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手水の読み方は「ちょうず」|意外と読めない神社にまつわる漢字3選

  • 2024.12.23

もういくつ寝るとお正月…。早いもので、新年のカウントダウンに入りました。正月には、お近くの神社に初詣とういのが恒例行事と言う方も多いことでしょう。今回のCLASSY.ONLINEの漢字記事では、「神社」に関係する漢字を集めてみました。

1.「手水」

最初は、「手水」です。さて、何と読みますか?二字の熟語ですので、「シュスイ」と読んだ人はいませんか?

正解は「ちょうず」でした。「神社に入る前に、手を洗い、口をすすいで清めること。または、その水」のことです。言葉の歴史で言うと、「てみづ→てうづ→ちょうず」と音便化(発音変化)したものですが、元の形である「てみず」と読んでいる神社もあるようです。したがって、「てみず」と読んだ人も間違いではないのですが、現在は「ちょうず」と読むほうが一般的では多いと思われますので、覚えておきたい読み方ですね。神社の入り口や参道近くには「手水舎」などと呼ばれる「清め所」がありますが、あれを「ちょうずや(ちょうずしゃ・てみずや)」と読んでいます。「柄杓(ヒシャク)」の使い方などには、作法がありますので、不安な方は初詣前に神社のホームページ等で確認しておくことをお勧めします。

2.「注連縄」

次は、「注連縄」です。そのまま読めば「チュウレンジョウ」ですが、こちらは今回のテーマ「神社」、そして「縄(なわ)」であることがわかれば、想像がつくのではないでしょうか。

正解は「しめなわ」でした。「しめ」とは「占める」の意味。「清浄な場と不浄な場との境界線に張り、神事の場に不浄なものの侵入を禁ずる印」の意味があります。この「しめなわ」は、「七五三縄」と書く場合もありますが、これはいわゆる「当て字(熟字訓)」ですが、横繩の部分に、「藁(わら)」の「茎(くき)」を、右から「七筋・五筋・三筋」と垂らすことに由来しているという説があります。また、「七・五・三」は割り切れない奇数であり、「縁起のよいもの・丈夫なもの」の象徴です。これは子供の成長を祝う「七五三」からもわかりますね。

3.「御神酒」

最後は、「御神酒」です。さて、何と読みますか?

これは、「ゴシンシュ」派と「おみき」派と割れたのではないでしょうか。実は両者正解です。ただし、厳密には意味が違うと言われます。「神に供える酒」の場合は「ゴシンシュ」、それに対し、「神前にお供えした後に、人々に提供されるお酒」が「おみき」という違いです。また、単にお酒そのものを「おみき」というケースもあります。
この「御神酒」を「ゴシンシュ」と読むのは、普通の音読みですから問題はないと思われますが、「おみき」という読み方は、「当て字(熟字訓)」です。こちらは、この読み方を知れなければ読めませんので、「ゴシンシュ」としか読めなかった人は、この機会に覚えておきましょう。
なお、「御」の字がつかなくても「神酒」だけで「みき」と使う場合もありますが、実はもともと「みき」は「御酒」でした。「御」は名詞の前に付いて、「尊敬」の意味を添える字です。その場合、「ギョ・ゴ・おん・お・み」など多種多様な読みをするのですが、「神・皇室・仏教関係」の言葉に付く場合は、「御子(みこ)」「御仏(みほとけ)」のように「み」と読むのが原則です。その「御酒(みき)」に、さらに意味の上から「神」の字が付いて「御神酒」となったのでしょう。同じような組み立ての言葉に「御神籤(おみくじ)」などがありますね。

今回の特別「神社編」はいかがでしたか? 皆様、どうぞよいお年をお迎えください。では、今回はこのへんで。

《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「新字源」(角川書店)
・「読めそうでギリギリ読めない漢字」(河出書房新社)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)

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