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私の決断で苦しむ人がいる恐怖。それでも私は毎日怯えながら決断する

  • 2024.12.24

22歳。大学4年生。女性。春からIT企業に就職予定。高校3年生をコロナで潰された私は「後悔しない日々を」をテーマに、大学ではボランティアに部活に遊び。スケジュール帳を見れば、何も書いていない日なんかない。全力で毎日を駆け抜けた。

そんな私は自分の決断が怖い。どう生きるか自分自身で決めなければならない。それが怖くてたまらない。

◎ ◎

そんなネガティブな考えになったのは、家族とのこんな過去があるからだ。

母親は精神疾患と付き合ってきて約5年。ほぼ寝たきり。母親が精神を病んだ原因は私が音楽のプロの道に進まなかったことではと告げられた。

叔父は1年前に失踪し、今年の夏に帰らぬ人となった。原因はわからない。いや、わかっているのかもしれないが誰も教えてはくれないし自分から聞けない。
そんな2人の育て親である祖母は悲しさともどかしさに耐えながら必死に生きている。

私に愛と音楽を与えてくれた母。私を「あーたん」と呼んでいつも甘やかしてくれた叔父。どんな時でも私を応援してくれる祖母。

私に音楽の道に進める覚悟があれば。親の努力に応えていれば。失踪する前、最期の電話で異変を気づけていたら。自分のことより家族のことを優先していれば。3人の笑顔は今も残っていたのだろうか。

◎ ◎

大学1年生の夏に、私は大きな決断をした。1人暮らしを始めたのだ。理由は自分を守るためだった。

母親が精神疾患になってから実家にいることが辛かった。母のネガティブな言葉の数々、親の夫婦喧嘩。逃げ場もなく私も精神的に追い詰められていた。このままでは、私も元気がなくなってしまう。ボランティア活動と大学の授業を頑張ることを条件に私は実家から少し離れた場所に住むことになった。

1人暮らしの生活は本当に充実していた。先輩との飲み会、人生初めての終電はちょっぴり緊張した。友人が泊まりにきてくれたり、彼氏と一緒にお家で料理もした。

そんな生活の裏側で、家族は苦しんでいた。母親から何度も「辛い」と電話やLINEがきたが、直接聞くよりは楽だった。少し他人事のように考えていた。そんな母親の病状が悪化して精神科に入院したのが昨年のことだ。

◎ ◎

また自分のせいで。涙が止まらなかった。

自分のやりたいことを日々叶えてきた学生生活に後悔する毎日。そんな学生生活も残り数ヶ月。私は社会に羽ばたく。

ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授によると人は1日に最大で3万5000回、何かしらの決断をしているらしい。

今の私は1つひとつ、怯えながら決断している。この決断もいずれ後悔するんだろうな、と感じながら。これはいつまで続くのだろうか。いつか自信を持った決断が出来るようになりたいものだ。

◎ ◎

家族の話は閉鎖的だ。自殺のニュースがあると、メディアはいのちの電話といった誰でも相談できる場所があることを報道する。何回も助けを求めて電話した私だからわかる。あの電話は本当に繋がらない。50回くらいかけているが、繋がったのは2回。平日のお昼だった。夜は電話がつながったことはない。真っ暗の中、不安と恐怖が身体中に襲いかかる。でも、電話は繋がらないし誰にも助けを求めることができない。だから私は文字で世の中に伝える。

いつか、後悔するかもしれない。
でも、決断し続けるしかない。
自信のある笑顔で決断できる日が来るまで。
現実を変えるには決断するしかないから。

■あずみのプロフィール
2002年生まれ。春からは地元のIT企業に勤める予定。音楽と子どもとスキーが好き。

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