や、すべての通知をオンにしているという人は、“スマホ断ち”をする時間を設けることが先決。スマホを見ながら何か別のことをするマルチタスクも、やめたほうがいいですね。あとは、雲をボーッと眺めたり入浴したりしているとき、脳の中では前頭前野以外の部分が活性化するため、前頭前野を休めることができます。手作業で無心になれることをするというのも脳の休息になるので、刺繍などもおすすめ。加えて、仕事に没頭し過ぎていると感じたら、作業する場所を変える、違うことを始める、人と話すといったことも有効です。また、香りの力を活用するのも◎。『いい香りだな』と感じるのは、脳で考えているのではなく感覚によるもので、前頭前野が休まっている状態に近いといえます。アロマでもフレグランスでもいいので、自分の好きな香りを嗅いでリフレッシュする習慣をつけましょう。


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共感低下型の老化脳

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“人の話をあまり聞いていない”のが、このタイプの特徴!

西 剛志さん

人の気持ちを理解する『前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)』や『島皮質(とうひしつ)』などを含む箇所が衰えてきている『共感低下型』タイプ。共感や直感、感情などに関わる2つの部位の活動が低下していることによって、他人のことはどうでもよく、人の話を聞かなくなっている傾向が。たとえば、列に割り込んだり、自分のことばかり主張したり、相手に対して無配慮であることなどが特徴といえます。電車内で音漏れが周りの人を不快にさせているのに、それに気づかない……というのも、『共感脳』の働きが弱いということの現れですね。基本的に『相手の気持ちを読む力』のピークは48歳とされていますが、実はピークの振れ幅が大きいという珍しい能力。そのため、20代30代であっても共感脳が衰えているというのはありうることです。


今からやるべき脳老化対策

  • 相手の言うことを復唱しながら会話をしてみる
  • 目を見ながら話す
  • 映画やドラマのストーリーで登場人物の気持ちになって考えてみる
西 剛志さん

相手の気持ちがどうでもいいという状態に陥りがちなので、まずは相手が言っていることを復唱する習慣を。たとえば相手が『今日、●●というレストランに行きました』と言ったとしたら、『おいしかったですか?』と聞くのではなく、まず『●●というレストランに行ったんですね~』と復唱しながら返す。これには、相手が自分を理解してくれているという安心感と好感度が上がるとともに、自分自身も相手が言ったことに対して脳内でイメージを膨らませやすくなるというメリットがあります。会話のときは、相手の目を見ながら話すことも併せて意識するといいでしょう。また、もともと他者とのコミュニケーションが苦手な人は、映画やドラマなどのストーリーものを観て、主人公の気持ちになってみるというのも効果的。ただ鑑賞するのではなく、登場人物に気持ちを寄せて『どんな気持ちでこのセリフを言ったのか』と踏み込んで考えていくと、共感脳の老化対策になります。


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聴覚低下型の老化脳

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「イヤホンを使って大音量で聴く」がクセづいていると危険かも?

西 剛志さん

聴覚が低下して耳が遠くなると、脳の老化を加速させることがわかっています。その原因は、音声の刺激が入力される『内耳組織(ないじそしき)』や脳の『聴覚中枢(ちょうかくちゅうすう)』など、耳にまつわる機能の低下。耳からの刺激がなくなることで脳に変性が起こり、脳機能まで衰えてしまうのです。人の声が聞き取りづらい、ボリュームをすぐに上げてしまうという人は、気をつける必要があるでしょう。聴覚の低下というと高齢者の話だと思っている人も多いですが、WHO(世界保健機関)は『若年性難聴』の若者が世界で11億人もいると勧告しています。イヤホンなどで爆音を聞いていると耳の鼓膜細胞が破壊され、ダメージが蓄積されていきます。徐々に聞こえなくなって難聴になると、脳の老化も加速。実は、視力より聴力のほうが、脳老化への影響が大きいんですよ。


今からやるべき脳老化対策

  • テレビや動画を大音量で見ない
  • イヤホンはノイズキャンセリングに切り替える
  • 著しく聴覚が低下しているのなら補聴器も選択肢に
西 剛志さん

いちばん大事なのは、とにかく大音量でイヤホンを使わないこと。外出時はとくにボリュームを上げてしまいがちなので、外部の音を遮ることができるノイズキャンセリングのものを用いましょう。家でヘッドセットをつけてゲームをするときなども、爆音は絶対にNG。大きな音を聞かない&音量を下げる習慣をつけて、聴覚をいたわることが先決です。聴覚は、失ってしまうとなかなか元に戻りません。いま食い止めることで、聴覚ダメージをこれ以上、進行させないことが重要です。もし、すでに聴覚が低下してしまっていると感じるのであれば、補聴器に頼ることも一つの手。耳からきちんと刺激を入れることによって、脳の老化を遅らせることができます。


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「脳老化」をもっと詳しく知りたいなら、西 剛志さんの本をチェック!

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イラスト/本田佳世 取材・文/橋場鈴里

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