1. トップ
  2. 恋愛
  3. クリスマスを独りで過ごすあなたに。新しい恋を見つけづらい現代を前向きに生きるカギ

クリスマスを独りで過ごすあなたに。新しい恋を見つけづらい現代を前向きに生きるカギ

  • 2024.12.23
恋人同士の別れと苦しみ、再生を描いた映画『エターナル・サンシャイン』より。
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND, Jim Carrey, Kate Winslet, 2004, (c) Focus Features/courtesy E恋人同士の別れと苦しみ、再生を描いた映画『エターナル・サンシャイン』より。

独り身でいることは不幸なのだろうか。いや、もしかして最も不幸なのは男性とデートしている女性たちかもしれない。「出会いもないし、一人で田舎に引っ越そうかと考えている」とある友人。デートしていた人にゴースト(突如連絡を断たれた)された別の友人は、「もう悩みたくないし、完全に諦めた」と話す。マッチングアプリによる駆け引きの加速、コミュニケーション能力の欠如、そして性的な幻滅などが悲惨なデートを生んでいると経験者は口を揃える。

私自身も独身のストレート女性として、状況が悪いことは知っていた。最近は友人らとチャットグループを作り、つらいデート体験談やトークのスクリーンショット、セラピストからの音声メッセージを送り合っているほどだ。しかしここまでひどいとは思わなかった。デートから完全に身を引く女性たちが明らかに増えている。

一方で、デートについて文句を言い合うこと自体が、事態を悪化させているのではないかとも危惧している。カクテルパーティーに出かけ、悲惨だったデートの体験談を交わし、トラウマの絆を深めるのは楽しい。しかし、おそらく役には立たない。ネガティブさはネガティブさを生む。もし私たち全員が過去のデートでの敵意や怒りを抱えたまま次のデートに向かえば、結局はお互いを傷つけ合うだけだろう。

もちろんそれは簡単なことではない。悲惨なデート話が尽きないなかで、どこに希望を求めればいいのだろうか。恋愛関係の専門家であり、『Love Life(原題)』の著者でもあるマシュー・ハッセーは、「恋愛に不満を抱いている人たちに囲まれるのは本当に簡単です」と言う。「でもそんな話ばかりを聞いていると、悲惨な世界だけを信じるようになってしまう」「デートを本当に楽しんでいる人もいれば、そうでない人もいる。ポジティブな現実もあるという点を忘れてはならない」と述べた。

マッチングアプリによるインスタントな満足感の弊害

The Scream

デートする相手のほとんどが最終的に配偶者になることはない。それにもかかわらず私たちは、結婚につながるような関係以外は失敗であると信じてきた。心理療法士のナオミ・マグナスは、「深く意味のあるつながりを望むのは自然なことですが、すべてのデートが完璧な出会いにつながるわけではないと理解することも重要です。すぐに“運命の人”にめぐり合うことを期待せず、自分自身を知ったり、興味深い人に出会ったり、コミュニケーションスキルを育んだりするための機会として捉えてみて」と呼びかける。

もし誰かにひどい扱いを受けたとしても、その感情に苛まれて自己嫌悪のスパイラルに陥る必要はない。自分に相応しい人ではなかったと考える方が建設的だ。できることなら、その怒りを感謝の気持ちに置き換えてみてほしい。自分を本当に理解してくれる人を見つけることに、こだわり続けることが重要なのだ。逆に拒絶されることはもちろんつらい。一方であなたを理解し、一緒にいたいと思ってくれる人を見つけるのに不可欠なプロセスでもある。相手があなたに価値を見出せなかったとしても、失うものはない。自尊心が傷つくかもしれないが、愛を失ったわけではないのだ。

また、長期的なパートナーを見つけるには時間がかかるという現実を受け入れる必要がある。食べ物から服まで、あらゆるものがすぐ玄関前に届く現代社会で私たちは待つことに慣れていない。マッチングアプリはその即時性に依存しており、人々はネットショッピングのような感覚でスワイプをしている。もしかしたらマッチして数秒で会話を始めることはできるかもしれないが、本当のつながりを築くには時間がかかり、通常は対面での出会いが必要となる。

「マッチングアプリのインスタントな満足感は非現実的な期待を生み、“運命の人”がすぐに見つからない物足りなさを感じさせます。そんなときこそ自分の情熱を育み、趣味を追求し、個人的な目標に取り組みましょう」とマグナスは提案する。「自分自身の人生に安心感と満足感を得ることができれば、健全で充実した人間関係を築くことができるようになります」

「愛はあなたを見つけてくれるはず」というアドバイス

恋人同士の別れと苦しみ、再生を描いた映画『エターナル・サンシャイン』より。
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND, Kate Winslet, 2004, (c) Focus Features/courtesy Everett Colle恋人同士の別れと苦しみ、再生を描いた映画『エターナル・サンシャイン』より。

デートに絶望感を抱いている友人たちがとりがちな行動が、元パートナーとの再会そして復縁である。「もしかしたら、あの人はそんなに悪くなかったのかも」と友人の一人が言うと、すかさず別の友人が「でも同僚と浮気してなかった?」皮肉を放った。にもかかわらず、「でも彼は背が高いし、いい仕事もしてるし……」と言い訳を並べる。言うまでもなく、これは決していい考えではない。人気ポッドキャスト「Jillian on Love」のホスト、ジリアン・トゥレッキは「私たちが元パートナーを恋しがるのは、頭のなかで過去の“いい記憶だけ”を再生しているから」と強調。「当時、その関係性がどれだけ大変だったかを思い出させてくれる友人と話す」ことを薦めている。

しばらく休んだ後デートに復帰する準備ができたら、まずはオンライン以外で人と出会う方法を見つけてほしい。当たり前のように聞こえるが、大きな違いがあるはず。「自分の興味に合ったグループアクティビティに参加してみてください。より自然な環境で知り合うことで深いつながりができ、デートに伴うプレッシャーが軽減されます」とマグナス。

結局のところ、それぞれの恋愛遍歴によって響くアドバイスは異なる。私が最近得た最高のアドバイスは、先月イベントで出会った17歳の高校生からのものだった。会話がデートの話に移ると、私たちは驚くほど多くの共通点を見つけた。彼女は「問題は誰もが愛を探しに出かけること」と話し、「多くの人が愛は自分で探しに行かなければならないものだと思っている。でもそれではうまくいかないし、気分が悪くなるだけ。愛はあなたを見つけてくれるはず」と自信たっぷりに教えてくれた。

Text: Olivia Petter Adaptation: Nanami Kobayashi

From: VOGUE UK

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる