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すぐそこに海のある絶景!リゾート地の代表・沖縄で叶える”ワーケーションのかたち”とは?

  • 2024.12.29

不要不急の外出禁止や自粛ムードのコロナ禍で広まったテレワーク。

出社しない働き方が見直されるなか、ポストコロナのあたらしい働き方として注目されたのが、仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」です。

あたらしい働き方、観光スタイルでもあるワーケーションは地域や観光事業者にとってもビジネスチャンス。

リゾート地の代表格である沖縄も誘致に力を入れています。

というわけで今回は、沖縄で体験したワーケーションモニターツアーとその魅力をご紹介します。

ポストコロナのあたらしい働き方「ワーケーション」とは

Photo by 観光庁「新たな旅のスタイル」

コロナ禍を経て一般に浸透したテレワーク。通勤時間や通勤ストレスなどから解放され、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が見直されています。

そうしたなか、そのうえを行く発展型として登場したのが「ワーケーション」というあたらしい働き方です。

Photo by 観光庁「新たな旅のスタイル」

ワーケーションとは、観光庁のウェブサイト「『新たな旅のスタイル』ワーケーション&ブレジャー」によると、

「Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすこと」

と定義づけられています。要するに、リゾートや温泉地などの休暇先でも、自分のペースで仕事をこなし、かつしっかり休暇も楽しむというスタイルですね。

欧米では割と定着しているこのスタイル。しかし、有給休暇取得の後進国・日本ではまだまだ発展途上の現実。観光庁の実態調査によると、ワーケーションを導入している企業は全体の約5%、導入を検討している企業も約13%と低く、一方、従業員で実際に経験した数はわずか4%、会社が導入していても未経験という人は10%にも満たない状況です。

Photo by PIXTA

ワーケーションは企業・従業員・観光地(行政・関係事業者)の三者にとってメリットがあるとされています。

働き手にとっては働き方の選択肢が増え、休暇が取りやすく、心身リフレッシュして仕事もはかどりモチベーションも向上、発想力などにも良い影響を与えるかもしれません。

一方、企業側にとっても仕事の質の向上、有給休暇の取得促進、人材確保や流出の抑止、CSRなどの企業価値向上にも貢献するでしょう。

さらに観光地からすれば、長期滞在が見込まれるワーケーションは新たな観光需要と消費を生み、関係人口増加で地域活性化が期待されます。

以上のことから、今、国や自治体を挙げてワーケーションの普及に取り組んでいるのです。

沖縄で叶えるワーケーションのかたち

コロナ禍による観光客激減に直面し、持続可能な新たな観光を模索していた沖縄県。

豊富な観光コンテンツを武器に、沖縄がすすめるワーケーションのあり方を見ていきましょう。

仕事がはかどる!?ワーケーション先に沖縄が最適な理由

Photo by PIXTA

沖縄といえば、美しいビーチに大自然の非日常的で開放的な空間、琉球文化に沖縄グルメ。何よりゆったり流れる島時間と島特有のゆるい社会も魅力のひとつですよね。

仕事が終わってひと息つけば、すぐそこにリゾートがある……そんな言葉がしっくりくる環境は沖縄ならではです。

オンとオフのメリハリをつければ、集中力がアップして仕事の能率が上がり、さらに沖縄の文化や風習、地域とふれあうことで、新たなアイデアや発想のきっかけとなるかもしれません。

地域で異なる沖縄ワーケーションのかたち

Photo by Mayumi

沖縄本島は北部・中部・南部の大きく3つに分けられ、それぞれに地域特性が見られます。

たとえば北部エリアは、ホテルリゾートや美ら海水族館をはじめ、ヤンバルクイナなど沖縄固有の貴重な自然が楽しめるやんばるの森が広がります。

中部エリアは、勝連城跡はじめ世界遺産の史跡群とともに、沖縄の原風景を残し、かつ豊かな食文化が楽しめるエリア。また、南部エリアは、那覇市を中心として仕事終わりの夜時間(ナイトライフ)が楽しめるエリアが揃っています。

自分の旅の好みに合わせてワーケーションの地を選べるのも沖縄の良さですね。

実践!うるま市で叶えた沖縄ワーケーション

沖縄本島中部に位置するうるま市。この地域もまた、ワーケーション普及に注力する自治体のひとつです。

今回は筆者が体験した、うるま市浜比嘉島を拠点とした沖縄ワーケーションモニターツアーの内容をご紹介します。

うるま市とワーケーション

Photo by 一般社団法人うるま市観光物産協会

那覇市内から車で約1時間、沖縄本島中部の東海岸に位置するうるま市は、勝連半島と大小10の島々からなる地域です。

そのうち、平安座島(へんざじま)、宮城島(みやぎじま)、浜比嘉島(はまひがじま)、伊計島(いけいじま)、津堅島(つけんじま)の5つが有人島となっています。

古い沖縄の方言で“サンゴの島”を意味するうるま市は、その名の通り、美しい海と豊かな自然に恵まれ、独自の文化や慣習、昔ながらの沖縄の原風景を今に残し、闘牛などの伝統行事も受け継がれています。

Photo by Mayumi

とはいえ、他地域に比べると際立った観光コンテンツが少なく、通過点にされがち。

しかしそれは見方を変えれば、のんびりとした開放的な空間で自分のペースで仕事に集中でき、かつ沖縄らしい観光も楽しめるという、まさにワーケーションにはうってつけの環境ともいえます。

ワーケーションの拠点施設「HAMACHŪ」

Photo by Mayumi

今回利用したワーケーション拠点施設は、旧浜中学校の廃校舎をリノベーションした「HAMACHŪ(ハマチュー)」。

HAMACHŪとは旧浜中の呼び名と、「HAMA Champuru(チャンプルー)Hub in Uruma」の頭文字からから取ったもの。

さまざまなスキルや異業種のテレワーカーらがここを拠点に地域と触れ合い、チャンプルーし(混ざり)あって、よりよい暮らしや生き方、島の未来を探求できるようにと想いが込められた施設だそうです。

Photo by Mayumi

フリーアドレス式のコワーキングスペースは明るく開放的で、高速WiFiも完備、半個室でのリモート会議も可能で、必要に応じてデスクトップPCも無料貸与されます(台数限定)。マルチコピー機やコーヒーサーバーも設置され、最低限のオフィス機能は備わっています。

そのほか用途に応じて、会議室やコミュニティスペース、レンタルオフィスにシェアオフィス、多目的ホールにくわえ宿泊機能も利用でき、グループ合宿や研修に最適です。

■詳細情報
・名称:HAMACHŪ(LACうるま内)
・住所:沖縄県うるま市勝連浜19
・電話:098-989-4838
・アクセス:那覇空港から車で約1時間10分

うるまで観光:自転車でアイランドホッピング

Photo by 一般社団法人うるま市観光物産協会

いよいよ、ワーケーションには欠かせない、うるまの観光の魅力をご紹介。

まずは、沖縄本島と離島をつなぐ全長約5kmの「海中道路」。海中道路といっても海の中のトンネルではなく、実際は海上に架かる橋です。四方をマリンブルーの海に囲まれ、沖縄屈指のドライブコースで知られています。

Photo by 一般社団法人うるま市観光物産協会

さらに、平安座島から浜比嘉島、宮城島、伊計島とうるま4島はすべて橋でつながっています。

つまり、最高の景色と心地よい風を肌に感じながら自転車によるサイクリング・アイランドホッピングが満喫できるのです。

■詳細情報
・名称:(レンタサイクル)カモメのジョナサン 海中道路艇庫
・住所:沖縄県うるま市与那城屋平4番地先 海の駅あやはし館向かい
・電話:090-9404-5225
・レンタサイクル利用時間:9:30~17:00(12:00~13:00まで受付貸出不可)
・アクセス:那覇空港から車で約1時間

うるまで観光:琉球のパワースポットでエナジーチャージ

Photo by Mayumi

お疲れ気味の心とからだには目を見張る絶景とパワースポットがおすすめ。自然豊かなうるま4島にはパワースポットが数多く点在します。

近年人気急上昇なのが、宮城島東岸にある絶景「果報(かふう)バンタ」。沖縄の方言で果報は「幸せ」、バンタは「岬」「崖」を意味し、「幸せ岬」の愛称で親しまれています。

さらに同敷地内には、「三天御座(ミティンウザ)」「はなり獄(だき)」「龍神風道」といった別のパワースポットも。ぜひコンプリートして元気と運を引き寄せましょう。

■詳細情報
・名称:果報バンタ
・住所:沖縄県うるま市与那城宮城2768 ぬちまーす観光製塩ファクトリー敷地内(宮城島内)
・アクセス:那覇空港から車で約1時間15分

Photo by Mayumi

30を超える御嶽(うたき)や拝所が存在する浜比嘉島は、島そのものがパワースポット。神々の島として知られています。

そんな浜比嘉島を代表するパワースポットの一つが、島南部にある「シルミチュー」。琉球開闢(かいびゃく)の祖で知られる男神シルミチューと女神アマミチューがこの岩屋で暮らし子を授かった場所とされ、子宝や子孫繁栄にご利益があると言われています。

■詳細情報
・名称:シルミチュー
・住所:沖縄県うるま市勝連比嘉(浜比嘉島内)
・アクセス:那覇空港から車で約1時間15分

Photo by Mayumi

一方、シルミチューから約1.5km離れた比嘉港内に浮かぶ小島「アマンジ」に立てられた祠が「アマミチューの墓」です。こちらも子孫繁栄、無病息災にご利益があるそうで、何より祠の前が絶景です。

■詳細情報
・名称:アマミチューの墓
・住所:沖縄県うるま市勝連比嘉(浜比嘉島内)
・アクセス:那覇空港から車で約1時間5分

うるまで観光:沖縄の原風景と地域とのふれあい

沖縄の原風景を色濃く残し、島暮らしが垣間見られるのもうるまの魅力。道すがら、地元のおじー、おばーとの何気ないゆんたく(おしゃべり)はほっこりできる想い出です。

Photo by Mayumi

アマミチューの墓に立ち寄ったときに出会った、もずくや塩の露天商を営む、くみちゃんおばあ。笑顔がチャーミングでお話し好きのおばあは、コロナ禍で捨てられたかわいそうな捨て猫20頭以上を保護し、エサ代を稼ぐべくYoutube「浜比嘉島のくみちゃん」も駆使して日々奮闘しているそう。

そんな何気ない会話やちょっとしたふれあいが楽しいひとときでした。

Photo by Mayumi

そんなくみちゃんおばあの飼い猫ちゃん。

沖縄といえば、島ネコ。4島をめぐっていると、海岸で、軒先で、石垣のうえで、自由にまったりくつろぐ島ネコたちから癒しをもらえます。

うるまで観光:沖縄グルメでお腹も心も満腹に

Photo by Mayumi

伊計島の黄金(くがに)いも、津堅にんじん、塩(ぬちまーす)、魚介類など、数ある名産の中でもうるま随一といえば勝連もずく。

もずくは全国一の生産量を誇り、太くてしっかりした歯ごたえが特徴です。

沖縄ではポピュラーなもずく天ぷらですが、中でも浜比嘉島にある丸吉食品名物「かにもずく天ぷら」は、このインパクトとボリュームで大人気。もちろん美味しさも天下一品です。

たかがもずくと侮るなかれ。本場で食べるもずくはひと味違います。生もずくはテイクアウトもできるので、ぜひお土産に。

■詳細情報
・名称:丸吉食品
・住所:沖縄県うるま市勝連浜72−2
・電話:098-977-7905
・営業時間:8:00~18:00
・年中無休
・アクセス:那覇空港から車で約1時間10分

文化体験:伝統製法で炊き上げる天然塩づくり

Photo by Mayumi

島内をたっぷり観光した後は、うるまならではの文化体験として、昔ながらの製法「流下式塩田」で製塩を行う「高江洲(たかえす)製塩所」にて天然塩づくりを体験!

流下式塩田とは、昭和20年代から40年代にかけて広まった製法で、竹の小枝を組んだ枝条架(しじょうか)にきれいな海水を滴下し、太陽熱と風で余分な水分を飛ばして海水を濃縮させていきます。手間暇かかり、この製法で製塩を行っているのは浜比嘉島ではここだけだそうです。

Photo by Mayumi

塩づくり体験では、すでに用意された濃縮海水を使用して、高火力で一気に焚き上げます。熱さをこらえながらじっくり丁寧にかき混ぜていくこと約20分、世界でつひとだけの天然塩が完成です。

というのも、同じ材料・分量・製法を行っても、混ぜ方や速度、塩を器から取り出すタイミングの違いで味変するのだそう。実際試してみると、確かに他の方が作った塩は、苦み甘み、まろやかさが少しずつ異なり、一同ビックリ。そんなユニークな体験も楽しめました。

Photo by Mayumi

最後はお好みの小さな壺に入れ、ラッピングして完成。お土産にも最適です。余談ですが、体験中、ずっと炸裂する塩職人オーナーの“塩”ダジャレ名物トークもおすすめです。

■詳細情報
・名称:浜比嘉島の塩工房 高江洲製塩所
・住所:沖縄県うるま市勝連比嘉1597
・電話:098-977-8667
・営業時間:10:00~16:00
・定休日:土日祝日 ※荒天時も臨時休業
・アクセス:那覇空港から車で約1時間15分

文化体験:沖縄の郷土料理クッキング

Photo by Mayumi

続いて体験したのは、うるま市の食材を生かした沖縄郷土料理のクッキング。

使用する食材はうるま市の台所ともいえる「うるマルシェ」にて購入し、高江洲製塩所で手作りした自分の塩を使って調理します。

Photo by Mayumi

うるまの海ぶた、島どうふ、勝連太もずくにうるま産鮮魚を使用し、サラダに津堅ニンジンしりしりー、魚のマース煮、海ぶたのラフテー煮、もずくのスープの5品にチャレンジ。

自分たちの手で作り上げる沖縄料理に味わいもひとしお。沖縄の食文化にふれ、その奥深さを感じつつ健康寿命も延びた気がしますよね。

異業種交流:新たな出会いと機会創出

Photo by Mayumi

今回のツアーは、IT関連から事業コンサル、人材開発や和菓子職人さんまで、じつに幅広い分野から参加者が結集。

プログラムのひとつに、うるま市が抱える観光課題とその解決の糸口を探るワークショップも行われました。

それぞれに異なるスキル、考え方、知恵、リソースがあり、域外目線や異業種ならではの目線で多角的に活発な意見が交わされ、解決のヒントが導き出されていました。

Photo by Mayumi

沖縄では、こうした地域と事業者の交流の場を設け、地域課題を解決するスタートアップ企業の創業支援や企業マッチングなどを行っているそうです。

つまり何かあたらしいことをはじめたい、いろんな人と出会って刺激が欲しい、人の役に立つ何かがしたいなど、今ある殻を破りたい人などにはもってこいの環境だと感じました。

ワーケーションはぜひ沖縄でチャレンジ!

ワーケーションを実際やるとなると、ネックになるのはやはり「コスト」。業務命令となれば会社負担となりやすいですが、自分都合で実施する場合、かかる費用は自己負担が多く、なかなか踏み出せない人も多いのでは。

そんなときチェックすべきは、国や地方自治体が行っているテレワークを伴った移住支援。沖縄県でも移住支援金制度が導入されています。ただし、年度によって対象地域、条件も異なるため要注意。また、引き続き2025年1月には第3回モニターツアーを開催予定です。興味のある方は「一般社団法人日本ワーケーション協会」のリリースをご参照ください。

あたらしい働き方の一歩を踏み出す先として沖縄ワーケーションはいかがですか?

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