【40代からの挑戦】吉川ひなのさん「人の顔色を窺うより自分を好きでいることが大事」環境に優しいものづくりなどインタビュー

子育て、仕事、パートナーとの関係など、いろんなことで立ち止まり、揺れ動く40代の女性たち。それでも未来を見据えて進むGLOW世代にインタビュー。今回は吉川ひなのさん。

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吉川ひなのさんINTERVIEW

「ヒナレア」のコスメに安心して使ってもらえるように、独自基準をつけた

ハワイに移住して11年、庭にやってくる野生動物を観察したり、砂浜でアーシングするなど、自然を身近に感じながら暮らしている吉川ひなのさん。
「地球上の全てがオーガニックになったら、きっと平和でフェアな世界になるはず」という願いから、自分にできる新たな一歩を踏み出した。
「最近、自分が作っているヒナレアのコスメに独自のものづくり基準、アース コンパッション イニシアティブのマークをつけ始めました。世界にはたくさんのオーガニック認証があって、私も以前は自社製品に認証マークをつけていました。だからオーガニック認証を取っているプロダクト全てにリスペクトがあるし、自分が買い物する時にわかりやすい目印だから消費者としてありがたいものだと思っているけれど、その一方で、生産者側は認証を取得・維持するためのハードルが金銭面でとても高いんです。日本でもアメリカでも、認証基準以上の素晴らしい作物の育て方をしている農家さんたちの中に、お金がなくて認証が取れないという人が多いのが現実。でも認証を取得しないとオーガニックってうたっちゃいけないから、結局売れないという悪循環に陥ってしまって……。そういったお金の面の問題を解決するために作ったのが独自基準です。もちろんオーガニックとはうたえないけれど、『このマークが付いているから安心だね』みたいに世の中に広まっていってほしいな、と思っています」

地球をイメージして作ったアース コンパッション イニシアティブのマーク。「まずは、ヒナレアの全製品につけていきます」（吉川さん）

「何かを始める時はスピードも大事」

何かを始める時に、あれこれ考えすぎて動けないことはよくある。でも吉川さんは、「やる意味」を最優先して独自基準の運用をスタートした。
「いくら考えていても、やらないと意味がないので。このマークも細かいところまで運用ルールを完璧にしてから出すべきだと思っていたけれど、何かを始める時ってスピードも大事だと頭を切り替えたんです。『とりあえず、こういう考えでやっています』と言いながら自分の作るものにつけていけば、まずは確実な一歩になる気がして。過去にも、やってみたけどダメだったことはいっぱいあるけれど、その中の1個でも大きく実ればそれでいいから、何でもやりたいことは実行に移していこうと思っています」

フェザーニット2万9700円（クチュール ド アダム／サロン アダム エ ロペ／ジュンカスタマーセンター） デニムパンツ2万8600円（ボニーウーブン／クローバーズ）

思いやりを持って出来ることをしていったら、世界はいい方向に変わる

環境問題をはじめ、社会問題について本音で語ることは、芸能の仕事に影響が及ぶリスクもある。それでも堂々と考えを発信するのは、人、動物、地球そのものへの大きな愛があるから。
「わたしが『もう毛皮は着ない』と宣言した時も、それで撮影に呼ばれなくなるんだったら仕方ないと覚悟していました。人の顔色を窺って、取り繕ってお仕事をもらうよりも、自分で自分を嫌いにならないことの方が大事だから。それとわたしの場合は子どもを産んだことが大きかったけれど、環境問題はある程度知ると、自分ごととして生き方に直結してくるものなんです。好き放題消費している地球の裏側で、誰かが泣いている。見えない人たちの悲しみは実感が持てないかもしれないけれど、めぐりめぐって自分と繋がっている。だから、一人ひとりが思いやりを持って自分にできることをしていったら、きっと早いスピードで世界はいい方向に変わると思うんです」

☑影響を受けた四井真治さんの本

「持続可能な暮らしを長年実践してきた四井さんのリアルな生活記録。読んでいて参考になることがいっぱい書いてあります」（吉川さん）
『地球再生型生活記』四井真治著2090円（アノニマ・スタジオ）

☑グルテンフリーでも大満足な米粉

「これでバナナブレッドやクレープを作ると美味しい」。気流粉砕で細かく挽いた国産うるち米の米粉。［お菓子をつくるお米の粉］250g 594円（桜井食品）

よしかわひなの：東京都出身。モデル、タレント、環境アクティビスト。2013年より家族でハワイを拠点に暮らす。3児の母。「ヒナレア」では、スキンケアやコスメなどのナチュラルケアプロダクトを扱う。

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撮影＝酒井貴生 スタイリング＝安竹一未〈kili office〉 ヘア＆メイク＝斉藤 誠 取材・文＝土谷沙織 ※GLOW2024年12月号より