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バレリーナ石井久美子が教える、悩み別プチ拷問ストレッチ【猫背編】

  • 2024.12.24

“使える”背中を作る鍵は、腕上げにあり

現代人はデスクワークやスマートフォンの使用が増え、肩が前に丸まり、背中が曲がった猫背の姿勢になることが多くなっている。猫背の主な原因は、無意識に前屈みの姿勢になっていることで筋肉のバランスを崩していること、そして背筋や体幹の筋力が不足し、正しい姿勢を支えることが難しくなっていることにある。これらを改善するには、フォームローラーを使った胸椎伸展トレーニング、肩甲骨周りの柔軟性をUPするタオル回しに加えて、背中を上に引き上げるスイッチを入れる、バレリーナ流「腕上げ」ストレッチも行うことが効果的だ。

「前回のタオル回しでも紹介しましたが、腕を動かすときも、上体を動かすときも、バレエダンサーは背中を常に意識しています。胸椎伸展で肩甲骨周りの柔軟性をUPすることはもちろん、上へ上へと引き上げる意識も同じように大切です。しかし、一般の方々にとって背中の一部を動かそうと思ってもなかなか難しいのではないでしょうか? そこで、両腕を頭上に上げることで、背中を強制的に使い、背中のスイッチONの状態を作るストレッチをご紹介します。背中から腕を上げることを身体が覚えれば、全身のシルエットが重力に逆らって引き上がったフォルムに変わっていきますよ。シンプルなメソッドですが、バレリーナのような美しい姿勢を目指して、背中に意識を集中して行ってみて下さい!」

Step 1

ヨガマットの上であぐらをかく。両手で膝をしっかりつかみ、肘を後ろに引っ張る。できるだけ胸を大きく反らし、背中から突き上げていく。このとき、下腹に力を入れてキュッと引き締めて。これが背中のスイッチがONの状態。(胸椎伸展をしてフォームローラーが背中に入っている感覚を思い出して)

Step 2

Step 1の姿勢をキープしたまま、背中が落ちないように片手ずつ上げていく。このとき、息を吐きながら胸椎を伸展し、上げた手をさらにピンとまっすぐに伸ばす。背中のスイッチと、下腹を引き締めることも忘れずに。

Step 3

背中のスイッチを入れたまま、膝に置いた手も上げる。このまま30秒キープする。下腹も引き上げている状態で、背中は落ちないように気をつけて。15秒の休憩をはさんで3セット行う。

「普段座っている姿勢では、ほとんどの場合骨盤は後継していますが、この背中から腕上げエクササイズをするときの体勢は、いつもより骨盤を立たせた状態になっている。この状態をしっかり保つには内ももを使うので、筋肉が震えたり、攣りそうになってしまうことも! そんなときは息を吐いて、脱力。股関節の力を抜いてみましょう」

若い人こそ、試してほしい

「私が日本に戻ってきて目についたのは、若い人たちの姿勢の悪さです。このまま年を取ったら、さらに背中が丸くなって、あちこち痛くなるのではないでしょうか!? そんな危機感からも、私はぜひこの簡単な腕上げストレッチを、皆さんに提唱したいです。例えば忙しいときは、胸椎伸展を3分、タオルストレッチを3回、腕上げ1回など......とにかく毎日続けてみて下さい。きっと将来、やっていてよかった!と思う日が来ると思いますよ」

話を聞いたのは……

石井久美子

バレエダンサー。1994年東京生まれ。8歳でバレエを始め、2011年ロシアの国立ワガノワバレエアカデミーに留学。2013年に同校を卒業後、マリインスキー・バレエ団にアジア人女性として初めて入団し、数多くのソリスト役を演じる。主宰するバレエ学校では、アマチュアから世界のトッププロダンサー、教師までがレッスンを受けている。2023年にはオンラインバレエスクールも開校。著書に『胸椎伸展 10分寝るだけストレッチ』(主婦と生活社)。@kumiko_ishii_ballet_project

Photos: Shoko Takayasu Text: Naomi Mori Editor: Makiko Yoshida

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