【アゼライン酸って？】30代・40代の悩み多き大人肌も注目したい話題の成分

自分のことは後回しで、寝不足や不規則な生活が続きがちな30代40代の私たち。しつこく繰り返す大人ニキビやポツポツと目立つ毛穴、それになんだか皮脂も増えたような……と日々肌悩みが深刻化しているのに、見て見ぬフリしていませんか。そんな困ったの解消には、今注目の美容成分が配合されたコスメの出番かもしれません。無理せず、お家ケアでお肌のコンディションを立て直しましょう！

教えてくれたのは…

 

0th CLINIC（ゼロス クリニック） 院長
内科・美容皮膚科医
黒田 揮志夫 先生

医師 医学博士 病理専門医 日本医師会認定産業医。富山大学卒業後、順天堂大学心臓血管外科教室に入局し、心臓外科および血管外科、静脈瘤治療に従事。外科専門医を取得。医学博士号を取得後に病理専門医資格を取得。外科や病理の診療を深める中で、医療課題に関心を持つようになる。2024年東京・日本橋に内科と美容医療の両面からアプローチするコンシェルジュのようなクリニックである「0th CLINIC」を開業。

ブレイク目前！美容成分のニューフェイス“アゼライン酸”って知ってる？

美容成分を軸にしたスキンケア選びがスタンダードになっている今、最先端の美容成分はできる限りキャッチしておきたいところ！今回は美容賢者から熱視線を浴びているホットな美容成分“アゼライン酸”について黒田先生に伺いました。

 

アゼライン酸はどんな美容成分？

「アゼライン酸は、大麦や小麦など、日頃から私たちも口にしている穀物や酵母に含まれる『アゼライン』から抽出される成分です。副作用のリスクが低く、肌への刺激が少ないうえ、世界各国でニキビ用治療薬としての長年の実績が。アメリカではニキビや酒さ（赤ら顔）の治療薬として長らく保険適用で処方されている一方、日本では厚生労働省から未承認なため、アゼライン酸が配合されているスキンケアアイテムは『化粧品』に分類されます」（黒田先生）

 

どんな効果が見込めるの？

ではアゼライン酸にはどんな可能性があるのでしょうか。

 

アゼライン酸の5つの作用

1. 毛穴のつまりを解消
   毛穴のざらつきを減らすほか、毛穴づまりによってできるニキビの予防も
2. 抗炎症・抗菌作用
   赤ニキビや赤ら顔の炎症を抑えてくれるだけでなく、ニキビの原因になるアクネ菌を減らす
3. 抗酸化作用
   炎症対策にも効果的。ニキビ予防やニキビの悪化を防ぐことが期待できる
4. メラニン生成の抑制
   ニキビ跡の色素沈着抑制やブライトニング効果
5. 皮脂分泌を抑制
   過剰な皮脂を抑え、ニキビができにくいコンディションに導く

「ニキビの原因になる過剰な皮脂の抑制だけでなく、ニキビの初期段階である白ニキビや黒ニキビ、炎症段階の赤ニキビや黄ニキビ予防までまるっと引き受けてくれるのがアゼライン酸。ニキビ以外にも多方面の肌悩みに応えてくれるマルチな美容成分と言えるでしょう」（黒田先生）

 

大人の肌悩みにも！

「アゼライン酸はニキビ対策に特化した成分として知られているため、若い世代向けと思いがち。私たち世代には関係ないと興味を持っていなかった人も少なくないと思います。でも本当は30代・40代の大人肌も多角的に助けてくれるのがアゼライン酸の魅力。ぜひ次の肌悩みが思い浮かぶ人はトライしてみて。

・ ニキビ・吹き出物
・ 酒さ(赤ら顔)
・ 皮脂肌・オイリー肌
・ 毛穴づまり
・ ニキビ跡の色素沈着
・ 肌のくすみ

ただし、即効性があるタイプの美容成分ではなく継続して使うことで効果をじわじわと実感するものが多いため、最低2カ月ほどは使ってみてください」（黒田先生）

 

今、注目されている理由は？

「アゼライン酸は世界中で長年使用され、親しまれてきた成分ですが、ニキビだけではない多角的な効果が期待できるものとして、日本で注目されるようになりました。続々と新製品が発売されて目にする機会が増えていることも人気急上昇の一因です。

また、肌への刺激が少ないことも注目されている点。多くのニキビ治療薬を使用すると、肌の新陳代謝が上がり赤みや皮むけが生じてしまうことがありますが、アゼライン酸は比較的穏やかな作用のためそういったトラブルが起きにくいとされています」（黒田先生）

 

妊娠中も使える？

「妊娠中はニキビ治療薬は安全性の観点から基本的には使えません。対してアゼライン酸は妊娠中も比較的安全に使うことができます。ただし、妊娠中はホルモンバランスの影響などを受けて肌が不安定になりがちなので、コンディションを見ながら使用するようにしましょう」（黒田先生）

 

30代・40代の“アゼライン酸スキンケア”の始め方

どれを使ったら？と迷っている人は、まずは以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。

 

スキンケアの最後に投入してみる

いつも愛用している化粧水や乳液にプラスできるクリームは、取り入れやすさNo.1。さらに敏感肌で吹き出物や赤み、テカリなど気になる部分にだけピンポイントで使いたい時にも、クリームが適しています。

 

美容液に1点投資してみる

スキンケアアイテムの中でも、効果を早く感じたいのであればアゼライン酸がたっぷり配合された美容液を使ってみるのがおすすめ。さらに確実に効果を求めたいなら、より高濃度のものや、皮膚科や医療機関を受診して医療専売品にトライしてみて。また敏感肌の人は、「アゼライン酸誘導体」が使われたアイテムを選ぶと安心です。

☆アゼライン酸誘導体って？
アゼライン酸を水に溶けやすいように変化させた成分で、高い濃度でも副作用が少ないのが特徴。敏感肌の人も安心して使える新成分と言われています。

 

フルラインで使ってみる

アゼライン酸が気に入った人や、どんな美容成分のアイテムと組み合わせすればいいの？と困っている人は、化粧水・美容液・乳液またはクリームのフルラインで使ってみましょう。研究に研究を重ねて、ブランド独自にたどり着いた組み合わせで効果を実感できるはず。

 

いつものスキンケアアイテムに＋αとして使えるものから選んでみる

アゼライン酸が配合されたクレンジングやシートマスクなどのアイテムも多数！いつも使っているスキンケアに+αとして使いたい人はこの選択肢もおすすめ。

 

アゼライン酸・アゼライン酸誘導体配合のおすすめスキンケアアイテム

 

クリームで手軽にトライしたい人向け

ロート製薬／ダーマセプトRX AZAセラム

<こんな人におすすめ！>
・オイリー肌で肌トラブルが慢性化している
・毛穴レスな肌を目指したい

 

KISO／キソ バランシングクリーム AZ2 アゼライン酸20%配合フェイスクリーム

アゼライン酸が20%と高濃度で配合されたクリーム。一方、肌の成分に近いスクワランと保水力のあるヒアルロン酸という心強い2つの保湿成分と、肌ゆらぎに有効なグリチルリチン酸2Kやツボクサエキスも処方されていて守りも万全！なお、同シリーズにはアゼライン酸15%配合のクリームもあるので、肌への刺激が心配な人はそちらから始めてみて。

<こんな人におすすめ！>
・肌の乾燥やゆらぎも同時にケアしたい
・皮脂と水分のバランスが乱れている

 

美容液1本投資派の人向け

エトヴォス／バランシングVCクリアエッセンス

<こんな人におすすめ！>
・気になる部分にメイクの上からも使いたい
・ジェルのテクスチャーが好み

 

SISI／スマートアクティベーター

ヒマワリ種子由来のアゼライン酸が配合された乳液状の美容液。毎日使うことで肌を整え、しっとりしつつもベタつきのないサラッとした肌に。保湿成分とツボクサエキス由来のCICA成分も入っているので肌がゆらぐ時も安心です。

<こんな人におすすめ！>
・肌の調子が季節に大きく左右されがち
・生理前後の吹き出物に悩んでいる

 

SISA／シルキースキンセラム

<こんな人におすすめ！>
・なるべく時短で効率的にスキンケアを終わらせたい
・ベタつかない軽めなテクスチャーが好き

 

Anua／アゼライン酸15 インテンスカーミングセラム

<こんな人におすすめ！>
・守りのケアをしながら、アゼライン酸が高濃度配合された美容液を使ってみたい
・オイリー肌でメイク崩れが気になる

 

ライン使いしたい人向け

クオリティファースト／DERMA LASER SUPER AZELAIC ACID100 SERIES

<こんな人におすすめ！>
・タイパもコスパも重視したい
・ボコッと角化した毛穴に悩んでいる

左から

 

ネイチャーリパブリック／アゼペアシリーズ

<こんな人におすすめ！>
・丁寧に段階を踏んでライン使いしたい
・毛穴だけでなく、肌のくすみも気になっている

左上から時計回りに

 

AZELAIN／AZシリーズ

<こんな人におすすめ！>
・アゼライン酸誘導体のスキンケアを使いたい
・長年、ニキビや吹き出物に悩まされている

左から

 

シートマスクやパック、クレンジングで取り入れたい人向け

ルルルン／ハイドラAZ マスク

アゼライン酸誘導体と低分子のヒアルロン酸が皮脂トラブルや肌荒れを鎮静させながら保湿しキメの整った肌に。肌あたりのやさしい三層構造の独自シートも秀逸です。

<こんな人におすすめ！>
・毎日手軽にアゼライン酸入りのシートマスクを使いたい
・肌の赤みなどの肌トラブルを素早くケアしたい

 

SHIMBI METHOD／ダーマンプルマスク CICAエクソソーム×アゼライン酸

毛穴より微細なCICA由来のCICAエクソソームと、保湿効果がある米ぬか水のアンプルを水の代わりに使ったシートマスク。毛穴のざらつきをフラットにし、ハリのある引き締まった肌に導いてくれます。

<こんな人におすすめ！>
・アゼライン酸アイテムを手軽に1度試してみたい
・スムース肌に憧れている

 

EKATO／バランシングジェルパック

<こんな人におすすめ！>
・お家でスペシャルケアをしたい
・肌のポテンシャルを高め、ゆるがない肌に育てたい

 

ルルルン／ルルルンクレンジング トーニングバーム CLEAR BLACK

<こんな人におすすめ！>
・毛穴の黒ずみをなるべく刺激を与えずに、やさしくケアしたい
・ターンオーバーが乱れがち

 

フルリ ／クリアゲルクレンズAC

高機能還元水がベースとなった人気のジェルクレンジングから、アゼライン酸入りタイプが新登場。グリチルリチン酸2Kやカンゾウ根エキスも配合され、ニキビができやすい肌環境を健やかに保ちます。すっきりと洗い上がり、気になるテカリやベタつきもケア。

<こんな人におすすめ！>
・大人ニキビに悩んでいる
・さっぱりとした洗い心地が好き

 

アゼライン酸との上手な付き合い方

せっかく使うなら、なるべく効率的で、安心に使いたいですよね。気になる使い方のポイントをお伝えします。

 

まずは少量・低濃度からスタートしてみる

「美容液のアゼライン酸の配合率は、低濃度から20％程度の高濃度まで幅広くなっています。初めてのアゼライン酸なら、低濃度から様子をみましょう。なお、配合量の明記は義務ではないので、濃度は記載されていないケースも多数。その場合は、成分表を見てみて。配合量が多い順に成分表に記されているため、後ろのほうにアゼライン酸の記載があるものを選びましょう。

アゼライン酸は比較的低刺激ではありますが、保湿が足りていないと刺激を感じることも。しっかりと化粧水で保湿した後に使うようにすることも大切です。使い始めはピリピリと刺激を強く感じてしまうケースがあるので、少量からスタートして。回数を重ねるごとにピリピリ感は薄れていくものですが、続く場合は一旦使用を見送るのがベターです。また、目の周りなど皮膚の薄い部分や肌荒れしている部分は避けましょう」（黒田先生）

 

アゼライン酸と併用NGな成分、OKな成分は？

併用についても気になるところ。黒田先生に伺いました。

【併用NGな成分】
基本的に、アゼライン酸と併用NGな成分はありません。古い角質を取り除くピーリング成分との併用で刺激を感じる人もいるためデリケートな肌の人はご注意を。

【併用OKな成分】
レチノールやビタミンCなどの成分と組み合わせても基本的にOKですが、高濃度のレチノールやビタミンCとの併用は刺激が強くなりすぎることもあるので、肌がデリケートな人は避けるのがベターです。また、ナイアシンアミドのほか、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分とも組み合わせ可能です。

 

朝、使って大丈夫？

「アゼライン酸は朝も使用可能。朝晩1日2回使うことが推奨されています。ただし、朝使用する場合は日焼け止めをしっかり塗ること。紫外線の影響で肌のバリア機能が低下してしまうと肌が乾燥し、刺激を感じやすくなってしまうからです」（黒田先生）

 

つるんとした毛穴・ニキビレス肌を手に入れよう

大人ニキビや毛穴トラブルは一度悪化してしまうと改善に時間もコストもかかってしまいます。そうなる前に早めに手を打つのが正解！話題の成分「アゼライン酸」で、肌悩みを手放すケアを始めてみませんか。

 

取材・文／髙丘美沙紀

＊掲載中の情報は本記事公開時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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