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唇が老け見えするのは絶対イヤ!どうすればいい?自分でできるリップケアについてAPOLLO BEAUTY CLINIC院長鬼沢先生にお伺いしました。

  • 2024.12.24

空気が乾燥してくると、肌や髪も乾燥を感じるようになりますが、特に影響を受けやすいのが唇ではないでしょうか。
皮膚よりも薄い角層の唇は、周囲の環境による影響を受けやすいといえます。
唇が荒れて困る・・・という方もいるでしょう。
今回は、APOLLO BEAUTY CLINIC院長の鬼沢正道先生にお話を伺いました。

冬は唇の「老け見え」に要注意!

急激に気温と湿度が下がり、唇の乾燥や荒れなどのトラブルが増加します。
血色の悪化やシワが深くなる・増えるなど、いわゆる「老け見え」が気になっている方も多いのではないでしょうか。
唇は顔の印象を大きく左右するパーツのひとつです。
厚さや形、うるおいなどの質感、色味によってさまざまなタイプの唇がありますが、特に「質感」についての悩みはなかなか改善するのが大変な要素の一つです。
今回は、この唇にスポットライトを当て、どのような原因で質感や色みが悪化するのか、改善策はあるのか、予防はできるのか、等を解説しようと思います。

手ごわいこの時期の唇の荒れ・・・どうケアすればいい?

まず、唇が荒れたり皮むけを起こす原因は大きく分けて3つ。
「物理的刺激」「乾燥」「炎症」です。
普段からリップクリームを使用することは、「乾燥を防止する」という意味では非常に重要です。
しかし、すでに保湿作用を失ってガサガサになった唇に油性のリップクリームを塗っても、水分を補充しているわけではないため状況はほとんど変わりません。
もしかしたら背景に唇の炎症や病気が潜んでいる可能性があるため、まずは炎症を抑えることが重要です。
炎症を抑える効果のある薬用リップクリームや、医師から処方された抗菌薬入りの軟膏、抗炎症クリームなどをこまめに塗ることをお勧めします。

唇の色がくすんでる・・・口紅やグロス以外に、自然に血色をアップさせることはできる?

唇の色のくすみや色ムラを改善するのはなかなか大変です。
唇の色調変化は主に物理的刺激から派生した炎症後色素沈着による黒ずみ、色ムラが怒ったり、血行障害により紫色や白色、黒ずんだ色調不良が起こりえます。
乾燥などで唇の皮膚がくすんでいる場合、グロスを塗っても光の乱反射により理想の血色を保てない可能性もあります。
リップクリームでこまめに保湿をおこなう他、唇のマッサージなども結構改善に効果的であるとされています。
しかしやりすぎはかえって摩擦を増やすことになり、逆に唇の荒れや色素沈着に繋がる可能性もあるので、適度に行うことをお勧めします。
リッププランパー(カプサイシン入りグロス)や、細かい針状のヒアルロン酸成分が含有されたリップなども市販されて人気を集めています。
しかし、これらも使いすぎてしまうと、場合によっては過度の刺激を及ぼす可能性があります。
現在の唇の状態をみながら慎重に使用するのが良いでしょう。
唇の荒れや血行を改善するには、食生活の改善も念頭におくべきです。
鉄や亜鉛、ビタミンB2・B6の不足は唇の荒れに直結しますので、栄養バランスを考えて食事を摂ることが重要です。

シワが目立つようになって気になるときはどうする?

前述の回答でも少し触れましたが、リッププランパー(カプサイシンやハーブ類等の成分入りグロス)は一時的なボリューム感を出すのにはとても優れた化粧品です。
しかし、これは一時的に唇に軽度の炎症を引き起こし、口唇粘膜の浮腫が起こることによって唇が張っているだけと考えられます。
ピンポイントで一時的に使用するにはとても優れた化粧品ですが、長時間の使用はあまりお勧めしません。
効果は一時的であるということや、刺激物が入っているということを考慮すると、使い方次第では逆に唇の荒れ、炎症の原因となってしまう可能性があるからです。
最近は刺激が強く軽度の痛みを伴うリッププランパーも販売されていますが、刺激が強ければ強いほど良いというものではありませんので、いくつかご自身でお試しいただいて、最適なリッププランパーを選ぶことが重要になります。

リップケアで普段から気を付けておくべきことは?

唇を舐めると、一時的には唇が濡れるため、うるおったような錯覚に陥ります。
しかし、唾液のせいで唇表面の油分が減少してしまうので、かえって乾燥しやすい状態になってしまいます。
唇を噛むことも同様で、ガサガサと表面が荒れている部分を擦っているようなものです。
肌同様、唇のバリア機能が破綻し、雑菌が組織に流入することで口唇炎や口角炎などのトラブルが起こる可能性が高まるので、なるべく唇を舐めたり噛んだりしないよう心がけるのが良いでしょう。
さらに、唇の荒れや色素沈着、血色不良は、その背景に思わぬ疾患が潜んでいる可能性もあります。
例えば「末梢チアノーゼ」という状態は、血液中のヘモグロビンがうまく酸素と結び付かず循環不全を起こしている状態ですが、これは唇が真っ青になります。
血液疾患、心疾患、呼吸器疾患などがこれらを引き起こす可能性があります。
また、唇に潰瘍ができてずっと治らないというのは、もしかしたら糖尿病の可能性も考えられます。

少し大袈裟で怖いことを書きましたが、昔の人は唇の血色を見て病気を言い当てていたというように、もしかしたら思わぬ病気との関連性もゼロではありません。
長らく唇のトラブルに見舞われている方で身体の不調に見舞われている方は、一度医師の診察を仰いでも良いでしょう。

[執筆者]


鬼沢正道(おにざわ まさみち)先生
医師
1984年9月19日生
茨城県出身

経歴
2012年 日本大学医学部を卒業
同年 慶應義塾大学病院にて初期臨床研修を行う
2014年 慶應義塾大学整形外科学教室に入職
2016年 大手美容外科クリニックに勤務
2020年 APOLLO BEAUTY CLINICを開業
2023年 医療法人社団賢叡会設立、同法人理事長に就任
現在に至る

APOLLO BEAUTY CLINIC
https://apolloclinic.jp/

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